FDAがRET融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに対する初のNG...

FDAがRET融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに対する 初のNGSベースのコンパニオン診断薬を承認

~ Oncomine Dx Target Test、 ガブレトの治療対象候補となる患者を特定し、臨床的有用性を拡大 ~

本リリースは、Thermo Fisher Scientificが2020年9月8日(米国現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳再編集したものです。英文プレスリリースは、 https://thermofisher.mediaroom.com/2020-09-08-FDA-Approves-First-NGS-Based-Companion-Diagnostic-for-RET-Fusion-Positive-Non-Small-Cell-Lung-Cancer をご参照ください。

英文タイトル:FDA Approves First NGS-Based Companion Diagnostic for RET Fusion-Positive Non-Small Cell Lung Cancer

本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。



米国カリフォルニア州カールスバッド(米国現地時間2020年9月8日) - 米国食品医薬品局(以下、FDA)は、ブループリント・メディシンズ社が開発した分子標的薬であるガブレト(TM)(プラルセチニブ)の治療対象候補となるRET融合遺伝子陽性の転移性非小細胞肺がん(以下、NSCLC)患者を同定するコンパニオン診断薬(以下、CDx)として、サーモフィッシャーサイエンティフィックのOncomine Dx Target Testに製造販売承認を与えました。Oncomine Dx Target Testは、FDAが承認した3種類のNSCLC治療に関連するバイオマーカーに対する初の次世代シークエンシング(以下、NGS)ベースのCDxとして、2017年に初承認されました。この度、RET融合遺伝子陽性NSCLCに対する標的治療のための検査として、FDAが初めて承認しました。サーモフィッシャーは米国にて年内にRET融合遺伝子変異の測定結果をレポートに追加できるように、Oncomine Dx Target Testを更新します。


ガブレトは、RET融合遺伝子変異を標的とした強力かつ選択的な1日1回投与の経口治療薬です。ガブレトは、転移性RET融合遺伝子陽性の成人NSCLC患者の治療薬として9月4日にFDAより早期承認を取得しました。この承認は、現在進行中のRET融合遺伝子陽性NSCLC患者(治療歴の有無を問わない)を対象とした、第1/2相ARROW臨床試験のデータに基づいています。


RET融合遺伝子は、米国の全肺がんの85%を占めるNSCLC患者の約1~2%において、主要な疾患促進因子であると考えられています(*1)。新たなデータによると、近年NSCLCの死亡率は減少しており、分子標的治療を含む治療の進歩が生存率の改善に寄与している可能性が示唆されています(*2)。RET融合遺伝子は、National Comprehensive Cancer Network(NCCN、全米総合がんセンターネットワーク)のガイドラインによる、NSCLCにおけるマルチバイオマーカー検査に推奨される重要なマーカーのリストに掲載されています。この度のOncomine Dx Target Testの承認により、NSCLC患者は、承認されたNGSを用いたRET融合遺伝子の迅速な評価を受けることができるようになりました。


Oncomine Dx Target Testは、NSCLCと臨床的に関連する23の遺伝子を同時に評価します。2017年、FDAはOncomine Dx Target Testを、特定の標的療法の対象となりうる患者を特定するためのCDxとして承認しました。また、この検査は日本の厚生労働省によって、NSCLCの12の標的療法に関連する4つのバイオマーカー(EGFR、ALK、ROS1、BRAF)に対するCDxとして承認されています。


最近では、ロシュ・グループのメンバーである中外製薬株式会社とサーモフィッシャーが今年初めに締結した、日本におけるCDx契約に基づき、厚生労働省がエヌトレクチニブ(ロズリートレク(R))による治療の対象となりうる、ROS1融合遺伝子陽性NSCLC患者を評価するための検査として、Oncomine Dx Target Test(販売名:オンコマイン Dx Target Test マルチ CDxシステム)を承認しました。Oncomine Dx Target Testは現在、米国、欧州、日本、韓国、イスラエルの政府および民間保険会社によって承認、償還されており、世界では5億5,000万人以上の命をカバーしています。


サーモフィッシャーのクリニカルNGSおよびオンコロジー(腫瘍学)事業のプレジデントであるガレット・ハンプトン(Garret Hampton)は、次のように述べています。「当社の目標は、複数のガイドラインで推奨されている、NSCLCのような重要な適応症において、非常に実用性の高いNGSベースのマルチバイオマーカー検査を世界中のがん患者さんに提供することです。この度の承認はこの取り組みを強調するものです。当社の検査は、市場にあるあらゆるNGS IVD検査の中で最も少ない検体量で済むようにデザインされており、より多くの患者さんが検査から恩恵を受け、適切な治療を前もって受けることができるようになっています。また、当社のコミットメントの一環として、がん遺伝子パネル『Oncomine Precision Assay』と次世代シーケンサー『Genexusシステム』のFDAへの承認申請を通じて、次世代コンパニオン診断の開発に注力し続けます」



■商標

GAVRETOおよびBlueprint MedicinesはBlueprint Medicines Corporationの商標です。



■参考文献

(*1) Molina JR, Yang P, Cassivi SD, Schild SE, Adjei AA. Non-small cell lung cancer: epidemiology, risk factors, treatment, and survivorship. Mayo Clinic Proceedings. 2008;83(5):584-594. doi:10.4065/83.5.584

(*2) Howlander N, et al. The Effect of Advances in Lung-Cancer Treatment on Population Mortality. New England Journal of Medicine; 383:640-649 DOI: 10.1056/NEJMoa1916623



■サーモフィッシャーサイエンティフィック インコーポレイテッドについて

サーモフィッシャーサイエンティフィック インコーポレイテッド(本社:米国マサチューセッツ州ウォルサム、NYSE:TMO)は、科学サービスを提供する世界的なリーディングカンパニーであり、収益は250億ドルを超えています。私たちのミッションは、私たちの住む世界を『より健康で、より清潔、より安全な場所』にするために、お客様に製品・サービスを提供することです。私たちはライフサイエンス研究のさらなる加速、分析における複雑な課題の解決、臨床診断性能と治療の向上、研究室の生産性向上に取り組むお客様を支援します。世界に75,000人以上の従業員を擁する当社のグローバルチームは、Thermo Scientific、Applied Biosystems、Invitrogen、Fisher Scientific、Unity Lab Services、Patheonといった業界をリードするブランドを通じて、革新的な技術、購入における利便性、医薬品開発・製造サービスにおいて、他に類を見ない組み合わせを提供します。

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