特許庁、2020年度支援先スタートアップ企業 15社を決定 ...

特許庁、2020年度支援先スタートアップ企業 15社を決定  日本の未来を担う革新的アイデア&技術の特許取得を全面支援

人手不足解消のロボティクスや先端ヘルスケア等の 知財戦略を専門家チームがサポート

特許庁は、事業と知財の両面でスタートアップ企業の成長を加速させることを目的とした『知財アクセラレーションプログラム(IPAS:IP Acceleration program for Startups)』の2020年度の支援先企業15社を決定いたしました。支援先には、ビジネス専門家と知財専門家からなる『知財メンタリングチーム』が派遣され、約5か月間にわたり事業成長における知財戦略の支援を行います。


2019年度 IPAS支援先企業発表記者会見


■知財アクセラレーションプログラム(IPAS:IP Acceleration program for Startups)」とは

IPASは、支援先企業に適切な知財戦略を構築して事業の加速を目指すプログラムです。革新的な技術やアイデアを武器にするスタートアップ企業では、コアとなる“技術”や“アイデア”を知的財産として保護する『知財戦略』の構築が不可欠です。IPASは、『知財戦略構築』の必要性を感じながらも取り組めていないスタートアップ企業を対象に、知財とビジネスの専門家からなる“知財メンタリングチーム”を一定期間派遣し、事業戦略の診断・ブラッシュアップを行い、事業戦略に連動した知財戦略を構築します。これにより、スタートアップが知財を戦略的に活用し、競争力を失うことなく成長を加速させていくことを強力に後押しします。



■IPASが狙いもたらす効果とは

IPASでは、戦略コンサルタントやベンチャーキャピタリストらによるビジネス面のメンターと、弁護士や弁理士らによる知財面のメンターで結成する“知財メンタリングチーム”が、シーズや出口戦略を診断・構築した上で、ビジネスに合った知財戦略構築を支援します。


また、必要に応じて、即時に権利化すべきシーズの特許出願戦略も立案します。これにより、『独占=ビジネスによる事業の差別化、模倣防止』『連携=異業種や大企業等との戦略的な事業提携の実現』『信用=資金調達やM&Aの際のブランドや技術力の裏付け』の3つのメリットが期待できます。


下記は、2019年度の支援先企業である株式会社メタジェンとパイクリスタル株式会社によるIPAS支援後の成果コメントです。



■株式会社メタジェンのコメント

事業内容:個々人によって異なる腸内環境を適切に分類し、腸内環境のタイプに合わせたアプローチを行い、健康維持・疾患予防を目指す層別化ヘルスケアサービスの開発


「当社の事業の方向性や、経営者の考え方をご理解いただいた上で、知財戦略・事業戦略について支援をしていただくことができました。教科書的な知識やセオリーにとらわれず、当社のスタイルに合わせて支援をしていただけたことがよかったと感じています。毎回大変有意義なアドバイスをいただけたことに、心より感謝しております」



■パイクリスタル株式会社のコメント

事業内容:東京大学で開発された有機半導体単結晶技術を応用し、柔らかく、薄く、軽く、安価なデバイスの作成


「専門家の視点から、当社が気づいていなかった知財的な課題を指摘いただくとともに、的確なアドバイスをいただくことができました。知財戦略の立案から、既存の知財関係の課題の解決まで、幅広く、当社の知財面のレベルアップに寄与していただくことができました。ビジネス面においても実践的なアドバイスをいただくことができました。本当に感謝しています」



■支援先スタートアップの選定プロセスと2020年度支援企業

本年度は、応募企業113社から書類審査を通過した30社について、有識者6名からなる審査委員会によるピッチ(プレゼンテーション)審査を行い、人手不足解消のロボティクスや先端ヘルスケアなど世界での活躍が期待できる企業15社を選定しました。


【IPAS2020第一期支援先企業一覧(50音順)】

●アナウト株式会社(神奈川県横浜市 代表:小林 直)

外科医の知識を人工知能に学習させ、手術中の人体構造を認識する手術地図を作成し、より安全な手術を提供することで、患者が苦しむ手術合併症の減少に貢献する手術支援AIシステムの開発。


●アンヴァール株式会社(静岡県浜松市 代表:櫻井 重利)

海洋に含まれるマグネシウムを採取する、火力発電などからのCO2の資源化、地下でメタン・水素を作るなど、日本を資源大国にする省エネルギー型金属酸化・還元技術の開発。

URL: http://www.aonbarr.co.jp/


●inaho株式会社(神奈川県鎌倉市 代表:菱木 豊)

農家とともに成長し、人手不足と農業経営の課題解決を目指し、収穫を代表する人の判断が必要な農作業を“AI”と“ロボティクス”でサポートするため、RaaSモデルによる自動野菜収穫ロボットを開発。

URL: https://inaho.co/


●株式会社コーピー(東京都文京区 代表:山元 浩平)

AIの実運用で必須となる品質保証に焦点を当て、XAI技術を用いた説明性向上や、実環境における頑健性検証や外部攻撃に対する脆弱性検証などを行う包括的アルゴリズムとそれらを用いたシステムの開発。

URL: https://corpy.co.jp/


●株式会社GCEインスティチュート(東京都中央区 代表:後藤 博史)

世界で年間約150兆円分発生する未利用熱や環境熱を再生可能エネルギーに活用すべく、「空気の温度」も半永久的に電力へ変換できる究極の環境発電技術「アンビエント発電」の実用化に挑戦。まず交換不要なIoT電源を開発。


●株式会社Jij(東京都文京区 代表:山城 悠)

量子・イジング計算機を用いた最適化アルゴリズム・ソフトウェアの開発。

URL: https://j-ij.com/


●株式会社Genics(東京都新宿区 代表:栄田 源)

口腔からヘルスケアのサポートを目指す次世代型全自動歯ブラシの開発。

URL: https://genics.jp/


●ジェリクル株式会社(東京都文京区 代表:増井 公祐)

新規開発のゲルを用いて体内の細胞を活性化することにより組織の再生を促す、新しい再生医療技術(内因性組織再生)の開発。

URL: http://gellycle.com/


●STAND Therapeutics株式会社(東京都港区 代表:樺山 博之)

従来の抗体では不可能であった、細胞内の疾患治療標的タンパク質にアプローチできる、細胞内抗体“STAND Technology”を用いた疾患治療薬の開発。



●株式会社スペースシフト(東京都千代田区 代表:金本 成生)

「宇宙×AIで世界をひもとく」をテーマに、地球観測衛星から得られる膨大なデータを人工知能を用いて自動解析し、様々な地球上の変化を読み解くソフトウェアの開発。

URL: https://www.spcsft.com/


●Cellid株式会社(東京都港区 代表:白神 賢)

世界最大級となる60°の視野角を誇るARグラス向けシースルーディスプレイおよび空間認識エンジンの提供・開発。

URL: https://cellid.com/


●株式会社チトセロボティクス(東京都台東区 代表:西田 亮介)

人手不足・低労働生産性という社会課題を、ロボット技術によって解決することを目指した時給980円のロボット労働力の提供およびロボットシステムの開発。

URL: https://chitose-robotics.com/


●株式会社HERBIO(東京都渋谷区 代表:田中 彩諭理)

個人の平熱時と発熱時の体温分析により、感染症等の早期発見を目指すサービス確立を目標とする体温を安定的かつ連続測定できるウェアラブル体温計と体調記録ソフトウェアの開発。

URL: https://herbio.co.jp/


●ライトタッチテクノロジー株式会社(大阪府大阪市 代表:山川 考一)

糖尿病患者の血糖値測定に際する苦痛・ストレスの緩和、感染症リスクの低減並びに血糖値管理による糖尿病人口の抑制を目標とし、中赤外レーザー光を応用した採血のいらない非侵襲血糖値センサーを開発。

URL: https://www.light-tt.co.jp/


●レグセル株式会社(京都府京都市 代表:半田 恭彦)

免疫抑制機能を持つTreg細胞を活用し、自己免疫疾患などの炎症性疾患や臓器移植後の拒絶反応を効果的に抑えることを目標とした、体外で増やした抗原特異的なTreg細胞による細胞治療の開発。

URL: http://regcell.jp/



■支援先企業の記者発表会イベント

7月27日(月)13時よりオンラインにて、IPAS2020支援先企業を紹介するキックオフイベントを開催します。

詳細はこちら: https://ipbase.go.jp/news/2020/07/news-0721.php



■知財アクセラレーションプログラム(IPAS)について

正式名称 : 知財アクセラレーションプログラム(IPAS:IP Acceleration program for Startups)

主催者  : 経済産業省 特許庁

公式サイト: https://ipbase.go.jp/public/startupxip.php



■本件に関する一般の方からのお問い合わせ先

〒100-8360 東京都千代田区丸の内三丁目2番3号 丸の内二重橋ビルディング

知財アクセラレーションプログラム(IPAS)事務局

担当 : 中條 蕗子、中川 瑞貴

TEL  : 03-6213-1251

メール: ipas-office@tohmatsu.co.jp

     ※お名前と会社名、所属部署を記載の上、御連絡ください。

取材依頼・商品に対するお問い合わせはこちら

プレスリリース配信企業に直接連絡できます。

  • 会社情報