第1回:多国籍な職場で生じる文化や価値観の違いを明らかにする...

第1回:多国籍な職場で生じる文化や価値観の違いを明らかにする 「仕事観に関する意識調査」

日本人の仕事観は、各国の外国籍人材に比べて独特であることが明らかに  「日本以外は月に3回までの遅刻が許容される」 「日本以外は複数社での業務経験をポジティブに評価」 職場環境が多国籍になる中で文化や価値観の違いの理解を深める必要性

株式会社エイムソウル(本社:東京都品川区、代表取締役:稲垣 隆司)は、「仕事観に関する意識調査」を2020年1~2月にかけて実施し、このほど結果を取りまとめましたので発表いたします。本調査は、日本全体で外国人労働者の受け入れが増加する中で、多国籍な職場で生じる文化や価値観の違いを明らかにすることを目的に実施しました。日本もしくは母国に滞在している6カ国(日本、韓国、中国、インドネシア、インド、アメリカ)・381名を対象に仕事観について調査をしております。


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※仕事観に関する意識調査レポートでは調査方法や回答者の属性など詳しい情報も記載しております。

「仕事観に関する意識調査レポート」ダウンロード

https://www.atpress.ne.jp/releases/211257/att_211257_1.pdf



■考察とまとめ

【調査結果1:「今日中に」と言われた場合は、20時までに完了報告】

―調査から明らかになったこと―

日本人は、「今日中に」と伝えた場合、20時までに完了してもらえることを期待することがわかった。一方で、中国・韓国は、24時までの完了でも許容される結果であった。


―外国籍人材の採用・マネジメントに役立つポイント―

仕事を依頼する際には、納期を「具体的な時間」と「提出方法」で合意する。また、阿吽の呼吸で動ける日本人とは異なるため、可能な限り早めに仕事を依頼する。


【調査結果2:日本以外は月に3回までの遅刻が許容されるが、日本は特別に他国より厳しい】

―調査から明らかになったこと―

就業時間に対する遅刻に対して、日本人だけが特別厳しい評価をすることがわかった。調査対象の5カ国はいずれも、月に「3回」以上の遅刻は許容範囲であるのに対して、日本人は「1回」を越えるとネガティブな評価に転じてしまう。


―外国籍人材の採用・マネジメントに役立つポイント―

勤怠の指導をする際は、ネガティブに評価される遅刻の「回数」と「時間」を伝えることが効果的。他国では「時間を守るのは偉いこと」だが、日本では「時間を守るのは当たり前」なため、考え方の違いがあることも共有しておくと良い。


【調査結果3:日本人以外は複数社での業務経験をポジティブに評価】

―調査から明らかになったこと―

日本人だけが転職経験をネガティブに評価するということがわかった。日本人が「1社経験」を最も高く評価するのに対して、日本以外の国では、「2~4社経験」への評価が高い結果となった。


―外国籍人材の採用・マネジメントに役立つポイント―

外国籍人材を選考する際は、応募者のキャリアの考え方と母国の転職市場を理解したうえで、面接に臨む。特に、転職の「理由」と「経緯」を、日本人以上に深堀して、自社を志望する理由を特定した上で合否を下せると良い。


【調査結果4:アジア圏は、フィードバック依頼への許容範囲が広い】

―調査から明らかになったこと―

アジア圏の5カ国は、許容範囲が広く、フィードバックの依頼をしやすいことがわかった。日本人に関しては、「こうあるべき」という暗黙のルールはあまりないことが示された。


―外国籍人材の採用・マネジメントに役立つポイント―

外国籍の部下を持った場合は、求めるフィードバックの「量」「質」「頻度」を確認する。配属時にはこまめにフィードバックの機会を設定し、業務に慣れてからは、頻度を減らすという方法もある。


【調査結果5:仕事の飲み会は月1がベスト】

―調査から明らかになったこと―

仕事の飲み会は、どの国でも月に1回程度が歓迎されることがわかった。また、日本・韓国・中国・アメリカでは、週1回を越える頻繁な飲み会は好まれないという結果も示された。


―外国籍人材の採用・マネジメントに役立つポイント―

歓迎会や得意先との懇親会などは、外国籍人材が前向きに参加したいと感じる頻度で設定する。また、納涼会・忘年会など、日本独特の慣習で参加必須の場合には、納得してもらえるよう説明することが重要。


「仕事観に関する意識調査レポート」ダウンロード

https://www.atpress.ne.jp/releases/211257/att_211257_1.pdf



■調査結果(抜粋版)

調査結果(1):時間への認識「今日中に」と伝えた時の期待値

≪質問≫

職場の部下が、朝9時に出社してすぐ、「この仕事を今日中にお願いします」と上司から言われました。実際にその部下が仕事を完了させたタイミングが以下の場合、あなたの国の人は、一般的にどう感じると思いますか?


調査結果1_各国回答結果

≪分析コメント≫

●「今日中に」と言われた場合は、20時までに完了報告

どの国でも午前中までに完了させるとポジティブに評価されることが判明。許容範囲については、「就業時間内の完了」と「24時までの完了」、どちらを期待するかは国別に差がみられた。

1. 共通点

各国ともに、依頼直後から午前中に仕事を完了すると、高い評価が得られる。

2. 日本の特徴

20時までに返事をすることが期待される。「勤務時間中」を「今日中」と捉える傾向がある。

3. 国別の特徴

韓国・中国:

許容範囲が最も広く、「今日中」(24時まで)に完了すれば良い。時間を守った時にポジティブ評価を得やすく、締切直前でもそこまでネガティブに評価されない。

インドネシア:

時間を守る時のポジティブ評価、守れない場合のネガティブ評価の振れ幅が大きい。許容範囲が最も狭く、「18時」を過ぎるとネガティブな評価を受ける。

インド・アメリカ:

時間を守るとポジティブに評価されるが、許容範囲は「20時」まで。


調査結果(2):勤怠への認識 遅刻の許容回数

≪質問≫

会社の就業時間は9時に設定されています。職場の部下が、1カ月の間で就業時間に遅れて出社する回数が以下の場合、あなたの国の人は、一般的にどう感じると思いますか?


調査結果2_各国回答結果

≪分析コメント≫

日本以外は月に3回までの遅刻が許容されるが、日本は特別に他国より厳しい

就業時間に遅れての出社は、日本人だけが特別厳しく、1回までしか許容されないことが判明。日本以外の国では、3回以上の遅刻が許容されており、勤務態度に対して日本人が厳格な基準を持っていることが示された。

1. 共通点

「遅刻をネガティブに評価する」という考え方は共通している。

2. 日本の特徴

遅刻はしないことが当たり前で、許容範囲は「1回」。遅刻ゼロでも高い評価は受けず、「1回」を越えると、ネガティブ評価に振れる。遅刻に対する日本人の考え方は厳しいといえる。

3. 国別の特徴

韓国:

日本に次いでネガティブな反応が強い。しかし、「3回」の遅刻も許容範囲内であり、日本よりは寛容な傾向にある。

中国・インドネシア・インド・アメリカ:

「3回」までの遅刻が、明確に許容される。かつ、日本よりも「遅刻しない人がポジティブに評価される」傾向にある。


調査結果(3):キャリアへの認識 転職履歴に対する評価

≪質問≫

あなたは採用担当者として応募者との面接をします。応募者の過去20年のキャリア・転職履歴が以下の場合、あなたの国の人は、一般的にどう感じると思いますか?


調査結果3_各国回答結果

≪分析コメント≫

日本人以外は複数社での業務経験をポジティブに評価

転職という行為を、日本人が最もネガティブに受け止めることが判明。日本以外の国では、「2~4社経験」への評価が高く、中国とインドネシアでは「6~8社経験」も許容される。一方、日本は転職回数の増加とともに評価が下がり続ける傾向にあり、未だ転職に対する抵抗感がみられた。

1. 共通点

明確な共通点がない。

2. 日本の特徴

1社経験が望ましく、経験企業数が増えるほどネガティブ評価に振れていく。また、許容範囲が最も狭く、4社までしか許容されないが、転職回数の多さ・少なさで強く拒否されるわけではない。そこまで強い暗黙のルールではない。

3. 国別の特徴

韓国・中国・インド:

「2~3社経験」を最もポジティブに評価する傾向。

インドネシア:

「2~3社経験」を最もポジティブに評価する傾向。かつ転職に対して最も寛容で、ネガティブな評価を受けにくい。

アメリカ:

日本と同じく「1社経験」を最もポジティブに評価する傾向。ただし、日本と異なり、転職経験が多い場合でも、ポジティブに受け止められる。


調査結果(4):自己実現への認識 定期的なフィードバック要請の受け止め方

≪質問≫

職場の部下が「定期的に上司から評価・フィードバックをしてほしい」と要望を出してきました。要求されたミーティングを以下の間隔で実施する場合、あなたの国の人は、一般的にどう感じると思いますか?


調査結果4_各国回答結果

≪分析コメント≫

アジア圏は、フィードバック依頼への許容範囲が広い

部下からの定期的なフィードバック要請に関して、アジア圏の5カ国は、「普通」「まあ良い」と捉えることがわかった。一方、アメリカ人だけは頻繁に依頼されることをネガティブに捉えるという結果がみられた。

1. 共通点

アジア圏の5カ国は、許容範囲が広い。

2. 日本の特徴

「1カ月に1回」が最も評価されるが、全体的に得点が0に近い。つまり、フィードバックの頻度に関して「こうあるべき」という暗黙のルールはあまりないといえる。

3. 国別の特徴

韓国・インドネシア・インド:

許容範囲が広く、日本に近い傾向。

中国:

許容範囲が明確。1カ月~半年の範囲が望ましく、短すぎても、長すぎても評価されない。

アメリカ:

他国と大きく異なる傾向。「1年に1回」が最も評価され、許容範囲は「3カ月~1年」。特に短期間のフィードバック依頼はネガティブに評価されるが、フィードバックの周期が長くなるほど、ポジティブな評価に転じる。


調査結果(5):ワークライフバランスへの認識 仕事上の付き合いに関する許容範囲

≪質問≫

職場の同僚や取引先との会食・飲み会が、毎月以下の回数開かれる場合、あなたの国の人は、一般的にどう感じると思いますか?


調査結果5_各国回答結果

≪分析コメント≫

仕事の飲み会は月1がベスト

仕事の飲み会は、どの国でも月に1回は歓迎されることが判明。また、許容されるのは2週間に1回までで、週1回以上を越えるとネガティブに感じるという点も共通点としてみられた。

1. 共通点

どの国も共通で「月に1回」が最も望ましい。

2. 日本の特徴

頻繁な飲み会を好まない傾向。頻度が増えるほど、ネガティブに捉えやすい。

3. 国別の特徴

韓国:

飲み会が少ない時のポジティブな反応、多い場合のネガティブな反応の振れ幅が大きい。特に、頻度が増えることに対して、ネガティブな反応が強い。

中国・アメリカ:

日本と同じく頻繁な飲み会は好まないが、ネガティブに捉える程度は、日本人よりも弱い。

インドネシア・インド:

「0回」は悪いという回答(0回の場合の平均点がマイナス)。職場における希薄・ドライな関係は好まれない。


「仕事観に関する意識調査レポート」ダウンロード

https://www.atpress.ne.jp/releases/211257/att_211257_1.pdf



■調査概要

調査名称   :「仕事観に関する意識調査」

調査目的   :多国籍な職場で生じる文化や価値観の違いを明らかにする

調査期間   :2020年1月15日~2月7日

調査方法   :WEB入力フォームによる回収

調査回答形式 :選択肢型

職場で生じる事象に関する10の設問に対して、以下7つの選択肢から1つを選択。

1) とても良いと思う

2) 良いと思う

3) まあ良いと思う

4) 普通

5) あまり良くないと思う

6) 悪いと思う

7) かなり悪いと思う

調査対象   :日本もしくは母国に滞在している日本人、韓国人、中国人、

        インドネシア人、インド人、アメリカ人

        ※母国語(日本語・韓国語・中国語・インドネシア語・英語)で回答

有効回答数  :日本人:132名

韓国人    :46名

中国人    :56名

インドネシア人:53名

インド人   :48名

アメリカ人  :46名

実施主体   :株式会社エイムソウル


■会社概要

会社名 :株式会社エイムソウル https://hr-cqi.net/

所在地 :東京都品川区大井1-24-5 大井町センタービル7階

設立  :平成17年7月7日

代表者 :代表取締役 稲垣 隆司

事業内容:●採用支援コンサルティング事業

     ●教育支援コンサルティング事業

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