消費プロセスにも影響?「守り」の意識を高める生活者

- CORE2020から読む『消費マインドの長期トレンド』より -

「改元」による新しい時代への期待感が高まった2019年。働き方改革の法整備など、古い価値観や行動を見直す動きが進みました。一方、「老後資金2000万円」問題、断絶・孤立感に起因する悲惨な事件など、様々な出来事もありました。株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント(所在地:東京都新宿区、代表取締役:松田 武久)では、 「生活者総合ライフスタイル調査CORE」から、この20年の動向を振り返り、2019年のソーシャルインサイトをまとめました。
今回は、その中から「国全体の景気感」と「自分の暮らし向き」に対する意識の変化についてレポートします。

調査結果

●「国全体の景気」が悪化しても「増税はやむなし」か。(図)
「国全体の景気は今後1年間に今よりも良くなると思う」という回答は、前回の消費税増税の2014年以降安定していたものの、2018年から2019年にかけて11.9ポイントダウンしました。一方、「国の財政不足を補うために、消費税上げることは必要だと思う」は、2014年時点では3割でしたが、2019年は4割と許容する人が増加しています。高齢化・少子化対策など差し迫った課題への危機感が強まり、財源確保のためには「国の景気が悪化しても、増税はやむなし」との感が広がったのかもしれません。

●楽観視が続いた「個人の暮らし向き」も頭打ち。(図)
リーマンショック以降、「国全体の景気感」が激しく上下しても、「自分の暮らし向きは今後1年間に今よりも良くなる」と思う割合が、約10年間にわたって過半数かつ微増傾向にありました。しかし、2019年調査ではその割合が僅かながら減少に転じています。増税で物価が高くなるというような単純な理由ではなく、将来に向けても国の経済環境が好転する要素が見出しにくいことで、「自分はなんとかなるだろう」といった楽観視ができなくなってきたようです。

R&D’s View

◇「自己防衛」に入った生活者。
国の未来に明るい兆しを見いだせないなか、生活者は「守り」の意識を高めていると考えられます。近年、デジタル技術の進歩や企業努力により、お手頃価格で高品質な商品・サービスを手に入れることができるようになりました。それにより、モノの選び方や判断基準も変わり、生活者はより賢く、厳しくなってきました。今回調査で「個人の暮らし向き」意識に頭打ち感が出てきたことは、そんな生活者の消費プロセスに、更に影響を与えると考えられます。
また、今回毎年10月に実施している定点調査の結果をご報告していますが、新型コロナウイルスの影響により世界の経済活動が鈍化し、人々の生活にも多大な影響が出ている今、生活者の「守り」の意識は一層堅くなると思われます。
一方、感染防止対策が諸々言われる中で、新しい生活スタイルや消費の仕方も生まれてきています。生活者のマインドを踏まえながら、停滞をしているだけでなく、何が新しい動きになっていくのか、目を向けていく必要があるでしょう。

調査結果グラフ

調査概要

調査名   :CORE2000(1999.10)~CORE2020(2019.10) マスター調査
調査対象  :首都圏40km圏内在住の18~79歳男女
調査手法  :訪問・郵送併用の自記入式留置調査
調査実施時期:毎年1回 10月実施
サンプル数 :有効回収 3000サンプル (人口構成比に合わせて、性×年代別を割付)
本リリースサンプル詳細:
※『CORE』は、株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメントの登録商標です。
※1982年から約 30年、生活者理解のために毎年実施している自主調査です。

「CORE2020」についての詳細は、弊社ホームページ https://www.rad.co.jp/service/core/ をご覧ください。
■会社概要■
会社名: 株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント
所在地: 〒163-1424 東京都新宿区西新宿3-20-2
代表者: 代表取締役社長 松田 武久
資本金: 30,000千円
設立 : 1968年1月17日
URL: https://www.rad.co.jp
事業内容:マーケティング・リサーチの企画設計、実施及びコンサルテーション
     経営・マーケティング活動の評価及びコンサルテーション

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