GSアライアンス株式会社が金属有機構造体 (MOF:Metal Organic Framework)、[別名:多孔性配位高分子 (PCP:Porous Coordination Polymers)]由来の 高容量のリチウムイオン電池用電極材料を開発

化石、石油由来の燃料、資源を消費せずに自然エネルギーに頼る持続可能な社会の実現には太陽電池、燃料電池などの発電デバイスの技術向上も重要ですが、高性能な二次電池、つまり蓄電池の技術の方も非常に重要と言われています。現在の代表的な二次電池はリチウムイオン電池であり、電気自動車、ハイブリッドカー、スマートフォンやパソコンなどを含めた種々の二次電池として用いられている電池です。ただ今後の電気自動車などのさらなる高効率化やスマートグリッド社会の実現などの要求に対応していくためには電池容量のさらなる向上が求められています。リチウムイオン電池の構成材料の中でも正極や負極などの電極材料は、電池の性能を左右する非常に大きな要因であり、世界中の企業、大学などの研究機関で活発に研究開発が行われています。現在、主に用いられている電極材料は酸化物系、炭素系の材料が多い状況となっています。


金属有機構造体 MOF(Metal Organic Framework)由来の電極材料を用いたリチウムイオン電池


以前からGSアライアンス株式会社(Green Science Alliance Co., Ltd.:環境、エネルギー分野の先端材料を研究開発、製造販売する化学会社/本社:兵庫県川西市/代表取締役社長:森 良平 博士(工学)、冨士色素株式会社グループ)は、金属有機構造体(MOF:Metal Organic Framework)、[別名:多孔性配位高分子(PCP:Porous Coordination Polymers)]という超多孔性物質由来のリチウムイオン電池用の電極材料の開発を続けていましたが、この度、約520 - 540mAh / gという高容量の電極材料を開発しました。50サイクル後の容量も、約450 - 460mAh / gと、比較的充放電サイクルに対する減衰の少ない電極材料となっています。同社は金属有機構造体(MOF:Metal Organic Framework)を自社内で合成しているので、今後もさらに異なるMOF、電極合成方法の研究開発を続け、より高容量、充放電サイクルに耐性の高い電極材料の開発を目指します。



■用語解説

金属有機構造体(MOF:Metal Organic Framework)、[別名:多孔性配位高分子(PCP:Porous Coordination Polymers)]


金属カチオンとそれを架橋する多座配位子によって構成される新物質で、構成される金属及び有機配位子をチューニングすることで、細孔の形状、大きさや分子官能基を分子レベルで精密調整することができる超多孔性材料です。適切な剛直有機配位子と配位方向が規定された金属クラスターの間で錯体形成を行うと、超多孔質な周期性の高い結晶性化合物が得られることになります。以前から使用されている多孔性材料である活性炭、ゼオライト、メソポーラスシリカなどは細孔構造、比表面積を精密に制御した構築は困難でしたが、MOFは分子設計に配位結合を精密に取り入れることができるので細孔構造、比表面積、形態などをナノメートルレベルで人為的に設計でき、非常に複雑な構造体の構築や高次機能の発現が可能となります。加えて、従来の多孔性材料よりさらに軽量で、より高い表面積を有しています。表面積が5000m2/gという大きな表面積を有するMOFもあります。理論上は金属カチオンと有機物の多座配位子の組み合わせの数のMOFができるので、既に2万種類以上のMOFの種類が報告されています。



■会社概要

商号  : GSアライアンス株式会社

代表者 : 代表取締役社長 森 良平(工学博士)

所在地 : 〒666-0015 兵庫県川西市小花2-22-11

事業内容: 環境、エネルギー分野の最先端材料の研究開発と製造販売

URL   : https://www.gsalliance.co.jp/

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