第13回「働く人の電話相談室」結果報告 20代30代の相談件...

第13回「働く人の電話相談室」結果報告  20代30代の相談件数が増加、職場の悩みが多岐に渡る 働き方改革元年に職場での人間関係やパワハラ、 労働条件に課題

働く人の心の問題解決を支援する「産業カウンセラー」を養成する一般社団法人 日本産業カウンセラー協会(代表理事:小原 新)では、世界自殺予防デーにあわせ、「働く人の電話相談室」を9月10日(火)、から3日間、全国19か所で開設しました。


2007年最初の開催から今年で13回目を迎えた期間中、電話相談窓口に3日間で延べ695名、1,159件(※相談者からの主訴を最大3つまで選択する方式として集計)の相談が寄せられました。その相談内容を集計し、その結果をまとめましたのでご報告いたします。


相談者数、件数とも昨年に比べ約2割減少しましたが、正規・非正規社員からの件数・割合が増加しています。それを反映し、職場の悩み件数も大幅増となり、働き方改革元年の今年に、依然として労働環境や労働条件に関する悩みが顕在化していることがわかりました。また20代、30代の相談件数が昨年を上回り、将来を担う若い層の仕事や職場での悩みが多い結果となりました。



<第13回「働く人の電話相談室」の結果主なポイント>

・職場の悩みが増加、なかでも人間関係やパワハラの相談が件数、割合とも高まる

・相談相手は職場上司、同僚や家族・知人友人が中心、身近な存在が重要

・20代、30代の若い層の相談件数が増加



■職場、キャリアに関する悩みの割合が増加。パワハラは年々増加傾向に

今回の相談内容を集計した結果、「悩み」に関する項目のなかで「職場の悩み」「キャリアに関する悩み」が大きく増加しました。働き方改革元年ということで、法整備や一般企業での様々な取り組みがなされている一方、働く側にはそうした意識改革や実行も求められます。しかしそうした制度と働く側との距離感、企業側の制度整備が追い付かない等、ギャップが生まれていることを反映しているともいえます。

その「悩み」のなかで「職場の人間関係」、「パワハラ」、「労働条件」などが顕著に増加しており、なかでも「パワハラ」は一昨年から増加傾向が続いています。今後も大きな社会問題として注目されると思われ、引き続き職場で解決すべき問題として企業側も取り組みを急ぐべき課題と思われます。


<「悩み」の項目別相談比率>

「悩み」の項目別相談比率


<「職場の悩み」の内訳別相談件数>

「職場の悩み」の内訳別相談件数


<「悩み」の項目別相談件数>

「悩み」の項目別相談件数



■相談相手は身近な上司、同僚、家族と職場の悩みに直結する関係性が増加

職場での悩み、キャリアといった仕事に直結する相談内容が増加したことで、身近な相談相手として上司、同僚、家族といった近しい関係性の対象者が昨年に比べ倍近く増加しています。これは相談者の属性のなかで、昨年多かった専業主婦、無職の相談者数が半数近く減少した一方、正規社員、非正規社員の相談者数が増加しており、結果として職場での悩みやキャリアに関する悩みの相談者数が増えたことを反映していると思われます。


<相談相手の内訳と件数>

「相談相手の内訳と件数」


<相談者の属性と件数>

「相談者の属性と件数」



■20代、30代の相談件数が増え、仕事に関する悩み

年齢別でみると、相談者数では前回までと同様50代がピークで全体の3割をしめていますが、今回20代、30代の相談者数が他の年代と比較し増加したのも特徴です。

20代、30代の「悩み」の分類では「職場の悩み」についで「メンタル不調・病気の悩み」が続き、この2項目で同年代の7割近くをしめています。年代が上がるにつれ、社会的責任や生活形態等が変化することから、家族や生活の悩み等多様化する傾向は従来とかわりませんでした。


<年代別相談人数>

「年代別相談人数」


【2019年度「働く人の電話相談室」実施概要】

●実施日時:2019年9月10日(火)~12日(木)午前10時~午後10時

●実施場所:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会各支部19拠点

●実施方法:フリーダイヤルによる電話受付

●集計総数:延べ 695名、1,159件

●集計方法:

相談内容をA~Hまで8つのカテゴリーに分類、それぞれのカテゴリー内に最大11個の項目を設定し、相談者からの主訴を1つから最大3つまでを選択する方式として集計した。また、カテゴリーA『職場の悩み』のうち、(1)職場の人間関係、(2)セクハラ、(3)パワハラ、(4)その他のハラスメント、の4項目については、悩みの対象が誰なのか「1 男性」「2 女性」、相談者との関係性「1 上司(役員含め)」「2 部下」「3 同僚」「4 非正規社員」「5 その他・不明」と細分化し、項目の選択から悩みの内容を類推できるようにした。

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