NPO 法人 IOJ (日本の将来を考える会)(代表:宮 健三、所在地:東京都台東区、URL: http://ioj-japan.sakura.ne.jp/xoops/ )は、福島原発の事故を理解するための基礎知識を発表しました。放射性物質と原発についての正しい知識と情報を得て、適切な判断をすることが重要であることを呼びかけています。
基礎知識⇒ http://www.atpress.ne.jp/releases/19538/1_5.pdf
【放射性物質について】
放射性物質は普段の生活でも、大気や大地、毎日食べている食料からも取り込んでいます。地域にも若干の違いがありますが、日本では、普通の人が受ける放射性物質は年間約2.4mSv(ミリシーベルト)です。
東京-ニューヨーク間の航空機旅行では、往復で0.2mSv(ミリシーベルト)の放射性物質を浴びることになります。通常生活で最も放射性物質を浴びる機会は、医療用CTスキャンで6.9mSv(ミリシーベルト)です。
今回、福島原発の事故で漏れた放射性物質量で最も多かった3月15日午前中でも、原子炉から数百メートルの観測地点で約12mSv(ミリシーベルト)でした。これは、およそ医療用CTスキャン2回分の放射性物質の量です。
◆単位に注意 1,000μSv(マイクロシーベルト) = 1mSv(ミリシーベルト)
多くの報道では、放射性物質の単位をμSv(マイクロシーベルト)で表現しています。1,000μSv(マイクロシーベルト) = 1mSv(ミリシーベルト)です。情報を得るときには単位に注意して判断が必要となります。
◆拡散は距離の2乗に比例
放射性物質の拡散は距離の2乗に比例して薄まり、状況によって違いはありますが、大雑把に言うと、放射線発生源から10m地点の放射線量を1とすると、100m地点では100分の1となり、1km地点では1万分の1になります。
今回の福島原発で漏れた放射性物質の量は、避難区域の20-30km付近ではすでに通常の大気放射性物質濃度と大きな差はなくなります。東京は福島から約200km離れていますので、現地の放射性物質濃度の100万分の1~1億分の1のレベルまで薄まります。
また、日本の上空には常時偏西風が吹き、空気は西から東へ流れています。福島原発から漏れた放射能の多くはこの偏西風で太平洋側に流れると考えられます。
【被曝の仕組みについて】
被曝の仕組みには、放射線に直接あたるものと、放出された放射性の粉塵に接触するものの2種類があります。
原子炉付近で作業者が直接放射線にあたる可能性はありますが、原発の敷地の外にいる一般の人は心配無用です。
たとえ放射線発生源の近くにいた場合でも、放射線発生源と自分との間に放射線を遮るものがあれば影響は小さくなります。
◆被曝の影響は、量、時間、距離、遮蔽の4つの要素で変わる
風や雨で運ばれる粉塵から被曝した場合は、部屋に退避したり、粉塵を払い落したり、体や衣服を洗うことで影響は避けられます。
また、被曝の影響は放射性物質に晒される時間にも依存します。同じ放射性物質の量でも、短時間接触した場合と、長時間接触した場合ではその被曝量は違ってきます。
◆放射性物質は手で粉塵を払い落とし、手をよく洗って予防
今回の福島原発の避難区域の方は、微量ではありますが、通常よりは多い量の放射性物質が混じった粉塵と接触する可能性があるため、家に入る際に衣服や髪の毛から手で粉塵を払い落とし、手をよく洗うことが大切です。
【福島原発について】
現代の原子炉は、非常時に「止める」「冷やす」「閉じ込める」3つの特徴があります。福島では、津波によって電源が失われたため「冷やす」機能が働きませんでしたが、それ以外はすべて正常に機能していました。
時々爆発が起こっているのは、核燃料を閉じ込めている格納容器の外に滞留した水素に、余震で建屋の金属同士が接触してできたスパークから火がつくなど、何らかの要因で水素が酸素と急速に結合する爆発を起こしたものと考えられます。
水素が多量に発生しているのは、核燃料を冷却しているからです。
高温に熱した鉄棒に水をかけるとジュッと音がして水煙が出るのと同じで、高温の核燃料棒を水で浸しているので、水位があがるにつれて次々と水素が発生します。従って、冷却作業が進めば進むほど水素が放出され、それが溜まり水素爆発の可能性が高くなるともいえます。
【チェルノブイリの事故との相違点】
◆新しい水と入れ替え冷却さえできれば、危険は回避可能
チェルノブイリの事故と福島で起きた事故は大きく異なります。チェルノブイリでは臨界状態(核分裂が継続的に行われ高いエネルギーが発生している状態)で炉心が暴走し、その状態のまま爆発が起きたものでした。また、チェルノブイリの原子炉は格納容器を持たない設計になっていたので、爆発した核燃料はそのまま外部へ放出されるという最悪の事態が起きました。
福島では、地震後全てのプラントは停止し、すでに核分裂が止まってエネルギーが発生しない状態になっていましたが、その後の大津波で冷却系が機能しなくなり、燃料の余熱(崩壊熱)を取ることができなくなりました。この場合、燃料を水に沈めるだけで大きく事態は改善されます。次に水を循環し、新しい水と入れ替えるなどの措置をとって冷却さえできれば、危険は回避できます。
【原発と原爆の違い】
◆爆発が目的のエネルギーではないため原子炉は爆発しない
原発と原子爆弾は全く違うものです。
原爆で使用されるウランは、爆発を起こすことを目的に瞬時に大量のエネルギーを発生させる90%以上の高濃縮ウランですが、軽水炉の原子炉で使用されるウランはロウソクのようにじわじわとエネルギーを出す3~5%の低濃縮ウランで、原子炉の大爆発はありえないといえます。
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