プレスパックIGBTの世界市場規模:年平均成長率14.66%予測、最新トレンドと需要変化2026-2032

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    2026年7月15日 15:51

    プレスパックIGBTは、高電圧・大電流用途向けに開発された高性能絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)であり、半導体チップ、電極および内部導体を外部から加えられる機械的圧力によって接触させる構造を採用している。一般的な絶縁型IGBTモジュールとは異なり、ワイヤボンディングやはんだ接合を使用せず、冷却プレート間に直接クランプして実装されるため、両面冷却、低インダクタンス、高いパワーサイクル耐性および短絡故障時の制御性に優れる。この特性により、HVDC(高電圧直流送電)、FACTS(柔軟交流送電システム)、洋上風力送電、STATCOM、中電圧インバータなど、多数のパワー半導体を直列接続する大容量電力変換装置に不可欠なデバイスとなっている。本市場には、従来型プレスパックIGBTに加え、ToshibaのPress-Pack IEGTおよびHitachi EnergyのBiGT/StakPak製品も含まれ、現在は4.5kVクラスが主力である一方、5.2kVおよび6.5kV製品の実用化も進展している。近年は送電網の高効率化と再生可能エネルギー導入拡大を背景として、高耐圧・高信頼性を備えたプレスパックIGBTへの需要が急速に拡大している。
    市場規模はプロジェクト案件の進捗に大きく左右されるものの、中長期的には力強い成長軌道にある。QYResearchの調査によると、世界のプレスパックIGBT市場規模は2022年の52.1百万米ドルから2025年には117.6百万米ドルへ拡大し、2026年には141.3百万米ドル、2032年には321.1百万米ドルへ達すると予測されている。2026~2032年の年平均成長率(CAGR)は14.66%と見込まれ、高電圧送電設備向けパワー半導体市場の中でも高い成長率を示している。2021年には149.1百万米ドルという高い市場規模を記録した後、2022年には大型案件の納入タイミングの影響を受け前年比65.1%減少したが、これは需要減退ではなく、HVDCコンバータバルブやSTATCOMシステムなど大型インフラ案件に特有の調達サイクルによるものである。2023年以降は市場が回復局面へ入り、2023年は49.2%、2024年は26.6%、2025年は19.6%と継続的な成長を維持しており、新たな拡大フェーズへ移行したことが確認されている。

    プレスパックIGBT市場規模(百万米ドル)2025-2032年
    プレスパックIGBT市場規模(百万米ドル)2025-2032年

    プレスパックIGBT市場では、HVDC & FACTS分野が圧倒的な需要を占めている。2025年には同分野が世界売上高の92.59%を占め、2032年には94.94%まで上昇すると予測される。対象用途にはVSC-HVDC、MMCコンバータバルブ、洋上風力送電、国際連系線、都市部受電設備、バック・ツー・バック周波数変換装置、STATCOMおよび高電圧直流遮断器などが含まれる。Hitachi EnergyはHVDC Lightシステムに5.2kV・2.0kAの逆導通型BiGT StakPakデバイスを採用しており、Dogger Bank洋上風力送電プロジェクトへの適用実績を有している。また、InfineonはMMC方式HVDCシステム向けの主要デバイスとして4.5kVクラスのプレスパックIGBTを展開し、Toshibaも6.5kV・2.0kA Press-Pack IEGTをHVDC、STATCOMおよび中電圧ドライブ向けに市場投入している。近年は世界各国で送電容量の増強と再生可能エネルギー接続が進む中、HVDCプロジェクトの大型化に伴い、高耐圧・高信頼性を実現するプレスパックIGBTの重要性は一段と高まっている。
    一方、Industrial & Medium Voltage Drives分野は市場全体に占める割合こそ限定的であるものの、鉱山用巻上機、圧縮機、ポンプ、圧延設備、船舶推進システムなど数MW級設備を中心に着実な需要拡大が続いている。さらに、Traction & Electric Vehicles and Othersでは鉄道車両用電力変換装置や特殊産業設備向けの採用が中心となり、一般的な乗用電気自動車市場では車載用IGBTモジュールやSiCパワーモジュールが主流であることから、プレスパックIGBTの用途は高信頼性を最優先とする大型インフラ分野へ一層集約される傾向にある。加えて、2026年以降は各国の送電網更新投資や洋上風力発電の導入拡大を背景として、コンバータバルブの高電圧化、高電流化、低損失化および小型化に対応した次世代プレスパックIGBTの開発競争がさらに活発化すると見込まれている。

    プレスパックIGBT市場の地域別競争構造と主要メーカー分析
    プレスパックIGBT市場では、中国が世界最大の需要地域として圧倒的な存在感を示している。2025年には世界売上高の62.58%を占め、2032年には63.41%へ拡大すると予測されている。この背景には、中国国内におけるフレキシブルHVDCプロジェクトの継続的な建設、洋上風力送電網の整備、コンバータバルブの現地生産能力向上、高耐圧パワー半導体の国産化推進がある。特に超高圧送電網(UHV)や再生可能エネルギーの大量導入に伴い、高耐圧・高信頼性を備えたプレスパックIGBTの採用が加速しており、中国市場は今後も世界需要を牽引する中核市場として位置付けられる。
    欧州は世界第2位の市場であり、2032年には約15.26%の市場シェアを占める見込みである。北海洋上風力発電の大規模連系、ドイツ国内送電幹線の増強、英国の洋上風力送電プロジェクトおよび欧州域内の国際連系線整備が市場成長を支えている。北米は約9%の市場シェアを維持すると予測される一方、日本、韓国、インドおよび東南アジアでは、大規模送電プロジェクトを中心とした案件ベースの需要が継続すると見込まれる。世界的に電力インフラ投資が拡大する中、プレスパックIGBT市場は地域ごとの送電計画や再生可能エネルギー政策の進展に大きく影響を受ける構造となっている。
    競争環境は極めて高い参入障壁を有し、市場集中度も高い。2025年にはZhuzhou CRRC Times Semiconductorが27.39%の売上高シェアで首位となり、Littelfuse(22.64%)、Hitachi Energy(19.22%)、Toshiba(11.94%)がこれに続いている。また、Nari TechnologyおよびInfineonは、それぞれ8.77%、8.18%まで市場シェアを拡大しており、中国メーカーの技術力向上と欧州メーカーの製品競争力強化が同時に進行していることが分かる。さらに、Beijing Xinchuang Chunshu Rectifierを含めた中国メーカー3社の合計シェアは36.65%に達し、国産化政策を背景とした競争力向上が顕著となっている。一方、「その他」の企業シェアは0.45%**まで低下しており、高い信頼性評価、長期認証プロセス、独自パッケージ技術およびコンバータメーカーとの共同開発体制が市場参入を大きく制限している。
    プレスパックIGBT市場の技術動向と将来展望
    現在のプレスパックIGBT市場では、高耐圧化、高電流化、低損失化および高信頼性設計が技術開発の中心テーマとなっている。主流である4.5kV製品は今後も市場標準として広く採用される見込みである一方、5.2kVおよび6.5kV製品は、直列接続素子数やゲートドライバ、冷却ユニットを削減できるシステムメリットから、超高圧送電設備を中心に採用拡大が期待されている。また、逆導通型チップ構造、低オン損失設計、両面冷却技術および高効率放熱構造の開発も進展しており、コンバータバルブ全体の小型化・高効率化に大きく貢献している。
    産業全体では、洋上風力発電、大容量蓄電システム、HVDC送電網および柔軟交流送電システム(FACTS)への投資拡大がプレスパックIGBT市場の中長期的な成長を支える主要因となる。加えて、世界的な電力需要の増加、AIデータセンターの急速な普及、電化の進展および送電網の近代化に伴い、高出力パワー半導体に対する需要は今後も拡大すると予想される。一方で、大型HVDCプロジェクトは開発期間が長く、ケーブル、変圧器など周辺設備の供給状況によって納入時期が変動するため、市場規模は年度ごとに一定の変動を伴う可能性がある。
    本記事は、QY Research発行のレポート「プレスパックIGBT―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」に基づき、市場動向および競合分析の概要を解説します。
    【レポート詳細・無料サンプルの取得】
    https://www.qyresearch.co.jp/reports/1626254/press-pack-igbts

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