ビクトレックス、 英Surface Generation社の最先端熱成形技術に投資

超高性能PEEKポリマーの分野で世界をリードするビクトレックス(本社:英国ソーントン・クリーブリーズ)は、PEEKポリマーの成形効率をさらに向上させるため最先端の熱成形技術PtFS(Production to Functional Specification)へ投資することを発表しました。この技術はSurface Generation社(本社:英国リンドン)独自の特許技術によるもので、ビクトレックスが進めているメガプログラム(PEEK製特殊部品の開発)を加速させる技術として期待されています。


PtFSの金型内温度管理


この熱成形技術PtFSは、Surface Generation社の特許技術である温度制御システムと金型構造によって、成形中の部品の温度管理を複数個所で精密に制御することができます。これによって成形時の消費エネルギーや射出圧を大幅に低減し、サイクルタイムを短縮することができます。また従来の金型設計や金型技術では加熱冷却の制約によって射出成形や圧縮成形できないような、部品デザインと材料の組み合わせが非常に複雑な成形もPtFSの応用によって可能になることが期待されています。


【ビクトレックスCEOのコメント】

ビクトレックスのヤコブ・シグルドソンCEOは、「Surface Generationに対する投資は、ビクトレックスが進めている難度の高いPEEK製部品の開発をさらに進めるにあたって、突破口となり得る成形技術をいち早く活用することを可能にしてくれます」と述べています。「PtFSが可能にしてくれる金型温度のリアルタイム制御は、インプラント用医療機器、自動車用ギヤ、将来的には航空宇宙用途のコンポジット品など、弊社のメガプログラムに大きな進展をもたらすことを確信しています。」


【長期戦略に合致した投資】

ビクトレックスは、PEEKポリマーの製造からPEEK製のフィルム、パイプやファイバーの加工、さらにPEEK部品の製造開発を提供する総合的なPEEKポリマーソリューション・カンパニーとなることを長期成長戦略の軸に据えており、今回のSurface Generation社との契約締結はPEEK部品の製造開発能力を強化し得る点で、この戦略によく合致しています。ビクトレックスは、Surface Generation社の少数株主であり、その技術の利用権に対する投資を行っています。


【Surface Generation社CEOのコメント】

Surface Generationのベン・ハルフォードCEOは、「弊社はPtFS技術を応用して、高性能材料を用いた優れた部品を、より廃棄物の少ない高効率な方法で製造する技術を提供することを目指しています」と述べています。「PAEKポリマーのリーディング・カンパニーで、数十年にわたる経験と知識、市場へのアクセスを有するビクトレックスとの協働に大いに期待を寄せています。高性能ポリマーは様々な業界において製品の製造・設計に革命をもたらしており、難しい金属代替や部品の機能統合を可能にしています。」


ビクトレックスの詳細情報: https://www.victrex.com/ja/



【Surface Generation社について】

Surface Generation社は、PtFSによる射出成形と金型設計技術の開発と商用化を目指して2002年、英国リンドンで設立されました。PtFSはコンポジットUDテープを用いた航空機の翼、自動車部品やエレクトロニクス製品などの製造最適化に応用されています。PtFSは従来の射出成形の金型設計や他の既存成形技術と比較して最大95%のサイクルタイム短縮と最大95%のエネルギー削減を可能とします。コスト、品質、供給におけるパラダイムシフトをもたらし、迅速で優れたエネルギー効率をもたらすソリューションを世界のOEMおよび材料サプライヤーに提供しています。

詳細については https://www.surface-generation.com/ をご覧ください。


【ビクトレックス社について】

ビクトレックス社(Victrex plc)は英国に本社をおく、VICTREX PEEKを中心とした超高性能ポリマー製造開発におけるリーディング・カンパニーです。40年以上にわたって航空宇宙、自動車、エレクトロニクス、エネルギーおよび医療の各産業に向けて最先端ポリマーソリューションを提供し続けており、スマートフォン、航空機や自動車の構造部品、石油・ガスの採掘現場からインプラント用医療機器にいたるまで世界中で広く使用されています。詳細については当社ウェブサイト https://www.victrex.com/ja/ をご覧ください。

プレスリリース動画

取材依頼・商品に対するお問い合わせはこちら

プレスリリース配信企業に直接連絡できます。