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    世界の複雑性腹腔内感染症(CIAI)の市場規模、疾患概要、疫学予測:2026年調査レポートを発表

    株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「世界の複雑性腹腔内感染症(CIAI)の市場規模、疾患概要、疫学予測、英文タイトル:Complicated Intra Abdominal Infections (CIAI) Epidemiology Forecast; Disease Overview; Epidemiology Forecast; Patient Pool Analysis」調査資料を発表しました。本資料には、市場規模、疾患概要、疫学予測、患者数分析(日本、米国、ヨーロッパ、インドなど)、治療上の課題・アンメットニーズなどの情報などが盛り込まれています。

    ■主な掲載内容

    本レポートは、複雑性腹腔内感染症(Complicated Intra-Abdominal Infections:cIAI)の疫学動向について、過去の患者推移と2026~2035年の将来予測を整理した市場調査レポートである。cIAIは、感染が単一臓器内にとどまらず腹膜腔へ波及し、腹膜炎、膿瘍形成、敗血症などを引き起こす重篤な外科感染症群である。代表的な原因には、虫垂穿孔、憩室穿孔、腸管穿孔、術後縫合不全、胆道感染などが含まれる。調査会社は、cIAIが世界的に高い外科的罹患・死亡負担をもたらし、大規模国際シリーズでは外科的source controlやドレナージ、標準的抗菌薬治療を受けても約10%が死亡すると整理している。本調査では2025年を基準年、2019~2025年を過去分析期間、2026~2035年を予測期間として、米国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、日本、インドの8主要市場における発症・診断患者数、年齢、性別、重症度、敗血症合併、入院負担などを分析している。

    cIAIを理解するうえで重要なのは、「腹腔内感染症(Intra-Abdominal Infection:IAI)」全体と「複雑性腹腔内感染症(cIAI)」を区別することである。cIAIは、感染が原発臓器を越えて腹腔内へ広がった状態を指し、限局した感染よりもsource controlと全身管理の必要性が高い。したがって、単純性虫垂炎や臓器内に限定した感染をそのままcIAI患者数として扱うのは不適切である。

    病態としては、穿孔や縫合不全などを契機に腸管内容や細菌が腹腔内へ漏出し、限局性膿瘍からびまん性腹膜炎、さらに全身性炎症反応や敗血症へ進展する。臨床症状は局所的な腹痛から、発熱、頻脈、低血圧、臓器障害、循環不全まで幅広い。

    感染は典型的に多菌種性であり、グラム陰性好気性菌と嫌気性菌が中心となる。資料では真菌感染の可能性も治療上考慮されるとしているが、すべてのcIAI患者で真菌治療が必要という意味ではない。

    疫学上、資料では2024年IDSA practice guidelineを引き、cIAIが非常に一般的であるとしている。その例として、急性虫垂炎が世界で年間約67万人に発生すると記載されている。

    ただし、この約67万人は「急性虫垂炎全体」の患者数であり、その全例がcIAIではない点に注意が必要である。虫垂炎が穿孔し、腹膜炎や膿瘍形成へ進展した場合にcIAIとなるため、この67万人をそのままcIAI患者数として用いることはできない。

    つまり、急性虫垂炎はcIAIの重要な原因疾患ではあるが、原因疾患全体の発症数と、そのうち複雑化した患者数を分ける必要がある。

    また、IAIはICUにおける感染性罹患・死亡原因の第2位とされる。

    この記述はIAI全体あるいは重症IAIを指すものであり、必ずしもcIAIだけの順位ではない可能性がある。したがって、「cIAIが世界のICU感染死亡原因第2位」と断定するより、重症腹腔内感染がICUで主要な感染負担の一つであると理解するのが適切である。

    年齢では、重症腹腔内感染コホートの中央値が30歳代後半から60歳代半ばに分布するとされる。

    これは中年~高齢成人で重症cIAIが多いことを示唆する。

    ただし、cIAIは小児にも発生し得るため、高齢者だけの疾患ではない。資料が示しているのは主として重症入院コホートの年齢構成であり、一般人口における年齢別発症率ではない。

    高齢者では穿孔性疾患、悪性疾患、術後合併症、基礎疾患の多さなどによって重症化しやすい可能性があるが、今回の抜粋では年齢別リスク比までは示されていない。

    死亡率については、今回の資料で最も重要な数字の一つが約9.2%である。

    2024年のグローバルレビューでは、cIAI患者全体の死亡率が約9.2%とされ、過去報告よりやや低下したとされる。

    冒頭の「about 10%」という記述と9.2%は概ね整合している。

    したがって、外科的source control、ドレナージ、抗菌薬治療などを行っても、cIAI全体では約1割前後の死亡負担が残ると理解できる。

    一方で、死亡率は敗血症の重症度によって大きく異なる。

    敗血症なしでは約1.2%、sepsisのみでは約4.4%、severe sepsisでは約27.8%、septic shockでは約67.8%とされる。

    この差は非常に大きく、cIAI患者を一律の死亡率で扱うことが不適切であることを示している。

    つまり、cIAI全体の約9.2%という平均値の背後には、比較的安定した患者から致死率の極めて高い敗血症性ショック患者まで、非常に異質な患者群が含まれている。

    ただし、「severe sepsis」は現在の敗血症定義では古い用語体系に由来する分類である可能性がある。今回の資料はレビューに記載された区分をそのまま引用しているとみられるため、この数値を現行定義の各カテゴリーへ直接置き換えるのは慎重である。

    また、1.2%、4.4%、27.8%、67.8%は互いに異なる重症度群の死亡率であり、これらを加算してはいけない。

    cIAIの臨床予後を左右する最大の要因の一つがsource controlである。

    source controlとは、感染源そのものを除去・制御することであり、手術による穿孔部修復、感染臓器切除、膿瘍ドレナージ、術後漏出部への対応などが含まれる。

    抗菌薬を投与していても、穿孔や膿瘍など感染源が残存すれば治癒は困難である。

    したがって、診断遅延や不十分なsource controlは死亡率上昇につながるとされる。

    今回の資料は、cIAIが「抗菌薬で治療する感染症」というより、「迅速な感染源処置と抗菌薬を組み合わせる外科感染症」であることを強調している。

    米国では、最近の全国医療データベースで約180病院から4,453人超の成人cIAI入院患者が確認されたとされる。

    ここで重要なのは、この4,453人が米国全体の年間患者数ではない点である。

    約180病院を対象とした特定データベースで捕捉された入院成人患者数であり、全国人口ベースの有病者数や年間発症数ではない。

    したがって、「米国ではcIAI患者が4,453人しかいない」と解釈してはいけない。

    この数字は、特定の病院ネットワーク内で確認された入院症例数を示し、急性期医療資源と抗菌薬需要が持続的に存在することを示すサンプル規模として理解するのが適切である。

    また、この約4,453人という値には観察期間が今回の抜粋では明確に示されていないため、年間 incidence として扱うべきでもない。

    人種・民族については、米国の消化管感染コホートを補助的証拠として、African-AmericanおよびHispanic患者で負担が不均衡に大きいとされる。

    ただし、ここにも重要な注意点がある。

    これはcIAIに直接限定した全国人種別発症率ではなく、「U.S. gastrointestinal infectious cohorts used as supportive evidence」と明示されている。

    したがって、アフリカ系米国人やヒスパニック系でcIAIの生物学的発症リスクが高いと断定することはできない。

    資料が示唆しているのは、重症腹腔内感染において医療アクセス、基礎疾患、社会経済的要因、診断遅延などを含む医療格差が疾病負担に影響している可能性である。

    性別については、今回の抜粋では明確な男女別有病率や発症率は提示されていない。

    したがって、男性または女性が一貫して高リスクであると結論づけることはできない。

    cIAIの患者構成は、虫垂炎、憩室炎、胆道疾患、悪性腫瘍、術後合併症など原因疾患の性差によって変化する可能性がある。

    ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、日本、インドについては、今回の抜粋ではcIAIに特異的な具体的患者数や発症率は示されていない。

    そのため、8主要市場を対象としたレポートではあるものの、この資料だけで国別定量比較を行うことはできない。

    また、cIAIの発症は人口構成だけでなく、消化器疾患頻度、緊急手術アクセス、術後合併症率、抗菌薬耐性、救急搬送・画像診断体制などによって大きく左右される。

    したがって、国別患者数を比較する際には一般人口だけでなく、外科医療体制やsource controlへのアクセスを考慮する必要がある。

    治療の基本は、迅速なsource controlと適切な抗菌薬療法の組み合わせである。

    外科手術または経皮的ドレナージによって感染源を除去・制御し、同時に経験的広域抗菌薬を開始する。

    抗菌薬は主としてグラム陰性菌と嫌気性菌をカバーし、患者背景や感染部位によっては他の病原体も考慮する。

    その後、培養結果や感受性結果が得られれば治療を調整する。

    したがって、cIAI治療では最初からすべての患者に最も広い抗菌薬を長期間投与することが目的ではなく、初期に十分なカバーを確保しながら、微生物学的結果と臨床反応に応じて最適化することが重要である。

    抗菌薬投与期間は、臨床反応とsource controlが十分であったかどうかによって決まるとされる。

    これは非常に重要で、source controlが適切に完了している患者と、感染源が残っている患者では必要な治療戦略が異なる。

    敗血症を伴う患者では、循環動態安定化、輸液、必要に応じた臓器支持が重要となる。

    先ほどの死亡率が敗血症なし1.2%から敗血症性ショック67.8%まで上昇することからも、早期にショック進展を防ぐことが予後改善の中心となる。

    予防策としては、周術期抗菌薬予防、術後の慎重なモニタリング、高リスク消化管合併症の早期発見・介入などが挙げられている。

    特に術後縫合不全はcIAIの重要な原因の一つであるため、術後患者で発熱、腹痛、炎症反応、循環不安定などを早期に認識することが重要となる。

    市場の観点では、cIAIは典型的な急性入院・外科治療型の感染症であり、慢性疾患のような長期有病患者数だけでは市場規模を評価しにくい。

    重要なのは年間の急性発症件数、入院件数、ICU管理率、手術・ドレナージ件数、抗菌薬治療件数、敗血症合併率などである。

    したがって、cIAIの「prevalence」を扱う際にも、慢性疾患の有病率と同じ感覚で解釈するのは慎重である。

    多くの患者は急性エピソードとして発症し、治癒または死亡という転帰をとるため、市場疫学では年間発症数・入院数の方が実用的な指標になる可能性が高い。

    2026~2035年の患者負担を左右する第一の要因は、高齢化と消化器外科患者数である。

    第二に、憩室炎、消化管穿孔、悪性腫瘍手術などcIAIの原因となる病態の発生数が影響する。

    第三に、外科手術件数の増加に伴う術後感染・縫合不全の絶対数が影響し得る。

    第四に、早期画像診断と低侵襲ドレナージの普及によって、重症化前にsource controlできれば死亡率を低下させられる可能性がある。

    第五に、抗菌薬耐性の拡大は治療失敗や広域抗菌薬需要を増加させる可能性がある。

    一方、周術期感染予防、早期診断、術後モニタリング、source control技術が改善すれば、敗血症性ショックまで進展する患者の割合を減らせる可能性がある。

    したがって、2026~2035年にcIAI患者数が増加しても、重症患者割合や死亡率は医療体制改善によって低下する可能性がある。

    今回のレポートで特に重要なのは、cIAI全体の死亡率約9.2%という平均値だけでなく、敗血症重症度による予後格差である。

    敗血症なし1.2%に対し、敗血症性ショックでは67.8%と非常に高くなる。

    このため、cIAIにおける最大の臨床的アンメットニーズは、感染が腹腔内に広がった患者を早期に認識し、ショックになる前にsource controlと抗菌薬治療を開始することにある。

    全体として本レポートは、cIAIを「虫垂穿孔、憩室穿孔、腸管穿孔、術後漏出、胆道疾患などを原因として感染が原発臓器を越え腹腔内へ広がり、膿瘍、腹膜炎、敗血症を引き起こす重篤な多菌種性外科感染症」と位置づけている。

    世界の急性虫垂炎は年間約67万人とされるが、これはcIAIそのものの患者数ではなく、cIAIを引き起こし得る原因疾患全体の数字である。穿孔・膿瘍・腹膜炎へ進展した患者のみがcIAIに該当するため、両者を混同してはいけない。

    cIAI全体の死亡率は約9.2%、あるいは約10%とされるが、敗血症の有無で大きく異なり、敗血症なし約1.2%、sepsis約4.4%、severe sepsis約27.8%、septic shock約67.8%とされる。この重症度別死亡率は排他的な患者群の値であり加算すべきではない。

    米国では約180病院で4,453人超の成人入院cIAI患者が確認されたとされるが、これは全国年間患者数ではなく、特定医療データベース内の入院症例数である。したがって、一般人口発症率や全国総患者数として扱うことはできない。

    治療では手術または経皮的ドレナージによるsource controlを最優先し、グラム陰性菌・嫌気性菌を主にカバーする経験的広域抗菌薬を開始し、その後培養結果に応じて調整する。敗血症患者では輸液、循環安定化、臓器支持を同時に行う。

    2026~2035年の疫学・市場動向を考えるうえでは、高齢化、消化器疾患・手術患者数、術後合併症、抗菌薬耐性が疾病負担を押し上げる可能性がある一方、画像診断、低侵襲ドレナージ、早期source control、周術期感染予防の改善によって重症化と死亡を抑制できる可能性がある。

    したがって、今後のcIAI管理における中心的課題は、単に腹腔内感染を診断することではなく、単純性IAIからcIAIへの進展を早期に見極め、敗血症・ショックになる前にsource controlを完了すること、さらに抗菌薬耐性を考慮しながら適切な経験的治療を迅速に開始することである。2026~2035年は、cIAI患者の絶対数だけでなく、どの程度早く感染源を制御し、敗血症性ショックへの進展と約1割に達する全体死亡負担をどこまで減らせるかが、臨床・疫学・外科医療・抗菌薬開発・市場の主要テーマになるとまとめられる。

    ※目次構成

    1. 序文
      1.1 はじめに
      1.2 調査の目的
      1.3 調査方法および前提条件
    2. エグゼクティブサマリー
    3. 複雑性腹腔内感染症(cIAI)市場概要 ― 主要8市場
      3.1 複雑性腹腔内感染症(cIAI)の過去の市場規模(2019~2025年)
      3.2 複雑性腹腔内感染症(cIAI)の市場規模予測(2026~2035年)
    4. 複雑性腹腔内感染症(cIAI)の疫学概要 ― 主要8市場
      4.1 複雑性腹腔内感染症(cIAI)の疫学動向(2019~2025年)
      4.2 複雑性腹腔内感染症(cIAI)の疫学予測(2026~2035年)
    5. 疾患概要
      5.1 徴候および症状
      5.2 原因
      5.3 リスク因子
      5.4 ガイドラインおよび病期
      5.5 病態生理
      5.6 スクリーニングおよび診断
    6. 患者プロファイル
      6.1 患者プロファイルの概要
      6.2 患者心理および精神・感情面への影響因子
    7. 疫学動向および予測 ― 主要8市場(2019~2035年)
      7.1 主な調査結果
      7.2 前提条件およびその根拠
      7.3 主要8市場における複雑性腹腔内感染症(cIAI)の疫学動向(2019~2035年)
    8. 疫学動向および予測:米国(2019~2035年)
      8.1 米国における複雑性腹腔内感染症(cIAI)の疫学動向(2019~2035年)
    9. 疫学動向および予測:英国(2019~2035年)
      9.1 英国における複雑性腹腔内感染症(cIAI)の疫学動向(2019~2035年)
    10. 疫学動向および予測:ドイツ(2019~2035年)
      10.1 ドイツにおける複雑性腹腔内感染症(cIAI)の疫学動向(2019~2035年)
    11. 疫学動向および予測:フランス(2019~2035年)
      11.1 フランスにおける複雑性腹腔内感染症(cIAI)の疫学動向(2019~2035年)
    12. 疫学動向および予測:イタリア(2019~2035年)
      12.1 イタリアにおける複雑性腹腔内感染症(cIAI)の疫学動向(2019~2035年)
    13. 疫学動向および予測:スペイン(2019~2035年)
      13.1 スペインにおける複雑性腹腔内感染症(cIAI)の疫学動向(2019~2035年)
    14. 疫学動向および予測:日本(2019~2035年)
      14.1 日本における複雑性腹腔内感染症(cIAI)の疫学動向(2019~2035年)
    15. 疫学動向および予測:インド(2019~2035年)
      15.1 インドにおける複雑性腹腔内感染症(cIAI)の疫学動向(2019~2035年)
    16. 患者ジャーニー
    17. 治療上の課題およびアンメットニーズ
    18. キーオピニオンリーダー(KOL)の見解

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