マクニカ、持続的な自動運転車両の運行に向けて、中核拠点となる遠隔運行管理センターを設立

    ~運行体制の最適化と採算性の向上を図り、持続可能な運行モデルの確立を目指す~

    その他
    2025年10月30日 10:00

    株式会社マクニカ(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:原 一将、以下マクニカ)は、マクニカ独自の遠隔運行管理システム「everfleet(エバーフリート)」を基盤とした遠隔運行管理センターを、自動運転EVバスの定常運行を実施している茨城県常陸太田市に開設したことを発表いたします。本センターを中核拠点として、今後日本全国で運行される自動運転車両を一元的に管理し、安全で持続可能なモビリティ社会の実現を目指します。

    ■持続的な自動運転車両の運行に対する課題
    自動運転車両の持続的な運行における最大の課題は運行コストであり、その多くを人件費が占めています。現在は安全性を確保するために、自動運転車両ごとに同乗するオペレーターに加えて、遠隔での常時監視要員の配置が必要になるなど、既存の手動運転に比べ、人手への依存が高くなり、それが運行コスト増加の一因となっています。また、自動運転レベル4を実現するためには、遠隔からの車両運行管理が不可欠であり、その重要性は今後ますます高まっていくことが想定されます。
    従来の遠隔監視体制は、1台の車両または1地域に対して1人または複数人の監視要員が配置されていました。しかしながら、この方法では持続的な運用が困難であるため、限られた人的リソースの中で、複数台の自動運転車両を安全かつ効率的に運行し続けるための、新たな運行モデルの構築が求められています。

    ■マクニカの取り組み
    この度開設した遠隔運行管理センターでは、複数の異なる地域で運行する自動運転車両を一元的に監視・管理できる体制を構築しています。everfleetを基盤とし、これまでオペレーターや遠隔監視員が人手で行っていた運行業務をシステムに取り込み、自動化することで、限られた人員でも安全かつ効率的な運行を実現します。
    本センターは、自動運転車両の持続的な運行を支える中核拠点として、運行体制の最適化と採算性の向上を図り、持続可能な運行モデルの確立を目指します。

    本センター外観
    本センター外観
    本センター内観
    本センター内観
    遠隔運行管理システム「everfleet」
    遠隔運行管理システム「everfleet」

    ■遠隔運行管理システム「everfleet」の特長
    everfleetは、自動運転バスをはじめ、特殊車両など多様な自動運転車両の運行を統合的に管理するために開発されたマクニカ独自の遠隔運行管理システムです。

    1. 車両の群管理
      複数地域で運行している全車両の位置情報・運行状況・車内外のカメラ映像をひとつの画面上でリアルタイムに可視化できる信頼性の高い独自通信技術により、緊急時の即時対応や異常検知が可能となり、遠隔から迅速かつ的確な判断を行える体制を実現します。

    2. AIによる運行管理業務の自動化
      乗降客の計測や、車内の安全性確保に必要な異常検知などの業務を、AIを活用したシステムに取り込み、自動化します。これにより、人による監視の限界を補完し、危険の予兆を把握することで、迅速な対応が可能となります。

    3. 統合データ管理と交通インフラ連携
      全車両の車両情報やカメラ映像などのデータを、低遅延かつ欠損なく遠隔管理センターへ伝送し、統合的に管理します。さらに、信号機やスマートポールなどの交通インフラからの情報と連携することで、運行における多様なデータを一元的に活用することができます。

    ■遠隔運行管理センターを起点としたデータ活用
    本センターで集約された運行データは、everfleetの統合データ基盤で蓄積・活用されます。日々の運行状況の把握に加え、将来的な車両増台や運行ルート拡大の検討、さらには外部のデータ基盤と連携することで、データに基づく都市計画や交通政策の立案にも役立てることができます。
    一例として、自動運転EVバスの定常運行を開始している茨城県常陸太田市では、行政情報アプリ「じょうづるさんナビ」内の「常陸太田デジタルマップ」を通じて運行情報を市民に提供しています。利用者は、バスの現在地や混雑状況をリアルタイムで確認でき、公共交通の利便性向上と利用促進に役立てられています。

    デジタルマップ内の車両位置情報と混雑情報配信の様子
    デジタルマップ内の車両位置情報と混雑情報配信の様子

    マクニカは今後とも、最先端技術の活用を通じて、持続可能な地域交通の運行体制の構築と、データを活用した付加価値サービスの創出を推進し、地域交通課題の解決と地域経済の活性化が両立する未来を、地域とともに描いていきます。

    【製品の詳細はこちら】
    everfleet:https://www.macnica.co.jp/business/maas/services/142732/
    デジタルマップ:https://www.macnica.co.jp/business/maas/services/145104/

    【製品に関するお問い合せ先はこちら】
    株式会社マクニカ スマートシティ&モビリティ事業部
    TEL :045-470-9118
    MAIL: auto-solution@macnica.co.jp

    ※本文中に記載の社名及び製品名は、株式会社マクニカ及び各社の商標または登録商標です。
    ※ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご承知ください。

    株式会社マクニカについて

    マクニカは、半導体、サイバーセキュリティをコアとして、最新のテクノロジーをトータルに取り扱う、サービス・ソリューションカンパニーです。世界28か国/地域91拠点で事業を展開、50年以上の歴史の中で培った技術力とグローバルネットワークを活かし、AIやIoT、自動運転など最先端技術の発掘・提案・実装を手掛けています。
    マクニカについて:www.macnica.co.jp

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