ターナー & タウンゼント株式会社

    円安と人材不足が日本建設市場を再定義 投資主体の変化が鮮明に、データセンター・半導体関連投資は引き続き拡大

    その他
    2026年10月29日 11:00

    ターナー&タウンゼント株式会社(東京都港区)はこのたび、2026年上期の日本の建設・不動産市場に関する最新レポートを発表しました。本レポートでは、歴史的な円安と建設業界の供給能力不足を背景に、日本の建設市場が大きな転換期を迎えていることを明らかにしています。投資需要は引き続き高い水準を維持している一方で、市場では投資主体や投資対象の変化が進み、従来とは異なる成長局面に入りつつあります。

    2026年上期における最大の変化のひとつは、円安の進行による建設コストへの影響です。鉄鋼製品や設備機器など輸入依存度の高い資材は価格上昇が続いており、エネルギー価格や物流コストの高止まりも重なって、建設コスト全体の上昇圧力となっています。こうした状況は建設インフレを加速させ、プロジェクトの収益性や投資判断に影響を与えています。
    また、市場の成長を制約する要因として、深刻な施工リソース不足が挙げられます。技能労働者や専門職人の不足に加え、多くのサブコンが施工能力の上限近くで稼働しており、需要に対して供給が追いつかない状況が続いています。その結果、施工会社優位の市場環境が定着し、建設コストだけでなく工期にも影響が及んでいます。一方で、投資需要そのものが減速しているわけではありません。むしろ市場では投資主体の変化が進んでいます。不動産投資を主目的とする投資家の間では、建設コストの上昇による利回り低下を背景に計画の見直しや投資判断の長期化がみられる一方、製造業を中心とする事業会社は引き続き積極的な投資を継続しています。サプライチェーン再編や国内生産回帰、半導体・先端技術分野への投資拡大を背景に、工場や研究開発施設、本社機能への投資需要は堅調に推移しています。今後6か月においても、日本市場ではデータセンター、製造業・半導体、ライフサイエンス、インフラ、ホテル、本社オフィスなどの分野で高い投資需要が続くと見込まれます。これらのセクターはデジタル化や産業構造の転換、サプライチェーン強靭化といった社会・経済構造の変化と密接に結び付いており、中長期的な成長が期待されています。
    詳細は以下からご確認ください。

    現在の日本建設市場は、需要不足ではなく供給制約が市場を左右する局面にあります。投資が減少しているのではなく、投資主体や投資目的が変化していることが大きな特徴です。今後は市場環境の変化を的確に捉えながら、早期の計画策定と戦略的な意思決定を行うことが、プロジェクト成功の重要な鍵になるでしょう。(ターナー&タウンゼント株式会社 代表取締役 梶浦久尚)

    執筆者:代表取締役 梶浦久尚
    大手ゼネコンをはじめとする建設関連企業で、7か国の駐在経験と40か国以上での協働実績を持つ国際プロジェクトの専門家。建設動向全般、国内外のプロジェクトマネジメント、プロジェクトコントロール、建設法・契約法・仲裁に精通する。

    ターナー&タウンゼント株式会社について

    ターナー&タウンゼントは、世界64か国で23,000人以上の社員を擁するグローバル 建設プログラム・マネジメント企業です。不動産、インフラ、エネルギー、天然資源分野のクライアントと連携し、世界中の市場において、大規模プログラム、プロジェクト、コストおよびコマーシャルマネジメント、ネットゼロおよびデジタルソリューションを専門としています。ターナー&タウンゼントは、世界最大の商業用不動産サービス・投資会社であり、重要インフラサービスの主要プロバイダーであるCBREグループの過半数株主のもとに置かれており、パートナーが相当規模の非支配持分を保有しています。

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