世界初！プラズマチューブアレイを用いた 水銀フリーのフィルム型フレキシブルUV面光源を開発

　篠田プラズマ株式会社(所在地：兵庫県神戸市、代表取締役会長兼社長：篠田 傳)、兵庫県内の国立大学法人神戸大学(所在地：兵庫県神戸市、学長：福田 秀樹)、兵庫県立工業技術センター(所在地：兵庫県神戸市、所長：北村 新三)および株式会社ユメックス(所在地：兵庫県姫路市、代表取締役：千木 慶隆)は、希土類元素であるガドリニウム(Gd)を用いた紫外線(UV)蛍光体と、超大画面フィルム型ディスプレイであるプラズマチューブアレイ(PTA)の基本技術を応用することで、フィルム型で大面積化が可能なUV光源の基本技術を開発することに成功しました。
　本研究開発は、経済産業省 平成21-22年度「地域イノベーション創出研究開発事業」として、4者が研究体を組織して取り組んでいるものです。

30cm角UV-PTA光源フィルム

【開発の背景】
　近年、一般照明用の光源ではLEDの普及が始まり注目されていますが、医療用・産業用に多く用いられるUV光源では、主に水銀ランプが用いられており環境負荷が懸念されることから、水銀フリーの代替光源が求められていました。LEDにおいてもUV発光のデバイスが研究開発されており、高出力の光源として期待されていますが、さらに応用側からの要請として特定のUV波長のみに集中でき、大面積で効率の良い新たな面光源が求められていました。

【開発技術の概要】
　今回、光源デバイスに適した改良型PTA構造の開発と、プラズマチューブ内で特定波長にエネルギー集中させてUV発光できる蛍光体の開発により、医療向けとして安全で治療効果が高いとされる波長311nm(ナノメーター)に集中させたナローバンドのUV発光に成功しました。試作デバイスにより、発光パワーは医療分野で実用レベルに近いこと、さらなる高出力化も可能であることを確認し、実用化に向けて大きく前進しました。PTAの基本構造からくるフィルム型でフレキシブル、大面積化が可能、省エネで低発熱という特長、および蛍光体の特長である様々な波長への対応可能性から、医療／産業用途の幅広い分野に水銀フリーUV面光源を提供できるものと期待しています。

■開発試作デバイス
光源フィルム：30cm角、0.7mm厚、重量約100g
UV発光波長　：311nm、バンド幅1.5nm
UV発光強度　：1cm2あたり約2ミリワット

■開発のポイント
・ガドリニウム元素を用いることによる超ナローバンド発光の蛍光体の実現
・PTAの基礎技術とその特長を生かしたフィルム型光源デバイス構造の開発
・既存UV光源の技術・ノウハウとの融合
・原理検討から材料・デバイス・ユニット開発、分析評価まで一貫した地域連携の研究体制
※ガドリニウムは地球埋蔵量が水銀の約100倍、環境対応の安全な元素です。

　なお、今回開発した技術の詳細については、9月14日から長崎大学(長崎県長崎市文教町1-14)で開催される「2010年秋季 第71回 応用物理学会学術講演会」でのシンポジウム講演(15日・午後)において発表を行う予定です。
講演会詳細： http://www.jsap.or.jp/activities/annualmeetings/index.html

【研究体の概要】
■篠田プラズマ株式会社
所在地　： 〒650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町4-6-7
代表者　： 代表取締役会長兼社長　篠田 傳
設立　　： 2005年6月27日
資本金　： 218,992,123円
従業員数： 63人
URL　　 ： http://www.shi-pla.com/
篠田プラズマは、独自のPTA方式超大画面ディスプレイの開発・製造販売を行っています。

■神戸大学
所在地　　： 〒657-8501 兵庫県神戸市灘区六甲台町1-1
代表者　　： 学長　福田 秀樹
URL 　　　： http://www.research.kobe-u.ac.jp/eng-photonics/

■兵庫県立工業技術センター
所在地　　： 〒654-0037 兵庫県神戸市須磨区行平町3-1-12
代表者　　： 所長　北村 新三
URL　　　 ： http://www.hyogo-kg.go.jp/

■株式会社ユメックス
所在地　： 〒671-2114 兵庫県姫路市夢前町糸田400
代表者　： 代表取締役　千木 慶隆
設立　　： 1992年10月6日
資本金　： 194,000,000万円
従業員数： 132人
URL　　 ： http://www.yumex-inc.co.jp
ユメックスは産業用紫外線ランプの開発・製造販売を行っています。