厳選作品を原寸大再現で絵巻化した保永堂版「東海道五十三次絵巻...

厳選作品を原寸大再現で絵巻化した 保永堂版「東海道五十三次絵巻」を発売

ボストン美術館全面協力のもと、高品位複製による製品化

 デジタルハイブリッドのトッパン・フォームズ株式会社(以下トッパンフォームズ)は、浮世絵版画所蔵で世界的に有名なボストン美術館の全面協力のもと、歌川広重の保永堂版「東海道五十三次」(*1)を原寸大で再現し、絵巻化した保永堂版「東海道五十三次絵巻」を制作、本日2018年3月1日より販売を開始します。


 本製品で複製された原画は、ボストン美術館に所蔵される500点以上の「東海道五十三次」の作品の中から53の宿場に江戸と京都を加えた全55箇所のシリーズ作品を、同美術館浮世絵版画室長のセーラ・E・トンプソン氏(*2)が1点ずつ厳選した原画を複製しています。その大半を占めるスポルディング・コレクションは、浮世絵原画の色彩が非常に繊細かつ脆弱であるために退色しやすいという理由で、ボストン美術館はもとよりいかなる場所でも公開展示が禁止されていますが、その原画も含まれます。またボストン美術館は所蔵品の原寸大複製を原則許可していませんが、今回デジタル印刷技術を活用した絵巻化という同美術館にとっても初めての試みであるため、例外的に複製を承諾し、製品化が実現しました。

 また本製品はセーラ・E・トンプソン氏による英文の詳細な解説書(日本語訳付)を同封することで、二カ国語の学術資料や文献としての活用も可能です。


【特長】

1.高品質特殊印刷と伝統的加工技術の融合

 最新鋭のデジタル印刷技術と手作業による巻子表装の伝統的な職人技との融合によ

 り、原画の原寸大再現が実現し、完成度の高い絵巻として高品質の魅力を発揮して

 います。 

2.長尺印刷による「貼りつなぎ」なしの独創性

 高性能デジタルプリンターと長尺印刷専用ソフトにより、何十メートルにもわたる

 絵巻を一枚の用紙に同時印刷し、オリジナル作品の持つ視覚効果と機能を充分かつ

 スムーズに楽しむことができます。

3.和紙による優れた色彩効果と耐光性

 わが国が世界に誇る和紙(鳥の子紙)と耐光性のあるトナーを使用することにより

 、従来の印刷インキでは再現不可能だった絵巻特有の質感と抜群の色彩効果を実現

 。これにより退色なしの半恒久的保存が可能になります。

4.絵巻化による旅の実感と醍醐味を堪能

 絵巻本来の鑑賞法(左手で巻きを広げ、左右幅80センチ前後に広げて、そのまま右

 手で巻き込みながら絵を追う)により、単独作品を連続画面として鑑賞でき、江戸

 時代の旅の実感を常時体験でき、絵巻特有の醍醐味を堪能できます。

5.浮世絵版画研究の第一人者による解説書付き

 セーラ・E・トンプソン氏(ボストン美術館 浮世絵版画室長)による簡潔で精緻な

 作品解説(英語原文付き)と和英文キャプションを添え、名作の真髄を鑑賞する手

 助けのみならず、貴重な歴史資料・文献としての学術的価値もあります。


【仕様・価格】

保永堂版「東海道五十三次絵巻」上下巻セット

寸  法
上巻:長さ1250cm×幅33cm 下巻:長さ1150cm×幅33cm
表紙裂地
吉祥丸文繋ぎ小紋(上・下巻)
表 紙 縁
金箔筋仕上げ
見 返 し
金砂子紙
巻  緒
正絹組紐・骨小馳
軸  先
本紫檀
軸  木
檜材
収  納
高級桐箱二巻入り、印籠仕上げ、タトウ箱入り
定  価
360,000円(税抜)


*1 保永堂版「東海道五十三次」について

 幕末前の爛熟した町人文化の中で庶民の欲求とニーズに合った名所シリーズとして

 広重が発表したのが保永堂版「東海道五十三次」であり、大成功を収めました。そ

 の数年前に刊行された葛飾北斎の「富嶽三十六景」の斬新な作風に刺激され、広重

 はそこに西洋式の遠近法などの大胆な構図をも採用し、浮世絵風景画の新境地を開

 拓しています。広重の偉大な点は、単なる名所絵や道中絵の枠内に踏みとどまらず

 、画面に風や雨などの自然現象や季節感、四季の風物や行事、人々の生き生きとし

 た仕種や表情、ドラマチックともいえる躍動感のある描写に挑み、傑出した才能を

 発揮している点です。広重は20種類ほどの「東海道」シリーズを手掛けていますが

 、今日でも世界的名作として評価されているのは最初に刊行された保永堂版です。


*2 セーラ・E・トンプソン(Sarah E.Thompson)氏について

 現在ボストン美術館アジア・オセアニア・アフリカ美術部日本美術課浮世絵版画室

 長・学芸員を務める。ハーバード大学で言語学学士、コロンビア大学にて日本美術

 研究により博士号を取得。バッサー大学、オーバリン大学、オレゴン大学などで日

 本ならびに東洋美術史の教鞭をとり、2004年にボストン美術館に奉職。2005年か

 ら同館の「日本版画保管および研究調査プロジェクト(JPADP)」参画後、日本国

 外では最大規模である同館の5万点以上におよぶ浮世絵版画コレクションのデジタル

 ・カタログを作成。ボストン美術館、その他で数々の展覧会、2005年のボストン美

 術館での「北斎大回顧展」のキュレーターとして活躍。


以上

 

「デジタルハイブリッド」は、トッパン・フォームズ株式会社の登録商標です。

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