障がいのある方々と近畿大学農学部生が「近大ICTイチゴ」を収穫 「なら近大農法」で農福連携し、農業を担う人材の育成をめざす

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    2024年2月22日 14:00
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    MYPユニバーサル農園での農作業の様子(左)、奈良キャンパスで栽培中の近大ICTイチゴ(右)
    MYPユニバーサル農園での農作業の様子(左)、奈良キャンパスで栽培中の近大ICTイチゴ(右)

    近畿大学農学部(奈良県奈良市)は、特定非営利活動法人エムワイピー農場(奈良県奈良市)と農福連携し、令和6年(2024年)2月29日(木)、奈良キャンパスにて、障がいのある方々がイチゴの収穫体験を行うイベントを実施します。「なら近大農法」(ICT農法)を用いて「近大ICTイチゴ」の実践栽培をしている農学部生も参加し、一緒に作業することで、技術だけでなく農業の楽しさも知っていただく機会とします。

    【本件のポイント】
    ●障がいのある方々の農業参入をめざし、「近大ICTイチゴ」の収穫体験イベントを実施
    ●NPO法人と農福連携し、「なら近大農法」(ICT農法)による栽培管理を促進
    ●イチゴの栽培過程を学んだ農学部生が、農業の楽しさを参加者に伝える

    【本件の背景】
    近畿大学農学部は、少子高齢化に伴う農業従事者の減少や休耕地・耕作放棄地の増加などの社会問題を解決するため、奈良県と連携して「農の入口」モデル事業を展開し、「なら近大農法」(ICT農法)を利用した栽培管理方法の確立をめざしています。一般的に、農業は個人の経験や勘に頼ることが多く、所得確保の不安定さが問題とされており、農作物の栽培に必要な温度調整などの管理にICT(情報通信技術)を導入することで、農業初心者でも容易に栽培管理することが可能となります。
    また、「なら近大農法」(ICT農法)では、「農の入口」から「農の出口」までの一連の過程にICTやIoTを導入することで、安全かつ安心な農作物を消費者に提供することをめざしています。奈良県内各地にこの栽培管理方法を展開し、実用化を図ることで、県内の若者をはじめとする農業初心者、女性や高齢者、障がい者等による農業参入を容易にし、農業を担う人材の育成に努めています。

    【本件の内容】
    特定非営利活動法人エムワイピー農場が運営する「MYPユニバーサル農園」は、農業を通じた障がい者などの社会参画をめざす「農福連携」の取り組みとして、令和4年(2022年)に設立され、同法人に関連する福祉作業所を利用する障がいのある方々が農作業に従事しています。令和5年(2023年)4月からは、近畿大学農学部と産学連携し、「なら近大農法」(ICT農法)を用いた「近大ICTメロン」の試験栽培を行っています。
    今回実施する収穫体験イベントでは、近畿大学農学部農業生産科学科(アグリ技術革新研究所兼務)教授 野々村照雄が「なら近大農法」(ICT農法)について解説し、参加者は「近大ICTイチゴ」の収穫方法を学び、収穫、パック詰め、試食を行います。なお、本イベントには栽培実習を通してイチゴ栽培の過程を学んできた農学部生14名も参加し、作業のコツや栽培の知識を参加者に教えるなど、コミュニケーションをとりながら一緒に作業を行います。
    イベントを通して、障がいのある方々には、農業の楽しさを感じてもらうことで農業に興味を持ち、就農・社会参加への意欲を高めていただくとともに、農学部生は「なら近大農法」(ICT農法)が目標とする農業を担う人材の育成や、さまざまな人と協力する大切さを学ぶ機会とします。

    【開催概要】
    日時  :令和6年(2024年)2月29日(木)13:00~15:00
    場所  :近畿大学農学部奈良キャンパス
         (奈良県奈良市中町3327-204、近鉄奈良線「富雄駅」からバス約10分)
    参加予定:近畿大学農学部農業生産科学科植物感染制御工学研究室
         学生14名
         特定非営利活動法人エムワイピー農場に関連する福祉作業所の利用者
         20名
    収穫物 :近大ICTイチゴ(とちおとめ、紅ほっぺ)

    【なら近大農法(ICT農法)】
    一般的に、農業は個人の経験や勘に頼ることが多く、所得確保の不安定さが問題とされていますが、「なら近大農法」(ICT農法)では農作物の栽培に必要な温度調整など管理機能にICTを導入することによって、農作業の自動化を実現し、農業初心者でも容易に栽培管理が可能となります。土壌センサーと日照センサーを連動させた装置によって、作物に水分と液肥を自動的に供給します。これらの情報は蓄積され、スマートフォンなどで遠隔地からもデータを確認することができます。また、ハウス側窓の自動巻上げ機が温度センサーと連動しており、ハウス内の温度をほぼ一定に保つために自動的に開閉が行われます。このような完全自動化肥培管理システムの導入により、農作業の時間を大幅に削減するとともに、水や液肥の低減が可能となり、収穫量の増加と品質の安定化へと繋がることが期待されます。
    平成29年度(2017年度)から、近畿大学農学部農業生産科学科(アグリ技術革新研究所兼務)教授 野々村照雄が中心となり、奈良キャンパス内にある最新のICT設置温室で、農学部生とともに「なら近大農法」(ICT農法)を用いて「近大ICTメロン」を栽培しており、令和3年(2021年)9月からは、「近大ICTイチゴ」の栽培にも取り組んでいます。これらの栽培マニュアルは、毎年、後輩の農学部生へと受け継がれていきます。

    【特定非営利活動法人エムワイピー農場】
    所在地 :奈良県奈良市大宮町6-6-11
    代表者 :理事長 増井義久
    事業内容:就労継続支援B型事業所、MYPユニバーサル農園
    設立  :令和2年(2020年)12月2日
    リンク :https://farm.myp7.com

    【関連リンク】
    農学部 農業生産科学科 教授 野々村照雄(ノノムラテルオ)
    https://www.kindai.ac.jp/meikan/162-nonomura-teruo.html

    農学部
    https://www.kindai.ac.jp/agriculture/

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