キャラクターと現実世界の境界を曖昧にする試みから見えるものは…。若松琉夏個展「飛んでゆきたい」11月21日よりMEDEL GALLERY SHUにて開催

    MEDEL GALLERY SHUでは、11月21日より12月3日まで、若松琉夏の個展「飛んでゆきたい」を開催いたします。

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    2025年10月30日 18:55

    OVERVIEW

    MEDEL GALLERY SHUでは、11月21日より12月3日まで、若松琉夏の個展「飛んでゆきたい」を開催いたします。
    若松琉夏は、2025年に東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業した新進気鋭のアーティストです。
    若松の作品は、二次元のキャラクターと現実世界の境界を、 メディウムを用いた実験的アプローチによって曖昧にしようとする試みです。
    幼少期から漫画やアニメのキャラクターに親しみをもち、リアルな人物よりも強く感情移入できるキャラクターが絵画の中に登場することは、彼女らにとってはごく自然な表現であると同時に、現代社会における不確実な未来への感覚や、定まれないアイデンティティといった問題を映し出す対象となっていることもみえてきます。
    使用するメディウムの特性を通じて現実と非現実の領域を行き交う様が、視覚化され、画面に漂う空気感として現れます。
    「描く」という行為そのものを大切にしながら、若松は絵画という枠組みを越えて、新たな表現領域に挑み続けています。
    ぜひこの機会に、若松琉夏の最新作をご高覧賜りますようお願い申し上げます。

    今年の夏に遊園地に行ってジェットコースターに乗った。

    ジェットコースターは、体を安全バーに固定された状態で、遠心力で体を外側に投げ出されるように走ったり何度も回転したり、高所に登ったあと急降下したりと、ある人から見たら恐怖に感じるようなアトラクションだが、私が一番好きなのはふわりと空に投げ出されたような、無重力のような感覚が味わえる瞬間だ。
    計算し尽くされた、乗っている最中のスリルな爽快さも、合間で見える開放的な景色も、このたまらない浮遊感も、何もかも紛れもなく物質的な不自由だ。
    その狭苦しい不自由さに、安心して身を委ねて自由に楽しんでいられる。

    一方、私は空を飛びたい。
    体を縛り付けるものなんて何にもなくて、この身一つで視界いっぱいに広がる空を駆け巡る。
    すぐにでも行きたいところ、会いたい人のもとへ向かうことができたらどんなに良いんだろう。
    そうしてどこまでも、ふわりと飛んでゆけたらどんなに自由に感じるのだろう。

    ジェットコースターに乗っていると、それが叶うかもしれないと夢見てしまう。
    想像しても到底知ることのできない種類の自由への憧れにずっと囚われていて、それは不自由だけれども、同時に飛べないという現実になぜか私は深く安心してしまっている。

    そういったどこにでも存在している二律背反のようなものを軸に今回は制作した。

    ―若松琉夏

    若松琉夏|Runa Wakamatsu

    アニメや漫画のキャラクターから影響を受けた人物像をミューズとして、透明樹脂やキャンバスに油絵具を用いて描き出す。次元の異なるキャラクターと現実の鑑賞者との境界を曖昧にしながらも同時にその隔たりを示すことで、現実逃避的な憧れや陶酔の危うさとその恍惚感を表現することを目的としている。

    2000 鹿児島県生まれ
    2025 東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻 卒業

    ・CV(展示歴など)
    【個展】
    2024
    『おはよう、おやすみ』 aL Base (東京)

    【グループ展】
    2024
    『7 Emerging Artists Show by AaP』 阪急メンズ大阪 Contemporary Art Gallery (大阪)
    『One FACE 2024 』 ロイドワークスギャラリー (東京)
    『「空間彩添」-くうかんさいてん- 〜50 cm四方の空間で,生活に彩りを添える。〜』 aL Base (東京)
    『藝大アートプラザ・アートアワード受賞者展入選』 藝大アートプラザ (東京)

    MEDEL GALLERY SHU

    MEDEL GALLERY SHU
    https://medelgalleryshu.com/
    東京都渋谷区神宮前4-28-18
    カトル・バン原宿B1
    info@medelgalleryshu.com
    13:00〜19:00(最終日は17時まで)
    木曜休廊

    MEDELとは、日本語で「物の美しさをほめ味わうこと」を意味する「愛でる」からきています。唯一無二のアートを賞美し、慈しむという行為を介して、アーティストと鑑賞者、ギャラリーの間に喜びの行き交いが成立してほしいという想いを込め名づけました。“時代を共にする人々にとっての財産であり、未来の社会を照らす火である”とアーティストの活動・作品を定義し、人々の心に残る独創性に富んだスタイルの作品を鑑賞者と共に愛でつつ、次世代に残るようなマーケットや美術史的評価を確立してゆくことが当ギャラリーのミッションです。そのような私たちの活動を通して、独創的な表現を受け容れる多様な社会的風土の醸成に資することができれば、これに勝る喜びはありません。

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