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113番元素(ニホニウム Nh)発見論文 研究グループに対し、 日本の科学史初の快挙と貢献を称え3月19日に特別表彰

日本物理学会論文賞表彰式に続いて「日本物理学会論文賞特別表彰」を開催

森田浩介氏(現、九州大学教授および理化学研究所仁科加速器研究センター グループディレクター)を代表とする研究グループは、国立研究開発法人理化学研究所の加速器を用いた長年の研究によって第113番元素を発見したことにより、その命名権を獲得し、「Nihonium(ニホニウム、元素記号:Nh)」と名付けました。その主な研究成果は一般社団法人 日本物理学会の発行する欧文学術誌 Journal of the Physical Society of Japanに一連の4編の論文(2004、2007、2009、2012)として発表されています。本会では、この日本の科学史初の快挙と貢献を称え、研究グループに対して「日本物理学会論文賞特別表彰」を行うことになりました。表彰式は、日本物理学会第72回年次大会(大阪大学 豊中キャンパス)期間中の2017年3月19日に、第22回日本物理学会論文賞表彰式に引き続いて行われます。

理化学研究所 研究グループ(2012年当時、写真提供:理化学研究所)
理化学研究所 研究グループ(2012年当時、写真提供:理化学研究所)

◆開催概要
第22回日本物理学会論文賞表彰式および日本物理学会論文賞特別表彰
日時:2017年3月19日(日) 9:15~9:35
会場:池田市民文化会館(アゼリアホール)
   〒563-0031 大阪府池田市天神1丁目7-1

プログラムは下記URLよりご確認いただけます。
http://www.jps.or.jp/activities/meetings/files/2017Asougou_web.pdf


◆113番元素命名権獲得と日本物理学会欧文学術誌
2015年12月31日、国際純正・応用化学連合(IUPAC)は、113番元素から118番元素までの元素命名権に関する発表を行い、このうち113番元素の命名権をその発見者である、理化学研究所の森田浩介博士(現、九州大学教授)および共同研究者に付与することを決定しました。日本の研究グループに元素の命名権が与えられることは日本の科学史上初めてのことであり、またアジア地域においても初の快挙です。2016年11月30日、IUPACから、研究グループが提案した元素名 Nihonium(ニホニウム)および元素記号 Nhについて、提案どおりとすることが発表されました。

113番元素の合成と発見は、物理学的手法を用いて達成されました。研究グループは、113個の陽子をもった放射性同位体を、核融合反応を用いて人工的に合成・分離しました。合成された同位体の崩壊事象を観測し、同位体の原子番号および質量数をそれぞれ113、278と決定しています。合成の確率は極めて低く、理研加速器の大強度ビームと、研究グループによる高選別能をもつ高効率検出装置の開発をもってしても、都合3個のニホニウム原子核を確認するのに足かけ10年近くを要しました。

この研究成果は、仁科芳雄博士の第一号サイクロトロン建設から数えて約80年後にもたらされたものです。その間、連綿として発展してきた日本の原子核物理学分野の偉業として称賛されるべき成果であり、日本の加速器技術および同位体生成分離技術が世界的にトップレベルであることも示しています。

更に、研究グループの成果が日本物理学会の刊行する欧文学術誌 Journal of the Physical Society of Japan(略称 J. Phys. Soc. Jpn.)に出版されていることはあまり報道されていませんが、日本の学術誌が歴史的な成果を掲載できたことも我が国の誇りです。以下の4編の論文が命名権決定の対象論文となりました(オープンアクセスです)。

1.“Experiment on the Synthesis of Element 113 in the Reaction <209>Bi(<70>Zn,n)<278>113”
K. Morita et al., J. Phys. Soc. Jpn., 73, 2593-2596 (2004)
doi: 10.1143/JPSJ.73.2593

URL: http://journals.jps.jp/doi/10.1143/JPSJ.73.2593

2.“Observation of Second Decay Chain from <278>113”
K. Morita et al., J. Phys. Soc. Jpn., 76, 045001 (2007)
doi: 10.1143/JPSJ.76.045001

URL: http://journals.jps.jp/doi/10.1143/JPSJ.76.045001

3.“Decay Properties of <266>Bh and <262>Db Produced in the <248>Cm + <23>Na Reaction”
K. Morita et al., J. Phys. Soc. Jpn., 78, 064201 (2009)
doi: 10.1143/JPSJ.78.064201

URL: http://journals.jps.jp/doi/abs/10.1143/JPSJ.78.064201

4.“New Result in the Production and Decay of an Isotope, <278>113, of the 113th Element”
K. Morita et al., J. Phys. Soc. Jpn., 81, 103201 (2012)
doi: 10.1143/JPSJ.81.103201

URL: http://journals.jps.jp/doi/10.1143/JPSJ.81.103201

※上記論文タイトルの< >で括られた数字は、正式には上付き文字です。


◆日本物理学会論文賞特別表彰
一般社団法人 日本物理学会は1996年より独創的な論文により物理学に重要な貢献をした功績を称えるために「日本物理学会論文賞」を制定しています。2006年の第11回日本物理学会論文賞には、113番元素発見の第一報となる論文[K. Morita et al., J. Phys. Soc. Jpn., 73, 2593-2596 (2004)](上記論文1)が選出されています。

リンク:
http://www.jps.or.jp/activities/awards/ronbunsyo/ronbun11-2006.html

本論文から始まる一連の4報の論文(上記論文1-4)がいずれもJournal of the Physical Society of Japanに掲載され、この内容が国際的に認められた結果、アジア初の元素命名権獲得につながったことは、日本物理学会にとって大きな喜びと誇りであります。このことはまた、1946年以降70年以上にわたって、日本物理学会が質の高い独自の欧文学術誌 Journal of the Physical Society of Japanを発行し続けてきたことが国際的に認知されていることを明瞭に物語っています。
このたび、本会では、この快挙と貢献を称え、113番元素研究グループに対して「日本物理学会論文賞特別表彰」を行うことを決議しました(第606回理事会、2017年2月18日)。表彰式は、冒頭に記載の通り、日本物理学会第72回年次大会(大阪大学豊中キャンパス)期間中の2017年3月19日に、第22回日本物理学会論文賞表彰式に引き続いて行う予定です。

理化学研究所 研究グループ(2012年当時、写真提供:理化学研究所)
リンク: http://www.jps.or.jp/information/2016/12/113nh.php


◆関連情報
一般社団法人 日本物理学会では、本会会誌に掲載された以下の記事をオープンアクセスとしております。ご自由にご覧ください。
1.森田浩介「新発見の113番元素」、日本物理学会誌 Vol.60, No.9, 698 (2005)
2.矢野安重「いかにして森田浩介らは113番元素の命名権を獲得したか」、日本物理学会誌 Vol.71, No.5, 330 (2016).

リンク: http://www.jps.or.jp/information/2016/12/113nh.php

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