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日本は悲観大国を脱することができるのか? 信頼の格差は拡大し、未来に対する希望も持てない

日本の知識層の信頼度が回復、企業の信頼回復が今後の日本の信頼回復の鍵に

2017.02.07 15:00

世界のコミュニケーションズ・マーケティングをリードするエデルマンの日本法人、エデルマン・ジャパン株式会社(東京都港区、代表取締役:ロス・ローブリー) は本日、世界28カ国、33,000人以上を対象に実施した第17回信頼度調査「2017 エデルマン・トラストバロメーター[1]」(2017 Edelman Trust Barometer) の日本の調査結果を発表しました。


本調査結果によると、自国に対する信頼度(自国の企業、政府、メディア、NGOに対する信頼度の平均値)において、日本の知識層[2] と一般層[3] の間に初めて大きな開きが出たことが明らかになりました。その差は、昨年の3ポイントから15ポイントへと、過去1年間で大幅に広がっています。知識層の各組織に対する信頼度は大きく上昇し、企業55%(10ポイント上昇)、政府53%(12ポイント上昇)、メディア45%(6ポイント上昇)、NGO/NPO 44%(4ポイント上昇)となりました。一方、一般層においては、逆の傾向を見せ、企業39% (5ポイント低下)、政府35%(3ポイント低下)、メディア31%(6ポイント低下)、NGO/NPO 29%(4ポイント低下)と全てにおいて低下しました。日本の知識層と一般層の間に現れた信頼の格差は、一般層による信頼度の下落よりも、知識層の信頼度の回復がより強い影響を及ぼしていると推察できます。


この信頼の格差は、昨年のグローバルの調査結果でも見られた傾向で、その中でも差が大きかったのが、米国(19ポイント)と英国(17ポイント)でした。しかし、これらの国における信頼の格差は、日本の場合とは異なり、一般層に蔓延する不信感が原因でした。


日本の知識層における信頼度は回復しましたが、「自分と家族の経済的な見通しについて、5年後の状況が良くなっている」と答えた日本人回答者は、知識層31%、一般層17%で(グローバル平均:知識層62%、一般層:49%)、昨年に引き続き調査対象28カ国中最下位の結果となりました。


さらには、「全体として、国は正しい方向に向かっている」と思っている日本人は全回答者の33%しかおらず(グローバル平均:50%)、英国(50%)や米国(51%)と比較しても、日本人はより将来に対して悲観的な国民であることが伺えます。また、「子供たちは、私より良い人生を送れるだろう」と思っている日本人回答者は29%で、英国の43%、米国の58%と比較しても、またグローバル平均の55%と比較しても、日本人は将来に対して希望を抱いていない国民であり、引き続き「悲観大国」であることが明らかになりました。


全回答者のデータを見ると、組織に対する信頼度は、企業、政府、メディア、NGO/NPOの全てにおいて、日本を含めグローバル平均で低下しており、組織に対する不信感は、社会システム(制度や体制)そのものに対する不信を生み出しています。グローバルのデータによると、不公平感や、将来への失望などから、社会システムが機能していないと思っている人は全回答者の53%に上り、機能していると思っている人はほんの15%で、どちらか分からない人が32%でした。日本ではどちらか分からない人が最も多く(45%)、機能していないと思っている人は42%で、機能していると思っている人はわずか13%でした。


現在世界的に高まっているポピュリズムの風潮は、この社会システムそのものに対する不信感に加え、腐敗、グローバル化、社会的価値の喪失、移民、技術革新の速さといった、社会の様々な問題に対して人々が抱く不安や恐れによってさらに加速されます。そして、現状に不安や不満がある人々は変化を求めます。本調査結果によると、「どちらが真実を伝えていると思うか」という問いに対して、「国のやり方をこのまま変えたくない人」を選んだ回答者は、グローバル平均29%、日本27%であった一方、「物事を変えようとする改革者」を選んだ人は、グローバル平均71%、日本73%でした。また、驚いたことに、グローバル平均では2人に1人が、日本では5人に2人が、事実はそれほど重要でないと考えており、「たとえ真実を誇張しているとしても、私と私の家族にとって良いことをしてくれると信頼できる政治家を支持する」と回答しています。


ポピュリズムが蔓延し、「自国ファースト」現象が巻き起こる中、社会システムが機能しているかどうか分からない人が最も信頼しているのは企業で、その企業が信頼を築く上で最も求められているのは「従業員を大切にする」ことです。また、本調査結果によると、信頼されているのは「組織や機関」(日本:37%、グローバル平均:45%)よりも「個々の人々」(日本:63%、グローバル平均:55%)で、「企業が自ら発表した情報」(日本:32%、グローバル平均:36%)よりも、「会社について漏えいされた情報」(日本:68%、グローバル平均:64%)であることが明らかになっています。このような状況下で、企業のスポークスパーソンとして最も信頼されているのは一般社員です。CEOに対する信頼が調査史上最低レベルへと急落した今、企業は、どのように従業員とのコミュニケーションを取り、信頼を構築するかが、今後の事業運営において成功を収めるカギとなります。


エデルマン・ジャパンの代表取締役社長、ロス・ローブリーは次のように述べています。「相対的に見ると、日本人は現在、他の諸外国に比べれば、そこまで社会システムに不信感を持っておらず、様々な社会問題に対しても、不安や恐れのレベルはそれほど高くないように思われます。日本の知識層の自国に対する信頼度が大幅に上昇したのも、ブレグジットやトランプ現象に比べれば、日本は平和だと思った結果なのかもしれません。しかし、日本における信頼の格差が調査史上初めて明らかになり、また、将来に対して最も不安を抱えているのは日本人であるという事実は受け止めなければなりません。現在、社会システムが機能しているかどうかわからない日本人も、どちらに傾くかは企業次第です。企業は、雇用や技術革新、グローバル化から生まれる人々の不安を取り除くために、今後どのように社会に貢献していくのかを、これまで以上に分かりやすい形でメッセージを発信していく必要に迫られています」


[1] 「2017 エデルマン・トラストバロメーター」はエデルマンによる17回目の信頼度調査です。調査は、世界28ヶ国33,000人以上を対象に、2016年10月13日から11月16日にかけて実施されています。

 

[2] 知識層:25~64歳で、学歴が大卒以上。同世代と比較して世帯収入が上位25%以内。メディアに日常的に触れ、ビジネスに関するニュースに関心を持っている層で、調査対象の13%を指します。


 [3] 一般層:全回答者から知識層を除いた回答者で、調査対象の87%を指します。



エデルマン・トラストバロメーターについて

「2017 エデルマン・トラストバロメーター」は、今年で17年目となるグローバルな信頼度調査です。本調査は調査会社Edelman Intelligenceが、2016年10月13日から11月16日にかけて、一人当たり25分のオンラインインタビューを28カ国で実施したものです。調査対象は、18歳以上の各国1,150人の全回答者と、各国200人(米国と中国においては500人)の知識層(調査対象の15%)を含む33,000人です。知識層とは、25歳から64歳で、学歴が大卒以上、世帯収入が各国の同世代と比較して上位25%以内、少なくとも週に数回はビジネスや公共政策に関するニュースを見たり読んだりしているか、そうした情報に関心を持っている層を指します。


エデルマン・ジャパンについて

世界のPRをリードするエデルマンは、目まぐるしく変化する状況に対して常に新しいアプローチでクライアントのニーズにこたえています。現在、PRコミュニケーションは、マーケティング全体の戦略として、メディアリレーションだけにとどまらず、デジタルの有効活用を含めた複合的な活動が不可欠となっています。エデルマン・ジャパンは、世界最大のPR会社の日本支社として、グローバルな独自調査などに基づいた効果的なサービスを提供しています。世界65都市に拠点を構える世界最大級のネットワークを活かし、日本国内におけるコミュニケーションズ・マーケティングのみならず、日本企業の海外におけるコミュニケーション活動支援も展開しています。詳細はhttp://www.edelman.jp をご覧ください。

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