マツタケやトリュフの人工栽培を目指す!私立大学戦略的研究基盤形成支援事業に採択 近畿大学農学部応用生命化学科

    2015年7月22日 14:00

    近畿大学農学部(奈良県奈良市)応用生命化学科教授の白坂憲章(食品微生物工学)を中心とする研究プロジェクトチームは、人工栽培が困難とされているマツタケやトリュフなどの有用食用きのこの栽培法確立を目的とした研究で、文部科学省の平成27年度私立大学戦略的研究基盤形成支援事業に採択されました。

    【本件のポイント】
    ● 文部科学省の平成27年度私立大学戦略的研究基盤形成支援事業に、本学農学部の「有用食用きのこの栽培法確立を目的とした研究」が採択
    ● マツタケなどの有用食用きのこの生化学データベースを構築し人工栽培に応用可能
    ● 新たなきのこ産業ビジネスモデルの確立を目指す

    【採択内容】
    プロジェクト名:きのこの子実体形成機構の解明とそのマツタケ等有用食用きのこ類の人工栽培化技術確立への応用を目指した研究基盤形成

    研 究 組 織:近畿大学農学部
    研 究 代 表 者 :近畿大学農学部応用生命化学科 教授 白坂 憲章
    研 究 期 間:平成27年度(2015年)~平成29年度(2017年)
    総 事 業 費:336,550千円(予定)

    【プロジェクト代表者】
    所  属:近畿大学農学部 応用生命化学科 教授
    学  位:農学博士 
    専門分野:応用微生物学、食品微生物学、食品機能学
    主な論文:『シイタケ培地へ添加したトレハロースの子実体への影響(第3報)』
         『マイタケ由来グルタミン酸脱炭酸酵素の精製と性質』

    【本件の概要】
    今回、採択されたプロジェクトは、いまだかつて成功した例のないマツタケなどの有用食用きのこ類の人工栽培化技術の確立、応用を目指した研究です。本学農学部応用生命化学科教授の白坂憲章を中心とするプロジェクトチームが研究を実施しています。

    きのこが“きのこ”を作る仕組みそのものが、現在でも解明されていません。そのため、本プロジェクトでは、有用食用きのこの人工栽培法のデータベースを構築し、従来のきのこ栽培法の開発に必要とされてきた“経験のノウハウ”ではなく、科学的な視点からきのこの生理を解明することでマツタケの生態を理解し、栽培化へ結びつけることを最重要課題としています。

    有用食用きのこ類の生化学的・生理学的性質情報が解明されることにより、きのこの安定的で無駄のない栽培法を確立することが可能となるだけでなく、きのこの王様といわれるマツタケや高級食材として有名なトリュフなど、人工栽培が困難とされている有用食用きのこの人工栽培も可能になります。将来的には新たなきのこ産業ビジネスモデルを確立し、希少価値の高いきのこを安定的かつ安価に流通させることを目指しています。

    【私立大学戦略的研究基盤形成支援事業とは】
    私立大学戦略的研究基盤形成支援事業は、各大学の経営戦略に基づいて行う研究基盤の形成を支援するため、研究プロジェクトに対して重点的かつ総合的に補助を行う事業です。各大学が最先端の研究や地域に根差した研究などの観点から研究プロジェクトを計画・申請し、文部科学省により審査がおこなわれ、選定されます。その研究成果は、わが国の科学技術の進展に寄与します。

    本事業は、平成20年度(2008年度)から開始され、これまで本学は平成26年度(2014年度)までに9件の研究が採択されています。

    【関連リンク】
    農学部応用生命化学科 教授 白坂 憲章
    http://www.kindai.ac.jp/meikan/1058-shirasaka-norifumi.html

    マツタケ菌培養の様子
    マツタケ菌培養の様子

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