海外の若手研究者・技術者を対象とした研究炉スクールを開催　アジア・太平洋地域の原子力人材育成に貢献

近畿大学原子力研究所（大阪府東大阪市）と京都大学複合原子力科学研究所（大阪府泉南郡熊取町）、若狭湾エネルギー研究センター（福井県敦賀市）は、令和元年（2019年）7月22日（月）～8月2日（金）の期間、アジア・太平洋地域を中心とした若手研究者・技術者を対象に、「IAEA原子炉物理、中性子応用、原子炉運転に関する研究炉スクール」を開催します。

【本件のポイント】
●国内の大学では近畿大と京都大のみが保有する研究用原子炉を活用した実習を実施
●研究用原子炉の運用に携わる、主にアジア・太平洋地域の若手研究者・技術者が対象
●研究用原子炉の安全な運用と活用のため、国際的な専門技術者の養成に貢献

【本件の内容】
研究用原子炉は、基礎科学研究のインフラであるとともに、医学利用、産業利用、教育訓練などの基盤施設として多くの国々で設置・運用されており（世界で224基が運転中）、新たな研究用原子炉の導入も進んでいます（世界で新たに23基が計画中・建設中）。また、原子力発電の安全性向上にも研究用原子炉を使った研究や実験は不可欠であり、研究用原子炉の安全な運用と活用に関わる研究者・技術者の育成が急務となっています。このスクールは、主にアジア太平洋地域の若手研究者・技術者を対象として、国際原子力機関（IAEA）の協力により開催されるもので、原子力分野の人材育成で長年の実績がある近畿大学と京都大学の研究用原子炉を最大限に活用し、現場での実習を通じて研究用原子炉の基礎となる知識と技能を身につけることを目的としています。さらに、原子力発電所の見学や関連する講義を通じて、日本の原子力の現状についても理解を深めていただきます。

【開催概要】
実施期間：令和元年（2019年）7月22日（月）～8月2日（金）
場　　所：7/22・7/23　福井県国際原子力人材育成センター
　　　　　　　　　　　（福井県敦賀市神楽町2丁目2-4 アクアトム2階）他
　　　　　7/24～7/26　近畿大学原子力研究所
　　　　　　　　　　　（大阪府東大阪市小若江3丁目4番1号）
　　　　　7/29～8/2　京都大学複合原子力科学研究所
　　　　　　　　　　　（大阪府泉南郡熊取町朝代西2丁目）
対　　象：アジア・太平洋地域を中心とした若手研究者・技術者　12人
　　　　　（インドネシア、ミャンマー、スリランカ、タイ、ベトナム、オーストラリア、ロシア、ザンビア、南アフリカ）

【プログラム】
＜7/22・7/23　若狭湾エネルギー研究センター＞
・開講式
・原子炉に関する講義
・高速増殖炉もんじゅ見学
・大飯発電所見学

＜7/24～7/26　近畿大学＞
・原子炉運転実習
・原子炉内中性子の測定実習
・中性子ラジオグラフィ実習

＜7/29～8/2　京都大学＞
・臨界近接実習
・制御棒校正実習
・原子炉運転実習
・閉講式