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ストレンジック(R)(アスホターゼ アルファ)が 小児期発症低ホスファターゼ症(HPP)の治療薬として 欧州委員会から製造販売承認を取得

― 生命を脅かす代謝性超希少疾患である HPP患者さんに対する欧州初の治療薬として承認 ―

 この資料は、アレクシオン・ファーマシューティカルズ(米国コネチカット州チェシャー)が2015年9月1日(現地時間)に発表したプレスリリースの日本語抄訳で、参考資料として提供するものです。その内容および解釈については英文プレスリリースが優先されます。英文プレスリリースは http://www.alexion.com をご参照ください。

 2015年9月1日、米国コネチカット州チェシャー -- アレクシオン・ファーマシューティカルズ(NASDAQ:ALXN)は本日、小児期発症低ホスファターゼ症(HPP)の患者さんに対する骨症状の治療を目的とした長期酵素補充療法として、ストレンジック(R)(アスホターゼ アルファ)が欧州委員会(EC)より製造販売承認を取得したことを発表しました。欧州製品概要(SmPC)に記載されているとおり、HPPは、くる病/骨軟化症を含む様々な骨症状、カルシウム・リン代謝の変化、成長および運動機能の障害、人工呼吸器を必要とする呼吸機能障害、ビタミンB6依存性けいれん発作を伴います。ストレンジックは生命を脅かす代謝性超希少疾患であるHPPの患者さんに対して欧州連合(EU)で初めて承認された治療薬です。アレクシオンは10月より、ドイツの患者さんに対してストレンジックの提供を開始する見込みで、現在は欧州主要国ごとに規制当局との保険償還プロセスに着手しています。

 ドイツ・ヴュルツブルクのヴュルツブルク大学、小児病院、小児リウマチ・骨学科(Children’s Hospital, University of Wurzburg, Pediatric Rheumatology and Osteology Section, Wurzburg, Germany)のPD Dr. med Christine Hofmannは次のように述べています。「低ホスファターゼ症は患者さんやそのご家族に対して深刻な影響を及ぼす非常に稀な疾患です。未治療のままでは、患者さんは発達や成長、運動機能に著しい障害をきたす可能性があり、乳児期での死亡リスクは極めて高いと言えます。欧州の小児期発症HPP患者さんに対し、組織非特異型アルカリホスファターゼの欠損を補うという方法で生涯にわたる遺伝性代謝性疾患の根本的な原因に対処する治療を、承認薬で提供できるようになったことを大変嬉しく思います。」

 HPPは遺伝性、進行性および代謝性の疾患で、複数の身体器官に深刻な影響を及ぼし、消耗性または生命を脅かす合併症を引き起こします。HPPは全人口100万人あたりの患者数が20人に満たない疾患として定義される超希少疾患です。(参考文献1)HPPは骨石灰化不全を特徴とし、骨の変形やその他の骨格異常のほか、深刻な筋力低下、けいれん発作、疼痛、および呼吸不全などの全身性合併症を生じ、乳児では早期死亡に至ることもあります。(参考文献2-6)

 アレクシオンの最高経営責任者であるデビッド・ハラールは次のように述べています。「小児期発症HPPに対する欧州初の治療薬として承認されたストレンジックは、この生命を脅かす深刻な超希少疾患に苦しむ患者さんにとって革新的な治療薬です。EUの添付文書において、18歳未満でHPPを発症したすべての患者さんが適応とされることを喜ばしく思います。この承認を可能にした臨床試験にご参加くださった治験責任医師、ならびに患者さんとそのご家族に対して感謝の意を表します。アレクシオンは現在、生活を一変させる治療薬であるストレンジックを小児期発症HPP患者さんに確実にお届けできるよう、欧州各国における規制当局との保険償還プロセスを進めています。」

 ストレンジックは小児期発症HPPの患者さんに対する骨症状の治療を目的とした長期酵素補充療法としてECより製造販売承認を取得しました。SmPCに記載されているとおり、HPPは、くる病/骨軟化症を含む様々な骨症状、カルシウム・リン代謝の変化、成長および運動機能の障害、人工呼吸器を必要とする呼吸機能障害、ビタミンB6依存性けいれん発作を伴います。人工呼吸器を必要とする乳児期HPP患者さんが未治療のままでいると、死亡率が上昇します。また、SmPCには、ストレンジック治療により人工呼吸器を必要とする乳児の患者さんの71%が生存しており、現在も治療を継続している、との記載があります。

 ECによるストレンジックの承認は2015年6月に欧州医薬品委員会(CHMP)が採択した承認勧告に続くもので、EUの全28加盟国とアイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタインに適用されます。また、ストレンジックはHPPに対する治療薬として、日本の厚生労働省およびカナダ保健省より承認を受けています。FDAはストレンジックをブレークスルーセラピー(画期的治療薬)に指定し、生物学的製剤承認申請(BLA)の優先審査を受理しました。


■臨床データについて
 EUでのストレンジックの承認は、小児期発症HPP患者68例(新生児から66歳まで)を対象とした、4本のピボタルなプロスペクティブ試験とそれらの延長試験から得た臨床データに基づいています。これらの試験において、X線画像でくる病の重症度を評価するRadiographic Global Impression of Change(RGI-C)を用いて評価したところ、小児期発症HPP患者さんにおいてストレンジックが骨石灰化の迅速かつ持続的な改善をもたらすことが示されました。また、ストレンジック治療を受けた患者さんでは骨格構造の改善も認められ、この改善は関節のX線像、骨生検材料の組織学的所見、および明らかな身長の追いつき成長の増加によって証明されました。

 臨床試験において認められた有害反応で頻度の高かったものは、注射部位反応および投与時反応でした。これらの有害事象の大部分は非重篤であり、重症度は軽度から中等度でした。


■低ホスファターゼ症(HPP)について
 HPPは、骨石灰化不全を特徴とする、極めて稀な慢性進行性の遺伝性代謝性疾患であり、骨の破壊や変形、深刻な筋力低下、けいれん発作、呼吸不全を生じ、早期死亡に至ることがあります。(参考文献2-6)

 HPPは組織非特異型アルカリホスファターゼ(TNSALP)と呼ばれる酵素の遺伝子コードの変異が原因で発症します。(参考文献2、3)HPPにおける遺伝子異常はあらゆる年齢層の患者さんに影響を及ぼします。(参考文献2)HPPは疾患が発症時の年齢によって分類され、乳児期発症および若年期発症HPPは18歳未満で初めて発症した場合と定義されます。

 HPPは、年齢を問わず、患者さんに深刻な影響を及ぼす可能性があります。(参考文献2)自然経過観察試験によると、生後6ヵ月未満にHPPを発症した乳児の死亡率は高く、5歳時の全死亡率は73%と報告されています。(参考文献7)このような患者さんの死亡原因は主として呼吸不全です。(参考文献2、6、8)青年期および成人期まで生存した患者さんの場合、長期的な臨床的続発症には、再発性および治癒しない骨折、深刻な筋力低下、重度の疼痛、ならびに車椅子、歩行器および杖などの歩行補助器が必要とされる運動機能の障害などがあります。(参考文献2、5)


■ストレンジック(アスホターゼ アルファ)について
 ストレンジック(アスホターゼ アルファ)はHPPの根本的な原因であるTNSALPの欠損に対処すべくデザインされた、革新的な酵素補充療法です。ストレンジックによる治療は、欠乏した酵素の補充を通じて骨の石灰化障害を予防または改善し、それにより重篤な骨格および全身性の病態と早期死亡を予防することを目標としています。

 ストレンジックはHPPに対する治療薬として日本およびカナダにおいて承認を受けています。また、生物学的製剤承認申請(BLA)の優先審査対象としてFDAに受理されています。


■重要な安全性情報
 ストレンジックによる治療を受けた患者さんにおいて、じんましん、呼吸困難、および/または心血管虚脱を含む重度のアレルギー型過敏性反応が発生する可能性があります。また、ストレンジックの投与により局所注射部位反応が起こることがあります。
 5歳未満の患者さんにおいて頭蓋骨癒合症が報告されているほか、ストレンジックによる治療を受けた患者さんで眼(結膜および角膜)の石灰化および腎石灰化症が報告されています。データが不十分であることから、ストレンジック投与と頭蓋骨癒合症の発症、およびストレンジック投与と異所性石灰化症との因果関係は不明です。

 ストレンジックの投与により血清副甲状腺ホルモン濃度が上昇する場合があります。また、ストレンジックの投与を受けた患者さんでは過度な体重増加が認められることがあります。


■アレクシオンについて
 アレクシオンは、重篤な希少疾患を抱える患者さんの生活を一変させる治療薬の開発と提供に注力するグローバルなバイオ製薬企業です。アレクシオンは、致命的な2つの超希少疾患である発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)および非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)の治療薬として初めてかつ唯一承認されている補体阻害薬ソリリス(R)(エクリズマブ)を開発し、製造販売しています。また、アレクシオンは、ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症(LAL-D)に対するSebelipase alfaと低ホスファターゼ症(HPP)に対するストレンジック(R)(アスホターゼ アルファ)を含む最先端のグローバルな代謝性希少疾患フランチャイズも構築しています。さらに、アレクシオンは、複数の治療領域にわたる極めて革新的な製品候補を擁し、バイオテクノロジー業界において最も強固な希少疾患パイプラインを進展させています。補体阻害領域におけるグローバルリーダーとして、アレクシオンはその他の重篤な超希少疾患領域におけるソリリスの潜在的適応の評価など、広範なプラットフォーム全体において補体阻害薬ポートフォリオの強化と拡大を進めています。本プレスリリースとアレクシオンに関する詳細については http://www.alexion.com (英語)をご覧ください。


■将来予測に関する記述
 本プレスリリースには、低ホスファターゼ(HPP)に対するストレンジック(R)の潜在的な医学的ベネフィットに関する記述など、将来予測に関する記述が含まれています。将来予測に関する記述は、諸要因による影響を受け、これらの要因により将来予測に関する記述がアレクシオンの結果および計画と異なる可能性があります。これらの要因として、HPP治療薬としてのストレンジックの上市に関する販売承認または重大な制限に関する規制当局の決定、HPP治療薬としてのストレンジックに対しての十分な製造能力の手配と商業インフラの確立の遅れ、臨床試験の結果からより広く多様な患者集団でのストレンジックの安全性と有効性に関する結果が予測できない可能性、第三者の支払者(政府機関など)がストレンジックの使用に対して(承認された場合)ストレンジックを使用する患者数の推定とストレンジックを使用する患者の疾病の自然史に関する所見が不正確なリスク、ならびに米国証券取引委員会にアレクシオンが提出した報告書の中で適時記載した様々なリスクなどがあります。このリスクにはアレクシオンの2015年6月30日に提出されたFrom 10-Q四半期報告書に記載したリスクに限定されません。アレクシオンは、法律に基づき義務が生じた場合を除き、この将来予測に関する記述を見直し、本プレスリリースの発表後に発生した事象または状況を反映する予定はありません。

参考文献:
1.REGULATION (EU) No 536/2014 OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 16 April 2014 on clinical trials onmedicinal products for human use, and repealing Directive 2001/20/EC.
http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:32014R0536&qid=1421232837997&from=EN

2.Rockman-Greenberg C. Hypophosphatasia. Pediatr Endocrinol Rev. 2013; 10(suppl 2):380-388.

3.Whyte MP. Hypophosphatasia: nature’s window on alkaline phosphatase function in humans. In: Bilezikian JP, Raisz LG, Martin TJ, eds. Principles of Bone Biology. Vol 1. 3rd ed. San Diego, CA: Academic Press; 2008:1573-1598.

4.Whyte MP, Greenberg CR, Salman N, et al. Enzyme-replacement therapy in life-threatening hypophosphatasia. N Engl J Med. 2012; 366(10):904-913.

5.Seshia SS, Derbyshire G, Haworth JC, Hoogstraten J. Myopathy with hypophosphatasia. Arch Dis Child. 1990; 65(1):130-131.

6.Baumgartner-Sigl S, Haberlandt E, Mumm S, et al. Pyridoxine-responsive seizures as the first symptom of infantile hypophosphatasia caused by two novel missense mutations (c.677T>C, p.M226T; c.1112C>T, p.T371I) of the tissuenonspecific alkaline phosphatase gene. Bone. 2007; 40(6):1655-1661.

7.Whyte MP, Leung E, Wilcox W, et al. Hypophosphatasia: a retrospective natural history study of the severe perinatal and infantile forms. Poster presented at the 2014 Pediatric Academic Societies and Asian Society for Pediatric Research Joint Meeting, Vancouver, B.C., Canada, May 5, 2014. Abstract 752416.

8.Whyte MP, Rockman-Greenberg C, Hofmann C, et al. Improved survival with asfotase alfa treatment in pediatric patients with hypophosphatasia at high risk of death. Poster presented at the American Society for Bone and Mineral Research (ASBMR) 2014 Annual Meeting, Houston, September 14, 2014. Abstract 1097.

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