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実証事業で見えた ヒト・モノ・コト・ミチによるフレイル対策  産官学医包括連携“TOMAS”「商助」で支えるエコシステム  富田林市自治体SDGsモデル事業 事業報告

大阪府富田林市(大阪府、市長:吉村 善美)、大阪大谷大学(大阪府富田林市、学長:浅尾 広良)、一般社団法人富田林医師会(大阪府富田林市、会長:宮田 重樹)、医療機器・材料メーカーのアルケア株式会社(東京都墨田区、代表取締役社長:鈴木 輝重)の4者は、2019年11月に地域リソースを活かした地域包括ケアシステム構築のため、富田林市産官学医包括連携(TOMAS※1)協定を締結しました。その後、2020年7月に内閣府から「自治体SDGsモデル事業」に採択され、2020年10月~2021年3月に地域住民の健康寿命延伸を目的に、経済・社会・環境の三側面をつなぐ統合的取組として「商助※2」によるエコシステム構築に取り組みましたので、ここに報告いたします。


※1 TOMAS:呼称「トーマス」。富田林市における地域社会の医療・介護・健康の向上、住民の健康寿命延伸を目的とした自治体・大学・産業・医師会の4者による連携システム。当初発起4団体の英語表記の頭文字を合わせて命名。

※2 商助:自助・互助・共助・公助に加え、経産省がヘルスケア産業創出で発信している枠組み。商いが地域を助け、地域が商いを助ける仕組みを高齢者の自立した生活の支援体制の整備に活かしていく仕組みづくりをすすめるもの。



● 産官学医連携で作るSociety 5.0を目指した地域課題の解決策

● ついで買いが0次予防に!?「健康」と「消費」をつなげる新しい健康ポイント事業

● ヒト・モノ・コト・ミチでつなぐ!「商助」が支える、未来に続くエコシステム



■ 産官学医連携で作るSociety 5.0を目指した地域課題の解決策

少子高齢化に伴う日本各地の健康・経済的課題は深刻であり、直近ではコロナ禍に伴う外出制限、そして活動性の低下から、さらなる身体機能の低下や、要介護にもつながるフレイル※3のリスクにも直面しています。地域課題は住民の健康面に留まらず、消費人口および消費活動減少による経済的損失も甚大なものとなっています。また、介護領域におけるPDCAサイクルの重視※4、Society 5.0※5、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進など自助・公助に限らない持続的かつ効果的な解決策が求められています。

富田林市×SDGs


富田林市も高齢化率が30.6%(2021年3月31日現在)と高齢化が進んでいる地域であり、高齢化や人口減少、住民の健康維持などの課題を抱えています。こうした現状をうけ、市では2019年に産官学医連携協定TOMASを締結し、地域包括ケア実現のための取り組みを始動いたしました。本連携は各関係者のリソースを有効活用し、持続的な取組みを可能にするだけでなく、介護予防分野では日本初、医師会が連携に入ることで地域医療と地域予防の連携、および医師会のプログラム監修による安全で適切な予防活動の推進が可能となりました。


富田林市は内閣府から令和2年度の自治体SDGsモデル事業に採択され、TOMAS連携と「商助」を軸に、健康事業(介護予防、健康経営)や若者人材の育成、SDGs普及、ステークホルダーの連携創出事業を実施しました。SDGsの達成に向けて、多様な人々の想像、そして創造力の融合によりフレイル予防や地域経済活性化など、社会課題解決に取り組みました。本リリースでは健康事業の一環の市民向け介護予防健康ポイント事業にフォーカスをあて、ご報告いたします。


※3 フレイル:「Frailty(虚弱)」の日本語訳。健康な状態と要介護状態の中間に位置し、近い将来に日常生活の障害や要介護を招く危険を増大させる。身体的、精神心理的、社会的な側面を含む多面的で包括的な概念。

※4 PDCAサイクルの重視:2021年の介護報酬改定で新設される科学的介護推進体制加算における“LIFE加算”など、PDCAに基づく計画の策定・更新が要される。

※5 Society 5.0:狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く、新たな社会を指すもの“サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)”日本政府策定『第5期科学技術基本計画』より



■ついで買いが0次予防に!?「健康」と「消費」をつなげる新しい健康ポイント事業

健康ポイントシステム


健康ポイント拠点に設置したFeliCaリーダーでは歩数等の活動情報、体組成測定情報の抽出が可能


2020年12月から2021年3月にかけ、富田林市の40歳以上の市民を対象に、「歩く」「からだを知る」「参加する」を通してポイントを蓄積し、年度末に景品と交換するという健康ポイントウォーキング事業を実施しました。参加者に基本情報を登録した活動量計を配付し、歩数に応じた活動ポイントや市指定のイベントの参加ポイントの自動付与が可能な健康ポイントシステム(右図)を構築しました。市内20ヵ所に健康ポイント拠点を設置し、うち16ヵ所は民間事業者に設置しました。今年度の事業期間前後には身体機能測定やアンケートを実施し、本事業の身体面・社会的活動面・精神面の効果判定を行いました。市民モニター180名(男性64名、女性116名、平均年齢66.9歳)が参加し、体脂肪量低下・歩数増加・生活習慣改善傾向、健康関心の高まりなど、3ヵ月という短期間の中で健康増進に関する一定の成果を獲得しました。

実施期間中の平均歩数の変化


「健康のために実行していることはなんですか」(アンケートから抜粋)



■健康だけじゃない!地域経済への好影響

健康ポイント拠点への訪問頻度が多いほど、身体活動量が高い傾向があり、本事業は訪問することへのインセンティブを通して「0(ゼロ)次予防(健康行動を助ける環境づくり)」の側面もあると考えられます。また、店舗訪問者の約6割は来店時に消費もする「ついで買い」をしており、健康と消費とのつながりが創出されました。今後もデータを蓄積し、分析に基づく各種企画を通して、「商助」のつながりを強化することが期待できます。さらに、類似の先行事例や研究から、事業参加や歩数増加による医療経済性について試算しました。その結果、年間で事業参加により628万円、歩数増加で298万円、それぞれ医療費抑制効果も期待できるという結果となりました。

健康ポイント拠点への来店でついで買い


医療費抑制額(試算)


■持続可能性を支える!新たに創出・連携した地域リソース

商助による持続的な地域課題の解決には、市民を含む地域リソース(人材、モノ、場所など)の連携が不可欠です。本事業では、健康ポイント事業の他に、学生へのPBL(Project Based Learning、課題解決型学習)事業、および、市民・学生・地域事業者・包括連携事業者とのワークショップを通じたSDGs普及・啓発事業を実施しました。

大学との連携の中では、学生を対象に健康増進をテーマとしたビジネスプラン立案を目的に、座学・調査・発表によるPBLを通じて、実学の中で地域の未来を担う若者人材を育成しました。また、地域住民・事業者とのワークショップでは、「SDGs実現に向けた町づくり」のため、「自分たちにできること」を考え、市民側から36のアイデアの種を出し合いました。このアイデアの種と包括連携事業者のリソースをマッチングし、具体的に実現性ある5つのアイデアを創出しました。



■監修者としての医師会からのコメント(一部抜粋)

富田林医師会 会長 宮田 重樹先生

富田林医師会 会長 宮田重樹先生 画像


「社会全体としては、高齢者がいつまでも元気に暮らしていけるよう、サポートしていくことが望まれますが、公的な介護予防には限界があり、民間の力が必要です。今回の事業は市の介護予防の未来にとって重要なポイントになると感じます。」



■ヒト・モノ・コト・ミチでつなぐ!産官学医で支える「商助」によるエコシステム

持続的かつ効果的な社会課題解決のためには、それぞれのリソースを活用し、業種・業界の垣根を越えた連携、すなわちエコシステムが必須です。


ステークホルダー:富田林市

課題      :より多くの住民への啓発

         生活との接続と取組み促進

具体的な解決策 :地域住民の健康寿命延伸を実現する、持続可能なヘルスケア産業の創出


ステークホルダー:富田林医師会

課題      :医療の適正供給の継続

         地域包括ケアの構築と進化

具体的な解決策 :正しい介護予防の普及と、医療の適正利用促進の仕組み化


ステークホルダー:大阪大谷大学

課題      :地域の教育拠点の進化

         学生の実践的教育の充実

具体的な解決策 :産業界や自治体との連携を通じた、学生の地域に貢献する力の育成


ステークホルダー:事業者(市内事業者)

課題      :地域の消費活動の活性化

         地域の消費活動の活性化

具体的な解決策 :自社事業と健康を掛け合わせた地域に届く新たな事業展開


ステークホルダー:アルケア

課題      :地域リソース連携モデルの構築

具体的な解決策 :持続可能なビジネスモデルの検証と構築



■本事業を通じて、達成したこと

・富田林市:健康増進・経済活性につながる健康事業の推進

・医師会 :地域住民の健康増進・介護予防活動の普及・啓発

・大学  :学業機関としての特色差異化と実学経験を通じた未来を担う人材育成

・事業者 :健康ポイント事業を通じた消費活動の維持・消費者の確保

・アルケア:地域のステークホルダーを巻き込んだビジネスモデルの横展開



■「商助」によるエコシステム実現のための概念

本事業の経験により、「健康にしたい・なりたい」、「地域をもっと良くしたい」など『ヒトの想い(利己・利他)」から、進めるための手段となる『モノ(物品・手法)』を選択し、実現・解決したい『コト(価値・地域課題)』へアプローチすることの重要性を再確認することができました。そして事業展開やステークホルダーとの共創など『ミチ(方向性・未来)』の実現に向け、健康と経済活動を繋げることで、産官学医で支える「商助」によるエコシステムの基盤構築をすることができました。

「商助」によるエコシステム実現のための概念


TOMAS連携では、今後も、商助によるエコシステムを発展させる取組みを進めてまいります。具体的には、健康ポイント事業の参加者の増加と事業者の拡大をし、課題解決型学習事業で学生の実学経験の充実と、高齢化対策の新たな担い手育成を実施し、量的質的にも持続可能なポイント事業へと取り組んでいきます。また、事業から得られたデータを用いて「商助」の発展に向けた施策や、医療費抑制政策の検討を進めます。さらに、参加者・関係者の協議・連携により、消費の活性化や観光企画との連動を通じた、地域課題解決をめざします。これらの取組みにより、地域リソースによる地域社会のための持続可能なエコシステムに進化させていきます。



■富田林市産官学医包括連携「TOMAS」参画者概要

【富田林市】

大阪府の東南部に位置する富田林市は、自然と歴史に恵まれたまちです。“富田林版”地域包括ケアシステムの構築に向け、医療と介護の連携強化や、地域における日常生活の支援・支え合いのしくみづくりを進めています。


代表者 : 市長 吉村 善美(*)

人口  : 109,650名(高齢化率 30.6% 2021年3月31日現在)

所在地 : 大阪府富田林市常盤町1-1(〒584-8511)

URL  : https://www.city.tondabayashi.lg.jp/

代表TEL: 0721-25-1000

(*)吉の字は、正しくは「土(つち)」に「口(くち)」と書きます


【一般社団法人富田林医師会】

地域包括ケアシステムの重要な柱である介護予防と在宅医療を専門的な知識と経験を基に遂行し、地域住民の方々が健康面で安心して暮らせる地域づくりに貢献してまいります。

代表者 : 会長 宮田 重樹(整形外科医)

会員数 : 計186名

所在地 : 大阪府富田林市向陽台1-3-38(〒584-0082)

URL  : http://tondabayashiishikai.jp/

代表TEL: 0721-29-1210


【大阪大谷大学】

大阪大谷大学は、富田林市に立地し、1966年の創立以来、地域の活性化、文化振興等社会貢献活動にも積極的に取り組んできました。この度は人間社会学部スポーツ健康学科の授業の一環として、地域の大きな課題である市民の方々の健康増進、介護予防活動について、学生・教職員ともに取り組んでまいります。


代表者 : 学長 浅尾 広良

学生数 : 学部生2,922名、大学院生12名(2021年4月2日現在)

所在地 : 大阪府富田林市錦織北3-11-1(〒584-8540)

URL  : https://www.osaka-ohtani.ac.jp/

代表TEL: 0721-24-0381


【アルケア株式会社 -つなぐ手あて、ひらくケア。-】

アルケアは、やさしさや想いを大きな力に、ベストケア創造企業として、患者さんのこころに響く手あてをつなぎ、新たなケアをひらいていきます。予防から社会復帰にいたるまで、ケアをプロセス視点で捉え、整形外科領域、褥瘡・創傷領域、ストーマ領域、看護領域の4つの専門領域で事業を展開しています。なお、富田林市産官学医包括連携「TOMAS」は、ロコモ事業部が担当しています。


代表者        : 代表取締役社長 鈴木 輝重

社員数        : 569名(2020年6月期)

売上高        : 143億円(2020年6月末現在)

本社所在地      : 東京都墨田区錦糸1-2-1 アルカセントラル19階(〒130-0013)

アルケア公式サイト  : https://www.alcare.co.jp

ロコモ事業部公式サイト: https://www.alcare.co.jp/healthcare/index.html

お問い合わせ先    : 0120-770-175(お客様相談室)



※本リリース記載の情報は、注記がない場合2021年5月31日時点のものです。

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