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世界初“緑の香り”で農作物を高温から守る資材の開発で 農芸化学技術賞 受賞【ファイトクローム・神戸大 共同研究】

~地球温暖化に伴う農作物の減収対策に 収穫約2割増の効果も確認~

この度、農業生産資材づくりを通じて日本農業の再生を目指す株式会社ファイトクローム(本社:東京、代表:内田 啓祐)は、公益社団法人日本農芸化学会から「2019年度農芸化学技術賞」を受賞することとなりました。授賞式は同学会2019年度大会にて行われます。


授賞式日時:2019年3月25日(月)9時00分~

受賞者講演:同 13時00分~

場所   :東京農業大学百周年記念講堂(東京都世田谷区桜丘1-1-1)

表題   :作物の高温耐性を高める揮発性バイオスティミュラント「すずみどり」の開発

受賞者  :山内 靖雄(やまうち やすお) 神戸大学大学院 農学研究科 植物機能化学

     :河合 博(かわい ひろし) 株式会社ファイトクローム


本受賞は2008年より神戸大学と開始した植物の高温耐性に関する共同研究、および2018年に本格販売を開始した商品名「すずみどり」の製品化が評価されたもので、当社は初めての受賞になります。当社は、植物本来の力に着目し、近年変化する様々な環境に対応できる商品の開発を通じて、新しい価値を創造する農業を応援してまいります。


商品(錠剤入りパック×10個入)


●「すずみどり」について

ヘキセナール(緑葉の香り成分)を使用した、ビニールハウスや温室内に吊るすだけの高温耐性付与資材。10アール(1,000平米)あたり10~20パックで効果がおよそ1ヶ月持続。

標準小売価格:約¥3,700(税別)10パック入袋



●公益社団法人日本農芸化学会について

個人会員約10,000名、法人会員364企業・団体(2018年11月現在)であり、1924年に設立された学術団体。バイオサイエンス・バイオテクノロジーを中心とする多彩な領域の研究者、技術者、学生、団体等によって構成される国内最大級の学会。



●農芸化学技術賞について

農芸化学技術賞は、農芸化学分野において注目すべき技術的業績をあげた技術・商品に与えられる賞であり、年間2~4件程度が受賞。(1968年より表彰開始)

《過去の受賞例》

1993年:アサヒスーパードライの開発(アサヒビール)、

1998年:トレハロースの製造法(林原)、

2008年:セサミンの機能解明と健康食品の開発(サントリー)、

2014年:機能性ヨーグルトの開発「R-1ヨーグルト」(明治)  等

http://www.jsbba.or.jp/about/awards/about_awards_tech.html



●研究概要

地球温暖化の影響が懸念される中、植物が高温条件下にさらされた時に生成する緑の香り成分(2-ヘキセナールおよび類縁化合物)が、高温耐性に大きく係っていることを神戸大学との共同研究で明らかにしました。


《ポイント》

1. 植物は本来、高温耐性機能を持っている。この機能は普段はスイッチがOFFになっているが、高温時にONになる。高温耐性機能をONにする情報伝達物質を特定することで人為的に植物の高温耐性機能をコントロールできるのではと考えたのが研究の端緒。

2. 高温耐性機能は活性酸素処理によってもスイッチがONになると知られる。そこで活性酸素によって植物内の脂肪酸が酸化されてできる化合物が引き金になっているのではと仮定し、実験により「2-ヘキセナール」がその物質であると突き止めた。

3. 高温耐性を遺伝子組み換えでないやり方で獲得した。遺伝子組み換え作物に対する受容度が低い我が国では受け入れられやすい。

4. 植物由来の物質なので作物への処理に抵抗感が少ない。

5. 協力農家での実証実験でイネ、キュウリ、トマトなどへの効果を確認。

6. 「植物の高温耐性誘導剤および高温耐性誘導方法」(特許番号5608381)で2014年9月に特許取得済み。


地球温暖化に伴い、世界中で毎年のように農作物の減収が報道されており、有効な対応策の開発は現場からも切望されている課題であります。また、欧米で注目を浴びている「バイオスティミュラント」は、高温や乾燥、冷害などの環境ストレス耐性を向上させることにより、作物の生産性を向上させる資材の総称で、肥料、農薬に次ぐ第三の農業資材として期待されており、2-ヘキセナールを有効成分とした商品「すずみどり」は植物の香り成分を利用した世界初のバイオスティミュラントになります。

2-ヘキセナールは0.01~0.001ppm程度の極微量で、50℃近い環境下でも植物がしおれない、枯れないなどの効果を示すことがわかりました。ただし製品化にあたっては2-ヘキセナールが非常に不安定な物質であり、容易に空気中で酸化されて、効果を示さない別の香り成分へと変化してしまうなど、多くの課題がありました。特に、農業現場で使用するためには、極微量の香り成分を長期間にわたり安定的、持続的に与える必要があり、製品化にはこれらの課題も解決する必要がありました。

多くの検討を行った結果、すずみどりは、昇華性の錠剤中に2-ヘキセナールを含有させ、ガスバリア性の高いフィルムで覆うことで、これらの問題点を解決することが可能となりました。設置時は、パックの両サイドのフィルムをカットして圃場に吊下げて使用します。

本技術は2014年より実際の圃場試験を開始し、トマトなどの果菜類、葉菜類、花卉類、水稲などの多くの作物で、収穫量が2割程度増収するなどの効果が確認されています。



●会社概要

社名  : 株式会社ファイトクローム

代表者 : 内田 啓祐

所在地 : 東京都新宿区市谷本村町2-11 外濠スカイビルディング3F

設立  : 2002年1月

事業内容: 農業向け肥料・資材の製造販売

URL   : http://www.phyto.jp/

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