■開催報告■土木の男性育休座談会~どうして「男性育休」取らないの?~

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    2022年5月11日 10:00

    公益社団法人土木学会(会長 谷口 博昭)は2022年4月14日(木)、男性の育休取得に関するトークイベント 「土木の男性育休座談会~どうして「男性育休」取らないの?~」を開催しました。

    このイベントは土木学会若手パワーアップ小委員会(委員長 濱 慶子)が主催し、土木・建設業界で働く男性の育休取得をテーマに、実際に育休を経験した若手男性技術者が集まり、意見交換を行いました。また、ご参加いただいた方からのご質問にお答えしました。以下本イベントの内容をかいつまんでレポートします。

    イベント概要

    イベントには、育休を経験した土木・建設業界で働く若手男性4名(堀口智也さん、髙山武志さん、渡邊竜一さん、青木成太さん)が登壇しました。
    ・各々の育休取得状況
    ・育休を取得する前の手続き
    ・育休中の経験談
    ・育休後の働き方
    ・男性の育休取得がより一般的になるために業界や会社に期待すること
    等を話しました。

    イベント当日の様子
    イベント当日の様子

    座談会内容

    育休取得前の話

    全員:
     取得に際して、職場の周りの反応は好意的だった。
    堀口:
     会社として「男性育休100%プロジェクト」に参加しており、取得へのハードルは低かった。
    青木:
     悪気があるわけではないが、主に上の世代の方に、「ゆっくり休んで」や「育休中何をして過ごすの?」などと聞かれ、まだまだ理解の浸透が足りないところを感じた。

    育休中の話

    渡邊:
     子ども3人目で初めて育休取得し、上の子2人の赤ちゃん返りもあり、妻にしかできない仕事以外は自分がやり、上2人と妻の時間が作れるようにした。本当の意味で育児・家事の大変さを認識できた。
    髙山:
     夜中の授乳が大変なため、昼間は妻に寝てもらって自分が育児等を行う というように担当時間を分けていた。

    育休後の仕事の話

    青木:
     育休を長く取得すると、キャリアの面で同期と差がついてしまう点が心配だったが、上司に相談したところ安心できる回答を貰えた。

    業界や会社に期待すること

    堀口:
     男は育児をサポートする側というイメージを払拭するためにも、各会社が育休取得に関して当事者目線の情報発信をしていくことを期待したい。
    髙山:
     育休が取得しづらい理由として、自分が休むことで迷惑がかかること、同僚に負担がかかることへの懸念が大きいと考える。会社として業務の属人化を見直すこと、育休中も少し仕事ができるような制度ができることを期待したい。
    渡邊:
     会社から、出産を控えている社員に対して、育休取得をするかヒアリングを行うこと、社員が育休取得体験談を聞く機会を設けることで育休を取得しやすい風土が作られることを期待したい。
    青木:
     1日の中で夕方17~19時は仕事を抜けて保育園のお迎え等育児の時間としたり、週の数日を育休にできるといった制度ができることを期待したい。

    参加者からの質問

    ご参加いただいた方からの質問では、以下のような仕事面や会社の取組み等への内容がありました。

    Q育児休業中に会社や同僚などから仕事に対して質問や問い合わせが来たりしましたか?
     ⇒全員問い合わせがあり、対応することがあったそうです。
    Q育児休暇を取得できる対象者(妊娠等の報告があった職員)に、会社から改めて制度を説明する等の取組みやその他より良い取り組みをしている内容がある方(会社)はありますか?」
     ⇒会社から説明があるところもありますが、基本的には自分から制度の内容を調べて活用していくというところが大きいようです。

    参加者アンケートから

    聴講者の方からは、イベント後のアンケートにて、以下のようなご意見がありました。
    以下、聴講者アンケート結果より抜粋して紹介します。

    育休取得の課題について

    育休取得の課題については、業務量や職場の理解に関するご意見が多く見られました。

    ・育休を取ることに対して「ご迷惑をおかけしますが」「取らせていただく」のような表現になっている
    ・現在現場の責任者の立場であり、1,2日の休みは可能であるが、数週間となるとなかなか難しい
    ・問い合わせが来ると、対応せざるを得ないので、実質無給で仕事をする時間が発生する(私の妻がこのような状況でした)

    制度に関する希望について

    上記の課題に対して、制度に関する希望として、柔軟な働き方ができるようになること、完全な休職ではなく週の数日を育休とする等の自由な取得ができるようになること等がありました。また、国や会社から対象者全員が取得しなくてはならない制度(半強制的なもの)にするのがよいといった意見や、制度そのものだけでなく管理職層の理解も必要という意見が多く見られました。

    ・数か月間、完全に休む、のではなく、生後○ヶ月までは月1or週1勤務、その後○才までは週2勤務、とするような、休む/働くを切り分けすぎない制度
    ・柔軟な働き方(フレックス、在宅勤務)を円滑に遂行する管理職のスキルが必要だと思いました
    ・座談会にも話題に上がった男性育休100%のように、対象者全員が取得する制度構築が必要かと思う

    イベントアーカイブ

    本イベントは土木学会の公式YouTubeチャンネル「土木学会 tv」にて公開しています。
    当日聴講できなかった方、興味のある方は、そちらから視聴いただけますと幸いです。
    また本アーカイブを通じて、少しでも男性の育休取得への理解が深まり、取得したい人が取得しやすくなっていけば幸いです。

    若手パワーアップ小委員会の今後の予定について

    土木学会若手パワーアップ小委員会では今後も、若手の立場で知りたいことや、若手が会いたい人をお招きした勉強会を企画・運営して参ります。
    開催の告知は、若手パワーアップ小委員会のSNSやHPで発信していく予定ですので、是非、若手パワーアップ小委員会で検索してみてください。

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