奈良県斑鳩町に「こども自然体験プレパーク」誕生 耕作放棄地を地域の子育て・防災拠点へ再生
〜「遊び場」が、いざという時に命を守る場所へ〜

えがおのミカタ(所在地:奈良県生駒郡斑鳩町目安4丁目5-7、代表:青木麻綾)は、地域の耕作放棄地を再生し、子どもたちが思い切り自然の中で遊べる「畑の居場所」を2026年春に開設予定です。不登校や発達特性を持つ子どもたちの居場所づくりに取り組む当団体は、この新たな空間を通じて子どもの「生きる力」を育む環境整備と、災害時に役立つインフラの構築を目指します。
増加する子どもの「遊び場喪失」と「心身の不調」
近年、「木登りは危ない」「走り回ると迷惑」「ボール遊び禁止」など、子どもの外遊びが制限される状況が全国的に広がっています。公園の遊具撤去も進み、自然の中で体を動かす機会が激減しています。文部科学省の調査によれば、不登校児童生徒数は過去最多を更新し続け、さらにコロナ禍以降、子どもの運動能力低下や心身の不調を訴えるケースも増加しています。
えがおのミカタでは、これまでの活動の中で、子どもたちが自然の中で過ごすだけで表情が明るくなり、心が落ち着いていく姿を幾度となく目にしてきました。「感覚統合」と「自律神経」の両面から、自然遊びは子どもたちの心身の発達に不可欠なものであることが医学的にも証明されています。
「土の感触、木の硬さ、風の強さ、でこぼこ道など、自然にはさまざまな感覚刺激があります。こうした全身を使った経験が、子どもたちの『育ちの土台』を作るのです」と青木代表は説明します。
「畑の居場所」が持つ三つの社会的意義
今回開設する「畑の居場所」プロジェクトには、三つの重要な意義があります。
一つ目は「子どもの発達と心の健康を支える場」としての機能です。自然の中で思い切り体を動かし、五感を使って遊ぶことで、子どもたちは感覚統合能力を高め、自律神経のバランスを整えることができます。不登校や発達特性を持つ子どもたちにとって、これは特に重要な経験となります。
二つ目は「親子の関わりと子育て支援の拠点」としての役割です。核家族化が進み、地域の繋がりが希薄化した現代社会では、子育ての孤立が深刻な問題になっています。「畑の居場所」は親御さんにとっても、安心して子育ての悩みを共有できるコミュニティの場となります。
「かつては『おせっかいなお世話好きな近所のおばさん』が子どもを見守る文化がありました。今、親御さんが気軽に頼れる場所が減っています。この場所が、そんな支え合いの拠点になれば」と青木代表は語ります。
三つ目は「災害時の地域防災拠点」としての機能です。青木代表自身が北海道胆振東部地震で被災した経験から、電気や水道に頼らない生活インフラの重要性を痛感しています。そのため、この場所には井戸を掘り、非常時にも水を確保できる環境を整える計画です。
プロジェクト概要
【実施内容】
・耕作放棄地の再生と整備(約500平米)
・無農薬野菜の栽培と収穫体験の実施
・自然の中での遊びの場「プレパーク」の開設
・災害時も使える井戸の設置
【必要資金】
50万円(整地費2万円、設備費5万円、農具購入費5万円、野菜苗3万円、水道設備/井戸設営30万円、ボランティア保険3万円、その他運搬・雑費2万円)
【スケジュール】
・2026年1月31日まで:クラウドファンディング実施
・2026年2月〜3月:整地・基礎工事
・2026年4月:オープン予定
本プロジェクトは、本プロジェクトは「楓工務店 ならスマイルリレー」の認定を受け、現在クラウドファンディングで資金募集を行っています。2026年1月31日までの期間中、子どもたちの「生きる力」を育む環境づくりにご協力いただけるサポーターを募集しています。
団体概要
・団体名:えがおのミカタ
・代表者:青木麻綾
・所在地:奈良県生駒郡斑鳩町目安4丁目5-7
・活動内容:不登校や発達特性を持つ子どもたちの居場所づくり、「おうちスクールこころほっと」「えがおのミカタこども食堂」の運営
・設立:2021年