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報道関係者各位
プレスリリース

2022.06.23 10:30
京セラ株式会社

 京セラ株式会社のグループ会社である京セラドキュメントソリューションズ株式会社(社長:安藤 博教)は、前身である三田工業※が製造した湿式EF(Electro Fax)複写機「コピスター211」が、一般社団法人日本画像学会が認定する「複写機遺産」として認定されましたのでお知らせいたします。複写機遺産とは、工学的視点から技術の発展史上重要な成果を示し、さらに社会的影響面で貢献した、歴史的に価値のある現存する複写機を後世に伝えるため遺産として認定するものです。「複写機遺産」はこれまで10件が認定されており、当社としては初めての認定となります。

 この度、認定されたコピスター211は、1969年に発売された当社が独自に開発した湿式

EF複写機です。1960年代は各社が独自の技術で複写機市場を開拓しEFの開発に取り組んだ時代でした。しかし、開発に関しては、先行する企業の特許に抵触しない独自の湿式EF技術による開発が必要でした。

 当社は、湿式EF技術の肝となる現像液を開発する中で、揮発性の少ない溶液を用い顔料分散安定性や定着性向上に着目し、独自の技術を開発することで量産化を実現しました。さらにコピスター211の特長は、当時としては圧倒的にコンパクトな設計でありながら、A3サイズまでコピーすることができ、さらにブック

原稿などの立体物を複写できる機能も備え、当社の技術開発の礎を築きました。

 私たちは1934年の創業以来、製品開発に対して常に先端技術を探求・展開してまいりました。現在はデジタル化が進み、オフィスにおける情報量が飛躍的に増大しています。このような環境において、お客様にとって価値のある製品を開発して続ける必要があります。そして、高度な専門性と協調・共感の企業文化を背景に、お客様がさらなる変革に向けて当社のブランドメッセージでもある「知識を仕事に活かす」ためのサポートを提供してまいります。


※ 2000年に京セラミタ株式会社、2012年に現在の京セラドキュメントソリューションズ株式会社に社名を変更


認定物件概要

名称
湿式EFコピスター211(Wet Electro Fax Copystar 211)
認定番号
第10号
製造年
1969年(昭和44年)


コピスター211の技術概要

 複写機開発の黎明期となる1950年代後半から1960年代は、乾式普通紙複写機(plain paper copier、PPC)が台頭しており、各社とも独自の複写方式を模索した時代でした。当社は、独自の湿式現像方式を用いて商品化を目指しました。

 コピスター211は、当時としては圧倒的なコンパクト設計(W380×D480×H365mm)でありながら、A3サイズまで複写することを可能としました。他にも脱着可能な原稿通過装置を用いることで、これを取り外し代わりに付属の補助部材を装着することによりブック原稿など立体物の複写もできるなど、ユニークなマシンでした。

 コピスター211は、酸化亜鉛などの感光剤を塗布した感光紙をコロナ帯電器により一様に帯電させたのち、原稿に照射した光が装置内の折り返しミラーとレンズを経て感光紙上に露光され潜像を形成します。その後荷電粒子(トナー)が分散された現像液を通過することで画像が形成でき、この画像形成プロセス自体は一般的なEF技術でした。コピスター211の独自技術は、この現像液に工夫を施した部分です。当時の一般的な現像液は高電気抵抗性溶液に、カーボンや顔料などの着色物質を分散させたものでした。しかしカーボンやその他顔料には、それぞれ単独で用いるには定着性などの課題がありました。

 これらの課題に対しては、カーボンに樹脂コートを施すなどの工夫により回避できましたが、溶液の長期保存性の面では、時間とともに溶液と顔料と添加剤の均衡が崩れ、帯電の一様性や定着性が損なわれるという課題が残っていました。 そこで当社は、分散剤などの添加剤を一切用いることなく、現像剤に求められる基本性能の一様な帯電性と優れた定着性を確保するとともに、保存性にも優れた現像剤の開発に成功し、独自技術を確立しました。


※ ニュースリリースは報道機関向けの発表文章であり、そこに掲載されている情報は発表日現在のものです。

ご覧になった時点ではその内容が異なっている場合がありますので、あらかじめご了承下さい。


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