プレスリリース
世界の再発悪性神経膠腫の市場規模、疾患概要、疫学予測:2026年調査レポートを発表
株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「世界の再発悪性神経膠腫の市場規模、疾患概要、疫学予測、英文タイトル:Recurrent Malignant Glioma Epidemiology Forecast; Disease Overview; Epidemiology Forecast; Patient Pool Analysis」調査資料を発表しました。本資料には、市場規模、疾患概要、疫学予測、患者数分析(日本、米国、ヨーロッパ、インドなど)、治療上の課題・アンメットニーズなどの情報などが盛り込まれています。
■主な掲載内容
本レポートは、再発悪性神経膠腫(Recurrent Malignant Glioma)の疫学動向について、過去の患者推移と2026~2035年の将来予測を整理した市場調査レポートである。再発悪性神経膠腫は、初回治療後に再び増悪する高悪性度原発性脳腫瘍で、特に膠芽腫(Glioblastoma:GBM)や退形成性星細胞腫などが中心となる。なかでもGBMは最も代表的かつ予後不良な悪性神経膠腫であり、標準治療を行っても多くの患者が短期間で再発する。調査会社は、再発までの短さ、高齢者・男性に偏る疫学、再発後生存期間の短さを重要な疾病負担として挙げ、より有効な治療法、早期介入、個別化治療の必要性を強調している。本調査では2025年を基準年、2019~2025年を過去分析期間、2026~2035年を予測期間とし、米国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、日本、インドの8主要市場を対象に、年齢、性別、病型、診断患者数などを分析している。
再発悪性神経膠腫は、初回治療によって一旦腫瘍量が減少または病勢が制御された後に、局所または多発性に腫瘍が再増大する病態を指す。悪性神経膠腫は周囲脳組織へ浸潤性に広がる性質が強く、画像上あるいは手術上で完全に摘出できたようにみえても、微小な腫瘍細胞が正常脳内に残存している場合が多い。この浸潤性と治療抵抗性が高い再発率の大きな背景となる。
症状としては、頭痛、けいれん発作、片麻痺や失語などの局所神経症状、認知機能低下などが挙げられる。再発部位や腫瘍量によって臨床像は異なり、局所再発だけでなく多発性再発を呈することもある。
資料では、再発後の全生存期間中央値は一般に1年未満とされている。国別セクションでは米国の再発後中央値が約6~12か月とされており、再発後の治療選択肢が限られ、病勢進行が速いことが示される。
疫学的には、GBMの世界発症率は人口10万人あたり約3~4例とされる。ただし、これはGBM全体の新規発症率であり、「再発悪性神経膠腫」の発症率そのものではない。
再発悪性神経膠腫の患者数を把握するには、まずGBMなどの高悪性度神経膠腫の新規患者数を把握し、そのうち何%が初回治療後に再発するかを考える必要がある。今回の資料では「ほぼすべてのGBM患者が再発する」とされており、再発患者プールはGBMの新規患者数と非常に密接に結びついている。
一方、冒頭では多くのGBM患者が治療後7~9か月以内に再発するとされ、米国データでは初回手術、放射線治療、テモゾロミド治療後の初回再発までの中央値が約8~9か月とされる。
したがって、7~9か月と8~9か月はほぼ同じ臨床像を示しており、初回治療後1年以内に再発する患者が非常に多いことが本疾患の特徴である。
ただし、「7~9か月で再発する」というのは全患者がその期間内に再発するという意味ではなく、再発までの中央値または典型的な期間として理解する必要がある。
また、「ほぼすべてのGBM患者が再発する」と「初回再発まで中央値8~9か月」という情報を組み合わせると、GBMは初回治療で完全治癒を得ることが難しく、多くの患者が比較的短期間で再発治療へ移行する病態であることが分かる。
年齢では、GBMの診断年齢中央値は60歳代半ばとされる。発症率は加齢とともに上昇し、75~84歳でピークを迎えるとされている。
したがって、再発悪性神経膠腫も基本的には高齢者に大きな疾病負担をもたらす。
ただし、再発時の年齢は初回診断時より当然数か月から数年高くなるため、再発患者プールはさらに高齢側へ偏る可能性がある。
高齢患者では、全身状態、認知機能、併存疾患、再手術や再照射への耐容性などが治療選択に大きく影響する。そのため、高齢化は患者数増加だけでなく、治療の複雑化にもつながる。
性別では、GBMは男性に多く、男性対女性比は約1.5~1.6対1とされる。
この男性優位は世界および米国で共通して報告されている。
ただし、これはGBM全体の発症率における性差であり、「男性は再発しやすい」ということを直接意味するわけではない。GBM自体が男性に多いため、結果として再発患者数も男性で多くなる可能性が高いという構造である。
また、今回の資料には再発率そのものの男女別数値は示されていないため、再発後の予後や治療反応にどの程度性差があるかは判断できない。
米国ではGBMが成人の最も一般的な悪性脳腫瘍とされ、全原発性頭蓋内腫瘍の約12~15%、全神経膠腫の約45~55%を占める。
ここでの12~15%は「すべての原発性頭蓋内腫瘍に占めるGBMの割合」、45~55%は「すべての神経膠腫に占めるGBMの割合」であり、分母が異なる。
したがって、この二つの割合は矛盾しているわけではなく、対象集団の違いを示している。
米国では標準的な初回治療として手術、放射線療法、テモゾロミドが行われた後でも、初回再発までの中央値は約8~9か月とされる。
再発後全生存期間は約6~12か月であり、再発後に長期生存できる患者は限られる。
ただし、この6~12か月という範囲は患者集団、再発時年齢、腫瘍分子特性、再手術可能性、治療内容などによって大きく変わる可能性がある。
フランスではGBM発症率が年間人口10万人あたり約5例とされ、欧州で比較的高い値の一つとされている。
これは世界推定3~4/10万人より高い。
ただし、フランス5/10万人と世界3~4/10万人をそのまま比較して「フランスではGBMリスクが明確に高い」と断定するのは慎重である。症例登録、診断基準、年齢構成、観察期間などが異なる可能性があるためである。
さらに、フランス5/10万人も再発悪性神経膠腫の発症率ではなく、GBM全体の発症率である。
ドイツ、イタリア、スペイン、英国、日本、インドについては、今回の抜粋では具体的な再発悪性神経膠腫またはGBM発症率は示されていない。
したがって、8主要市場を対象とするレポートではあるものの、この資料だけで国別患者数や再発率を厳密に比較することはできない。
再発悪性神経膠腫の疫学を理解するうえで重要なのは、「GBMの新規発症」「GBMの再発」「再発悪性神経膠腫全体」を区別することである。
今回提示される3~4/10万人、5/10万人、全頭蓋内腫瘍の12~15%、全神経膠腫の45~55%などはすべてGBM全体に関する指標であり、再発患者数そのものではない。
一方、GBMのほぼ全例が最終的に再発するとされるため、GBMの基礎疫学が再発市場の規模を決める主要な母集団となる。
また、「recurrent malignant glioma」はGBMだけに限定されず、退形成性星細胞腫など他の高悪性度神経膠腫の再発も含む。したがって、GBM疫学だけで市場対象患者を完全に把握することもできない。
治療の中心目標は、再発後の生存期間を延長しながら、神経機能とQOLを可能な限り維持することである。
再発局所が切除可能で、患者の全身状態が良好であれば、再手術が検討される。
ただし、脳内の重要機能部位へ浸潤している場合や多発再発の場合、再手術が困難なことも多い。
また、再手術が可能でも、それだけで長期的な病勢制御が得られるとは限らず、患者選択が重要となる。
再照射も治療選択肢の一つである。
初回治療ですでに放射線を受けていることが多いため、正常脳への累積線量を考慮しながら慎重に適応を判断する必要がある。
全身薬物療法としては、テモゾロミド、ベバシズマブ、分子標的薬などが挙げられている。
ただし、再発時にテモゾロミドを再使用するかどうかは、前治療歴や再発までの期間、腫瘍の分子特性などによって変わる。
ベバシズマブはVEGFを標的とし、腫瘍血管透過性や浮腫を抑えることで症状や画像所見の改善に寄与する場合がある。
分子標的治療については、患者ごとの腫瘍遺伝子異常に応じた個別化治療として位置づけられているが、今回の資料では具体的な標的や薬剤は示されていない。
臨床試験は再発悪性神経膠腫で特に重要な位置を占める。
標準治療で得られる再発後生存期間が6~12か月程度と限られるため、免疫療法、遺伝子治療、新規低分子薬などの開発治療へアクセスする機会として臨床試験が重要になる。
ただし、今回の資料ではこれら新規治療の具体的奏効率や承認状況までは示されておらず、現時点では「新興治療機会」として説明されている。
治療選択では、腫瘍の遺伝学的特徴と患者のPerformance Statusが重要である。
同じ「再発GBM」であっても、再発部位、腫瘍量、初回治療への反応、再発までの期間、分子プロファイル、年齢、神経機能が異なるため、一律の治療法では十分対応できない。
そのため、個別化治療計画が重要となる。
支持療法も大きな位置を占める。患者はけいれん発作、頭痛、神経脱落症状、認知機能障害などを伴うことがあり、それぞれに対する症状管理が必要である。
腫瘍周囲浮腫の管理などでステロイドが使用される場合、その長期使用による合併症も管理対象となる。
したがって、再発悪性神経膠腫の治療は、腫瘍そのものへの治療だけでなく、神経症状、けいれん、薬剤副作用、生活機能を含めた多職種管理が必要となる。
脳神経外科、腫瘍内科、放射線腫瘍科、神経科、支持・緩和ケアなどが連携することが重要である。
市場の観点では、再発悪性神経膠腫は患者数が多い疾患ではないものの、再発率が極めて高く、短期間に複数の治療を要する高アンメットニーズ領域である。
GBM患者のほぼ全例が再発するのであれば、新規GBM症例が継続して発生する限り、再発患者プールも継続的に形成される。
一方、再発後生存期間が短いため、慢性疾患のように患者が長期間蓄積しにくいという特徴もある。
したがって、再発悪性神経膠腫の有病患者数は「新たに再発する患者数」と「再発後に生存する期間」の両方によって決まる。
もし新規治療によって再発後生存期間が延長すれば、発症率が変わらなくても、ある時点で治療中の再発患者数は増加する可能性がある。
2026~2035年の患者プールを押し上げる第一の要因は、高齢化である。GBM発症率は加齢とともに上昇し、75~84歳にピークを持つため、高齢人口増加は基礎患者数を増やす可能性がある。
第二に、診断画像や分子診断の精度向上により、従来より正確に悪性神経膠腫が分類され、再発も早期に検出される可能性がある。
第三に、治療改善による生存期間延長がある。初回治療後の生存が延びれば、再発治療へ到達する患者が増える可能性がある。
第四に、再発後治療が改善して生存期間が延びれば、再発患者の有病プール自体が拡大する可能性がある。
一方で、初回治療が大幅に改善して再発までの期間を延長できれば、短期的な年間再発患者数は抑えられる可能性もある。
したがって、2026~2035年の市場規模は、GBM新規発症率だけでなく、初回治療後の再発率、再発までの期間、再発後生存期間、新規治療の利用状況によって左右される。
全体として本レポートは、再発悪性神経膠腫を「初回治療後に再増悪する浸潤性・治療抵抗性の高悪性度原発性脳腫瘍で、特にGBMが中心となり、多くの患者が治療後1年以内に再発し、再発後生存期間も通常1年未満にとどまる極めて予後不良な疾患」と位置づけている。
GBM全体の世界発症率は約3~4/10万人で、診断年齢中央値は60歳代半ば、75~84歳で発症率がピークとなる。男性対女性比は約1.5~1.6対1で男性に多い。
ただし、これらはGBM全体の基礎疫学であり、再発悪性神経膠腫そのものの有病率・発症率ではない。この区別は本レポートを解釈するうえで非常に重要である。
米国ではGBMが全原発性頭蓋内腫瘍の12~15%、全神経膠腫の45~55%を占め、標準治療後の初回再発までの中央値は8~9か月、再発後全生存期間は6~12か月とされる。フランスではGBM発症率が約5/10万人・年とされるが、これも再発患者に限定した値ではない。
治療では、患者選択に応じて再手術、再照射、テモゾロミド、ベバシズマブ、分子標的治療などを用い、免疫療法、遺伝子治療、新規低分子薬などを評価する臨床試験も重要となる。また、けいれん、神経症状、認知機能低下、ステロイド関連合併症などへの支持療法を組み合わせる必要がある。
2026~2035年の疫学・市場動向を考えるうえでは、高齢化によるGBM患者増加、再発の早期検出、治療による生存期間延長などが再発患者プールを押し上げる可能性がある。一方、初回治療の改善によって再発時期を遅らせることができれば、患者の生活期間や治療経過自体が変化する可能性がある。
したがって、今後の再発悪性神経膠腫管理における中心的課題は、再発を単に「標準治療が失敗した段階」として捉えるのではなく、再発部位、切除可能性、分子プロファイル、再発までの期間、患者の神経機能と全身状態を詳細に評価し、再手術、再照射、薬物療法、臨床試験、支持療法を組み合わせて個別化することである。2026~2035年は、再発後6~12か月程度という厳しい予後をどこまで延長できるか、そして単なる生存延長だけでなく神経機能とQOLをどこまで維持できるかが、臨床・研究開発・市場の最大のテーマになるとまとめられる。
※目次構成
01
序文
1.1 はじめに
1.2 調査目的
1.3 調査方法および前提条件
02
エグゼクティブサマリー
03
再発性悪性神経膠腫市場概要(8主要市場)
3.1 再発性悪性神経膠腫市場の過去市場規模(2019年~2025年)
3.2 再発性悪性神経膠腫市場の予測市場規模(2026年~2035年)
04
再発性悪性神経膠腫疫学概要(8主要市場)
4.1 再発性悪性神経膠腫疫学状況(2019年~2025年)
4.2 再発性悪性神経膠腫疫学予測(2026年~2035年)
05
疾患概要
5.1 症状および徴候
5.2 原因
5.3 リスク要因
5.4 ガイドラインおよび病期分類
5.5 病態生理
5.6 スクリーニングおよび診断
5.7 再発性悪性神経膠腫の種類
06
患者プロファイル
6.1 患者プロファイル概要
6.2 患者心理および感情面への影響要因
07
疫学状況および予測(8主要市場:2019年~2035年)
7.1 主要調査結果
7.2 前提条件および根拠
7.3 再発性悪性神経膠腫の診断済み有病患者数
7.4 種類別の再発性悪性神経膠腫患者数
7.5 性別別の再発性悪性神経膠腫患者数
7.6 年齢別の再発性悪性神経膠腫患者数
08
疫学状況および予測:米国(2019年~2035年)
8.1 米国における前提条件および根拠
8.2 米国における再発性悪性神経膠腫の診断済み有病患者数
8.3 米国における種類別の再発性悪性神経膠腫患者数
8.4 米国における性別別の再発性悪性神経膠腫患者数
8.5 米国における年齢別の再発性悪性神経膠腫患者数
09
疫学状況および予測:英国(2019年~2035年)
9.1 英国における前提条件および根拠
9.2 英国における再発性悪性神経膠腫の診断済み有病患者数
9.3 英国における種類別の再発性悪性神経膠腫患者数
9.4 英国における性別別の再発性悪性神経膠腫患者数
9.5 英国における年齢別の再発性悪性神経膠腫患者数
10
疫学状況および予測:ドイツ(2019年~2035年)
10.1 ドイツにおける前提条件および根拠
10.2 ドイツにおける再発性悪性神経膠腫の診断済み有病患者数
10.3 ドイツにおける種類別の再発性悪性神経膠腫患者数
10.4 ドイツにおける性別別の再発性悪性神経膠腫患者数
10.5 ドイツにおける年齢別の再発性悪性神経膠腫患者数
11
疫学状況および予測:フランス(2019年~2035年)
11.1 フランスにおける前提条件および根拠
11.2 フランスにおける再発性悪性神経膠腫の診断済み有病患者数
11.3 フランスにおける種類別の再発性悪性神経膠腫患者数
11.4 フランスにおける性別別の再発性悪性神経膠腫患者数
11.5 フランスにおける年齢別の再発性悪性神経膠腫患者数
12
疫学状況および予測:イタリア(2019年~2035年)
12.1 イタリアにおける前提条件および根拠
12.2 イタリアにおける再発性悪性神経膠腫の診断済み有病患者数
12.3 イタリアにおける種類別の再発性悪性神経膠腫患者数
12.4 イタリアにおける性別別の再発性悪性神経膠腫患者数
12.5 イタリアにおける年齢別の再発性悪性神経膠腫患者数
13
疫学状況および予測:スペイン(2019年~2035年)
13.1 スペインにおける前提条件および根拠
13.2 スペインにおける再発性悪性神経膠腫の診断済み有病患者数
13.3 スペインにおける種類別の再発性悪性神経膠腫患者数
13.4 スペインにおける性別別の再発性悪性神経膠腫患者数
13.5 スペインにおける年齢別の再発性悪性神経膠腫患者数
14
疫学状況および予測:日本(2019年~2035年)
14.1 日本における前提条件および根拠
14.2 日本における再発性悪性神経膠腫の診断済み有病患者数
14.3 日本における種類別の再発性悪性神経膠腫患者数
14.4 日本における性別別の再発性悪性神経膠腫患者数
14.5 日本における年齢別の再発性悪性神経膠腫患者数
15
疫学状況および予測:インド(2019年~2035年)
15.1 インドにおける前提条件および根拠
15.2 インドにおける再発性悪性神経膠腫の診断済み有病患者数
15.3 インドにおける種類別の再発性悪性神経膠腫患者数
15.4 インドにおける性別別の再発性悪性神経膠腫患者数
15.5 インドにおける年齢別の再発性悪性神経膠腫患者数
16
患者経路
17
治療課題および未充足ニーズ
18
キーオピニオンリーダー(KOL)による洞察
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