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    プレスリリース
    2026年9月2日 15:00
    株式会社マーケットリサーチセンター

    世界の侵襲性真菌感染症の市場規模、疾患概要、疫学予測:2026年調査レポートを発表

    株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「世界の侵襲性真菌感染症の市場規模、疾患概要、疫学予測、英文タイトル:Invasive Fungal Infections Market Size; Disease Overview; Epidemiology Forecast; Patient Pool Analysis」調査資料を発表しました。本資料には、市場規模、疾患概要、疫学予測、患者数分析(日本、米国、ヨーロッパ、インドなど)、治療上の課題・アンメットニーズなどの情報などが盛り込まれています。

    ■主な掲載内容

    本レポートは、侵襲性真菌感染症(Invasive Fungal Infections:IFI)の疫学動向について、過去の患者推移と将来予測を整理した市場調査レポートである。侵襲性真菌感染症は、病原性真菌が血流、深部組織、臓器などへ侵入することで発症する重篤かつ生命を脅かす感染症群であり、特に免疫機能が低下した患者で問題となる。International Society for Infectious Diseasesによると、世界では年間約650万例が発生し、約380万人が死亡、そのうち約250万人は真菌感染そのものが直接の死因とされる。調査会社は、診断の難しさ、免疫抑制患者や重症患者の増加、高リスク集団の拡大などを背景に、世界的な疾患負担は今後も増加するとみている。本調査では2025年を基準年、2019~2025年を過去分析期間、2026~2035年を予測期間とし、米国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、日本、インドの8主要市場を対象に、有病率、発症率、年齢、性別、病型、診断患者数などを分析している。

    侵襲性真菌感染症は、真菌の胞子を吸入する、消化管から侵入する、あるいは皮膚や粘膜のバリア破綻部位から体内へ入り込むことで発症し、局所感染にとどまらず血行性に全身へ播種する可能性がある。主要な原因真菌にはCandida、Aspergillus、Cryptococcus、Mucoralesなどがあり、代表的な病型として侵襲性カンジダ症、侵襲性アスペルギルス症、クリプトコッカス症、ムーコル症が挙げられる。これらは特に、がん患者、造血幹細胞・臓器移植患者、長期免疫抑制療法を受けている患者、重症感染症や集中治療を必要とする患者などで発症リスクが高い。

    疾患負担は非常に大きく、単なる「まれな感染症」ではなく、特定の臨床集団では比較的高頻度にみられる。Mauricio Trellesらの2025年のメタ解析では、34研究、計655,169人の重症患者を対象としたところ、侵襲性真菌感染症の統合有病率は5%で、95%信頼区間は3~7%であった。さらに、所得水準別では高所得国で約3%である一方、下位中所得国では21%に達しており、医療アクセス、診断体制、感染管理、基礎疾患構成などによって地域格差が非常に大きいことが示されている。

    年齢別では、中年から高齢者に多い傾向がある。Mauricio Trellesらの報告では、患者の平均年齢は45.4~67.5歳の範囲にあり、中央値が75.1歳に達する集団もみられた。これは、加齢に伴う免疫機能低下に加え、がん、糖尿病、慢性臓器疾患などの併存疾患が高齢者ほど増えること、集中治療や免疫抑制治療を受ける機会が多くなることが影響している可能性がある。したがって、高齢化が進む国ではIFIのリスク人口が増える可能性が高い。

    性別では、Kamala S. Deviらの2024年の報告で、女性53.68%、男性46.32%と、女性がわずかに多かった。特にCandida感染では、エストロゲンなどのホルモン要因が真菌の免疫回避に影響する可能性が指摘されている。ただし、提示されたデータからは、すべての侵襲性真菌感染症で一貫して強い女性優位があるとまでは言えず、原因真菌や基礎疾患によって性差は変わると考えられる。

    COVID-19重症患者では侵襲性真菌感染症の発症リスクが特に高いことが報告されている。Nosheen Nasirらの2025年の報告では、重症COVID-19患者におけるIFI発症率は5~26.7%とされ、免疫抑制、悪性腫瘍、その他の重篤な基礎疾患を持つ患者で特にリスクが高かった。重症ウイルス感染そのものによる免疫機能の破綻に加え、ステロイドや免疫調節薬の使用、長期集中治療、人工呼吸管理などが複合的に真菌感染リスクを高める可能性がある。

    Essamedin M. Negmらの2023年の報告では、重症COVID-19患者における真菌重複感染の発生率は32.8%に達した。原因菌別ではCandida属が24.1%と最も多く、次いでAspergillusが4.3%、ムーコル症が1.97%であった。こうした感染の増加には、コントロール不良の糖尿病、ステロイド使用、複数の併存疾患などが主要なリスク因子として関与していた。特にムーコル症は糖尿病やステロイド投与との関連が強く、COVID-19流行期に一部地域で大きな問題となった。

    原因真菌別では、侵襲性カンジダ症は血流感染や深部臓器感染として発症し、重症入院患者や中心静脈カテーテルを留置している患者、広域抗菌薬を長期間使用している患者などで問題となる。侵襲性アスペルギルス症は、主として肺から侵入し、好中球減少患者、造血器悪性腫瘍患者、移植患者などで重症化しやすい。クリプトコッカス症は免疫抑制患者を中心に中枢神経系感染を起こすことがあり、ムーコル症は急速に組織へ浸潤するため、特に早期診断と外科的介入が重要となる。

    国別では、インドの疾患負担が極めて大きい。Animesh Rayらの2022年の報告によると、インドでは約5,725万人、人口の4.1%が重篤な真菌疾患の影響を受けていると推定される。年間発症数としては、侵襲性アスペルギルス症が約250,900例、カンジダ血症が約188,000例、ムーコル症が約195,000例、ニューモシスチス肺炎が約58,400例と推定され、世界的にも非常に大きな患者負担を抱えていることが示されている。

    インドでIFI負担が大きい背景には、人口規模そのものに加え、糖尿病患者数の多さ、感染症負担、医療アクセス格差、ステロイド使用、重症患者数、診断能力の地域差などが影響している可能性がある。特にムーコル症の年間発症数が大きい点は特徴的であり、高リスク患者に対する血糖管理、ステロイド適正使用、早期診断体制の整備が重要になる。

    一方、日本については、提示された国別データとして爪白癬の有病率が人口の約5~10%とされている。これは侵襲性真菌感染症そのものではなく表在性真菌症に関するデータであるため、IFIの国別負担を直接示す指標としては扱いに注意が必要である。ただし、日本でも真菌疾患全般が一定の患者負担を持つことを示す参考情報として掲載されていると考えられる。したがって、本資料から日本の侵襲性真菌感染症の正確な年間発症数を推定することはできない。

    この点は、本レポート全体を読む際に重要である。国別セクションには侵襲性真菌感染症そのものではなく、より広い「真菌疾患」のデータが一部含まれているため、各国間の数値を単純比較することは適切ではない。特に表在性真菌症と侵襲性真菌症では患者像、重症度、死亡リスク、治療法が大きく異なる。そのため、IFI市場の評価では、侵襲性カンジダ症、侵襲性アスペルギルス症、ムーコル症など、個別病型ごとの疫学を分けて捉える必要がある。

    市場・疫学上の大きな課題は、診断の難しさである。侵襲性真菌感染症は、初期症状が発熱、呼吸器症状、全身倦怠感など非特異的であり、細菌感染症と区別しにくいことが多い。また、培養検査では陰性となる場合があり、感染臓器から検体を採取すること自体が困難な患者も多い。その結果、診断が遅れ、治療開始が遅延することで死亡率が上昇する可能性がある。したがって、血清学的検査、分子診断、画像診断などを組み合わせた迅速診断体制が重要となる。

    治療の基本は、原因真菌と感染部位に応じた抗真菌薬を可能な限り早く開始することである。主要な抗真菌薬クラスには、アゾール系、エキノキャンディン系、ポリエン系がある。アゾール系ではボリコナゾールやフルコナゾール、エキノキャンディン系ではカスポファンギン、ポリエン系ではアムホテリシンBなどが代表的に使用される。どの薬剤を選択するかは、原因真菌、感染部位、患者の免疫状態、臓器機能、地域の薬剤感受性などによって異なる。

    侵襲性カンジダ症ではエキノキャンディン系などが重要な治療選択肢となり、侵襲性アスペルギルス症ではボリコナゾールなどのアゾール系が使用される。ムーコル症ではアムホテリシンB系薬剤が中心となることが多く、病原体ごとに有効な抗真菌薬が異なるため、できるだけ早く原因真菌を推定・同定する必要がある。重症例では複数の抗真菌薬を組み合わせる併用療法が検討される場合もある。

    薬物療法だけでなく、患者の免疫状態を改善することも重要である。可能であれば免疫抑制薬の減量、好中球減少の改善、血糖コントロールの是正など、感染を悪化させている背景因子を修正する必要がある。ただし、移植患者や自己免疫疾患患者などでは免疫抑制を単純に中止できないことも多いため、感染制御と基礎疾患管理のバランスが重要となる。

    ムーコル症など局所組織への侵襲性が強い感染症では、抗真菌薬だけでなく外科的デブリードマンが重要となる。感染・壊死した組織を早期に切除することで、真菌のさらなる進展を抑えることを目指す。したがって、耳鼻咽喉科、外科、感染症科、集中治療科など複数診療科による集学的治療が必要になる場合がある。

    治療薬の血中濃度モニタリングも重要である。特に一部のアゾール系薬では、患者によって薬物動態が大きく異なるため、治療濃度を確保しつつ毒性を避けるためにTherapeutic Drug Monitoringが必要となる場合がある。腎機能や肝機能が低下している重症患者では、抗真菌薬そのものの副作用管理も重要となる。

    全体として本レポートは、侵襲性真菌感染症を「免疫抑制患者や重症患者を中心に発症し、診断の難しさと高い死亡率によって世界的に大きな疾患負担をもたらす重症感染症群」と位置づけている。世界では年間約650万例、約380万人の死亡が関連するとされ、そのうち約250万人が直接的に真菌感染によって死亡すると推定される。重症患者における統合有病率は約5%だが、下位中所得国では21%に達するなど、地域差も極めて大きい。

    2026~2035年の疫学・市場動向を考えるうえでは、がん治療や移植医療の拡大、免疫抑制薬使用患者の増加、高齢化、糖尿病患者の増加、集中治療患者数などがIFIリスク人口を拡大させる可能性がある。一方、迅速診断法の普及、感染管理の改善、抗真菌薬の適正使用によって死亡率を下げる余地も大きい。

    したがって、今後の侵襲性真菌感染症対策の中心的課題は、ハイリスク患者を早期に特定すること、迅速かつ高感度な診断法を普及させること、原因真菌に応じて適切な抗真菌薬を早期投与すること、抗真菌薬耐性や薬剤濃度を適切に管理すること、さらに可能な範囲で免疫抑制や糖尿病などの背景因子を是正することにある。患者数の増加そのものに加え、診断遅延と高死亡率という大きなアンメットニーズが残っていることから、2026~2035年は診断・治療双方の改善が市場と臨床の主要な成長領域になるとまとめられる。

    ※目次構成

    01
    序文
    1.1 はじめに
    1.2 調査目的
    1.3 調査方法および前提条件

    02
    エグゼクティブサマリー

    03
    侵襲性真菌感染症市場概要(8主要市場)
    3.1 侵襲性真菌感染症市場の過去市場規模(2019年~2025年)
    3.2 侵襲性真菌感染症市場の予測市場規模(2026年~2035年)

    04
    侵襲性真菌感染症疫学概要(8主要市場)
    4.1 侵襲性真菌感染症疫学状況(2019年~2025年)
    4.2 侵襲性真菌感染症疫学予測(2026年~2035年)

    05
    疾患概要
    5.1 症状および徴候
    5.2 原因
    5.3 リスク要因
    5.4 ガイドラインおよび病期分類
    5.5 病態生理
    5.6 スクリーニングおよび診断
    5.7 侵襲性真菌感染症の種類

    06
    患者プロファイル
    6.1 患者プロファイル概要
    6.2 患者心理および感情面への影響要因

    07
    疫学状況および予測(8主要市場:2019年~2035年)
    7.1 主要調査結果
    7.2 前提条件および根拠
    7.3 侵襲性真菌感染症の診断済み有病患者数
    7.4 種類別の侵襲性真菌感染症患者数
    7.5 性別別の侵襲性真菌感染症患者数
    7.6 年齢別の侵襲性真菌感染症患者数

    08
    疫学状況および予測:米国(2019年~2035年)
    8.1 米国における前提条件および根拠
    8.2 米国における侵襲性真菌感染症の診断済み有病患者数
    8.3 米国における種類別の侵襲性真菌感染症患者数
    8.4 米国における性別別の侵襲性真菌感染症患者数
    8.5 米国における年齢別の侵襲性真菌感染症患者数

    09
    疫学状況および予測:英国(2019年~2035年)
    9.1 英国における前提条件および根拠
    9.2 英国における侵襲性真菌感染症の診断済み有病患者数
    9.3 英国における種類別の侵襲性真菌感染症患者数
    9.4 英国における性別別の侵襲性真菌感染症患者数
    9.5 英国における年齢別の侵襲性真菌感染症患者数

    10
    疫学状況および予測:ドイツ(2019年~2035年)
    10.1 ドイツにおける前提条件および根拠
    10.2 ドイツにおける侵襲性真菌感染症の診断済み有病患者数
    10.3 ドイツにおける種類別の侵襲性真菌感染症患者数
    10.4 ドイツにおける性別別の侵襲性真菌感染症患者数
    10.5 ドイツにおける年齢別の侵襲性真菌感染症患者数

    11
    疫学状況および予測:フランス(2019年~2035年)
    11.1 フランスにおける前提条件および根拠
    11.2 フランスにおける侵襲性真菌感染症の診断済み有病患者数
    11.3 フランスにおける種類別の侵襲性真菌感染症患者数
    11.4 フランスにおける性別別の侵襲性真菌感染症患者数
    11.5 フランスにおける年齢別の侵襲性真菌感染症患者数

    12
    疫学状況および予測:イタリア(2019年~2035年)
    12.1 イタリアにおける前提条件および根拠
    12.2 イタリアにおける侵襲性真菌感染症の診断済み有病患者数
    12.3 イタリアにおける種類別の侵襲性真菌感染症患者数
    12.4 イタリアにおける性別別の侵襲性真菌感染症患者数
    12.5 イタリアにおける年齢別の侵襲性真菌感染症患者数

    13
    疫学状況および予測:スペイン(2019年~2035年)
    13.1 スペインにおける前提条件および根拠
    13.2 スペインにおける侵襲性真菌感染症の診断済み有病患者数
    13.3 スペインにおける種類別の侵襲性真菌感染症患者数
    13.4 スペインにおける性別別の侵襲性真菌感染症患者数
    13.5 スペインにおける年齢別の侵襲性真菌感染症患者数

    14
    疫学状況および予測:日本(2019年~2035年)
    14.1 日本における前提条件および根拠
    14.2 日本における侵襲性真菌感染症の診断済み有病患者数
    14.3 日本における種類別の侵襲性真菌感染症患者数
    14.4 日本における性別別の侵襲性真菌感染症患者数
    14.5 日本における年齢別の侵襲性真菌感染症患者数

    15
    疫学状況および予測:インド(2019年~2035年)
    15.1 インドにおける前提条件および根拠
    15.2 インドにおける侵襲性真菌感染症の診断済み有病患者数
    15.3 インドにおける種類別の侵襲性真菌感染症患者数
    15.4 インドにおける性別別の侵襲性真菌感染症患者数
    15.5 インドにおける年齢別の侵襲性真菌感染症患者数

    16
    患者経路

    17
    治療課題および未充足ニーズ

    18
    キーオピニオンリーダー(KOL)による洞察

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