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    プレスリリース
    2026年5月1日 09:30
    TEN59

    ホクレア (Hōkūleʻa)1976年初航海 出航50周年を祝う

    〜伝統航海が築いた文化的再生の軌跡〜

    ポリネシア航海協会
    ポリネシア航海協会

    (ハワイ州、ホノルル) 2026年5月1日、ハワイ伝統航海カヌー「ホクレア(Hōkūleʻa)」は、1976年にマウイ島ホノルア湾を出航し、伝統航法のみでハワイからタヒチへと渡った初の外洋航海から、50周年という節目を迎えます。

    Courtesy: Frank Wandell
    Courtesy: Frank Wandell

    この歴史的航海は、約600年ぶりに古代航路「ケアライカヒキ(Kealaikahiki=“タヒチへの道”)」を、星や風、波、雲など自然の兆しを読み解く伝統航法(ウェイファインディング)によってたどったものです。本航海は、ポリネシアの人々が高度な航海技術を用いて意図的に太平洋を渡り定住したことを実証し、従来の「漂流説」を覆す歴史的転換点となりました。

    歴史を変えた航海

    ホクレアのタヒチ初航海は、歴史を大きく塗り替える試みでした。1976年5月1日、ミクロネシア・サタワル島出身のマスターナビゲーター、マウ・ピアイルグの導きのもと、星、風、波、雲、そして海そのものを読み解く伝統航法のみで出航。31日間の航海を経て、1976年6月1日にフランス領ポリネシア・トゥアモトゥ諸島マタイヴァに到達し、同年6月4日にはタヒチ・パペーテ港に入港しました。港には17,000人以上が集まり、到着を歓迎しました。その後、1976年7月にタヒチを出発しハワイへ帰還。オアフ島マジック・アイランドには数千人が出迎え、往復で計52日間にわたる航海を成し遂げました。

    航海の意義

    この航海の目的は極めて大胆かつ革新的なものでした。すなわち、ポリネシアの祖先が高度な航海技術とナビゲーション能力を有し、広大な太平洋を意図的に航海し定住したことを証明することにあり、長年支持されてきた「偶発的漂流説」に対して明確な異議を唱えるものでした。

    この節目が持つ意味

    1976年のホクレア航海は、単なる航海成功にとどまらず、文化的覚醒をもたらしました。当時、ハワイ語や伝統、アイデンティティが失われつつあった中、古代航路ケアライカヒキをたどる航海は、先住民の知識体系の卓越性を再認識させる契機となりました。この航海はハワイアン・ルネサンスの礎となり、文化的誇りの再生、言語や伝統の復興、そしてネイティブ・ハワイアンおよび太平洋の人々の尊厳と主体性の回復に大きく寄与しました。

    ホクレアの航海は、過去の偉業であると同時に、未来へのメッセージでもあります。自然と共生しながら航海するその姿は、持続可能な社会のあり方や、人と地球との関係を問い直す重要な示唆を与え続けています。

    ポリネシア航海協会(PVS)は、この1976年の初航海を振り返り、写真、映像、新聞記事、そして当時の関係者による証言などを、公式SNS(InstagramおよびFacebook:@hokuleacrew)を通じて順次公開しています。

    【1976年 航海スケジュール】

    • 1976年5月1日 — ハワイ・マウイ島ホノルア湾を出航
    • 1976年6月1日 — フランス領ポリネシア・マタイヴァに到達
    • 1976年6月4日 — タヒチ・パペーテ港に到着
    • 1976年7月4日 — タヒチを出発(ハワイへの帰路)
    • 1976年7月26日 — オアフ島マジック・アイランドに到着

    【1976年 乗組員】

    ハワイ→タヒチ航海
    マウ・ピアイルグ(伝統航海師)、クリフォード・アー・モウ、ショーティー・バートルマン、ベン・フィニー、トミー・ホームズ、サム・カララウ、ブギー・カラマ、カヴィカ・カパフレフア、バッファロー・ケアウラナ、ジョン・クルーズ、デューキー・クアフル、デイビッド・ルイス、デイブ・ライマン、ビリー・リチャーズ、ロド・ウィリアムズ
    同乗:ニコラス・デヴォア三世- ナショナルジオグラフィック・カメラマン、ノリス・ブロックーKQED:ピッツバーグTV局PBS関連

    タヒチ→ハワイ航海
    スネーク・アー・ヒー、アンディ・エスピリト、カヴィカ・カパフレフア、メル・キニー、カイノア・リー、キモ・ライマン、ゴードン・ピイアナイア、レナード・ププタウイキ、ペニー・ローリンズ、ケアニ・レイナー、ナイノア・トンプソン、マカアラ・イエーツ、ベン・ヤング博士

    動画・写真素材リンク:※動画提供者名のクレジット表記にご協力ください。

    Video of Hōkūleʻa 1976 Voyage from Hawaiʻi to Tahiti
    映像提供:Billy Richards

    Photos of 1976 Voyage from Hawaiʻi to Tahiti
    写真提供:Frank Wandell /ポリネシア航海協会

    日本語資料・参考リンク

    • ホクレア公式ウェブサイト(ハワイ州観光局サイト内): https://www.allhawaii.jp/hokulea/ 
    "Way of the Navigator" 動画(日本語字幕): https://www.youtube.com/watch?v=sueOe8uJIag

    ポリネシア航海協会
    ポリネシア航海協会

    ポリネシア航海協会について

    1973年にハワイで設立されたPVSは、伝統的なポリネシア航海術の保存と継承を目的とする非営利団体です。コンパスなどの計器を一切使わず、星や太陽の動き、波や風の変化などによるナビゲーションをもとに海を渡る伝統航海術を用いて、航海カヌーにより1976年にハワイ- タヒチ間の航海に成功し、ハワイアンの先祖たちがポリネシアから偶然ハワイに漂流したという説を覆し、彼らが航路を理解し意図的にハワイにたどり着いたことを証明しました。その後、これまで50年近くに渡り世界中の海を航海し続けています。ホクレアとヒキアナリアを通じて太平洋のコミュニティを結び、環境保護や文化的誇り、そして「地球という一つの島の乗組員である」という意識を世界に広めています。