プレスリリース
AereveとBehavioral AI Lab、行動科学とAIを活用した詐欺対策で戦略的パートナーシップを締結
心理的操作を早期に捉える「行動インテリジェンス」と多言語RegTech・高度KYC技術を融合、日本語・中国語・英語から展開
サンフランシスコ、2026年9月24日
多言語RegTechを開発するAereveと、行動科学とAIを活用して心理的操作や詐欺の検知・分析技術を開発するBehavioral AI Labは、詐欺被害の早期発見・防止を目的とした戦略的パートナーシップを締結したことを発表しました。
本提携では、Behavioral AI Labが開発する、詐欺における心理的操作を捉える「行動インテリジェンス」と、Aereveの多言語RegTechおよび高度な本人確認(Enhanced KYC)技術を組み合わせます。両社は、ロマンス詐欺や投資詐欺などで用いられる心理的操作を、金銭的被害が発生する前の段階で検知・分析するAI技術の開発を進めます。まずは日本語・中国語・英語を対象に、両社の技術・サービスの統合を進めます。
Behavioral AI Labが主導する「Global Partnership for Detecting and Preventing AI-Enabled Manipulation and Scams」は、国連のAI Dialogue Partnerships Hubに選定されています。

「取引」だけでなく、詐欺に至るまでの「心理的操作」を捉える
従来の詐欺対策では、不審な取引やキーワードなど、詐欺の比較的後期に現れるシグナルの検知が重要な役割を果たしてきました。
一方、ロマンス詐欺や投資詐欺では、金銭を要求する前に、長期間にわたって信頼関係を構築し、感情的な依存を生み出し、相手の意思決定に徐々に影響を与えるといった心理的操作が行われるケースがあります。
今回の提携では、こうした詐欺につながる心理的操作をより早い段階で捉えることを目指します。心理的操作の検知を、本人確認、制裁リスト・ネガティブニュースのスクリーニング、取引モニタリング、資金源確認などの金融犯罪対策と組み合わせることで、詐欺リスクをより早期かつ包括的に把握できる仕組みの構築を進めます。
Behavioral AI Lab創業者の田中知美は、次のように述べています。
「詐欺師は、最初からお金を要求するわけではありません。まず信頼関係を築き、感情的な依存を生み出し、時間をかけて相手の意思決定に影響を与えていきます。Behavioral AI Labが目指しているのは、こうした心理的操作のパターンを、被害が発生する前に捉えることです。Aereveの多言語RegTech基盤と、私たちの行動科学に基づくアプローチを組み合わせることで、金銭的被害が発生する前、あるいは被害が拡大する前に介入できる仕組みをつくりたいと考えています。」
200人を超える詐欺師との直接対話をAIモデル開発に活用
Behavioral AI Labは、実際のオンライン詐欺に関する独自データをもとに、心理的操作を検知・分析するAIモデルを開発しています。
その研究基盤には、200人を超えるオンライン詐欺師と直接やり取りする中で収集した175件の会話(15,913件の実際のメッセージ)に加え、詐欺組織で実際に使用されている11の詐欺マニュアルが含まれます。
また、日本語と英語におけるAIモデルの性能差に関する研究を通じ、心理的操作の検知には単純な翻訳ではなく、言語・文化的文脈を反映したモデル設計が重要であることを示しています。
Aereveの多言語RegTechと金融犯罪対策技術を統合
香港を拠点とするAereveは、言語間の単純翻訳に依存しない多言語スクリーニング技術、高度KYCワークフロー、監査可能なケースマネジメント、アンチ・マネーロンダリング(AML)テスト手法などを提供しています。
これらの技術・手法は、英国金融行為規制機構(FCA)、香港金融管理局(HKMA)、シンガポール金融管理局(MAS)とのLive AIプログラムを通じて検証されています。
Aereve創業者のAndre Leungは、次のように述べています。
「金融機関による不審取引の検知技術は大きく進歩してきました。一方で、その取引に至るまでに被害者がどのような心理的操作を受けていたのかを理解することには、依然として大きな余地があります。Behavioral AI Labとの連携により、行動上の操作シグナルと、多言語での本人確認や金融犯罪インテリジェンスを結びつけ、詐欺リスクをより文脈的に捉えられるようになると考えています。」
日本語・中国語・英語から実用化へ
両社は今後、Behavioral AI Labの心理的操作検知モデルとAereveの多言語RegTech技術を統合し、まず日本語・中国語・英語での展開を進めます。
金融機関をはじめ、顧客が金銭的被害を受ける前の段階で詐欺リスクを把握する必要がある組織への導入を視野に、実用化を進めていく予定です。
両社が目指すのは、心理的操作をより早く検知し、信頼が金銭的被害へと変わる前に介入できる仕組みを実現することです。
Behavioral AI Labについて
Behavioral AI Labは、AIやデジタル環境における心理的操作を検知・評価・低減するための技術を開発する行動AI研究・テクノロジー企業です。
行動科学者の田中知美が設立し、行動科学、実際の詐欺データ、AI評価を組み合わせることで、従来の詐欺検知システムでは捉えにくかった心理的操作のパターンを分析・検知する技術の開発を進めています。
Aereveについて
Aereveは、多言語環境におけるEnhanced KYC、金融犯罪リスク評価、規制対応のためのRegTechを開発しています。多言語スクリーニング、監査可能なケースマネジメント、AMLテスト手法などを通じて、金融機関が言語や国境を越えてリスクを特定・管理するための技術基盤を提供しています。
本件に関するお問い合わせ
本件に関するお問い合わせ
Behavioral AI Lab
田中 知美
Founder
tomomit@behavioralailab.com
AEREVE CO., LTD.
Andre Leung
Co-Founder & CEO
andre.leung@aereve.com