報道関係者各位
    プレスリリース
    2016年3月2日 10:30
    たばこと塩の博物館

    日本の細密工芸「根付」や「提げ物」450点以上の展覧会  たばこと塩の博物館(東京・墨田区)で4月2日から開催

    ~「細密工芸の華 根付と提げ物」~

     たばこと塩の博物館(東京・墨田区)では、2016年4月2日(土)から7月3日(日)まで、「細密工芸の華 根付と提げ物」の展覧会を開催します。

    松茸狩り1(個人蔵)

    たばこと塩の博物館 URL: http://www.jti.co.jp/Culture/museum/


    ■展覧会概要
     印籠やたばこ入れなど「提げ物」と呼ばれた袋物を帯に提げて持ち歩く際、落とさないように紐や鎖で留め具に結び付けて着用しました。その留め具のことを「根付」といいます。江戸時代、「提げ物」は男性の装身具として定着し、それに合わせてさまざまな「根付」が制作されました。しかし、「根付」は明治維新後に精緻な日本文化の象徴として欧米で高く評価されたことで、大量に海外に流出してしまい、現在、まとまった数の根付をみる機会は多くありません。
     本展覧会では、リニューアルオープン1周年を記念して、国内の関係機関・団体・個人が所蔵する「根付」約370点を中心に、印籠やたばこ入れなどの「提げ物」約80点、さらには根付に関する文献資料なども合わせて展示しながら、あまり目にする機会がない、これら日本の精美な工芸品の歴史と文化をご紹介します。


    ■見どころ
    1.古典根付から現代根付まで…370点を超える作品を展示
     本展では、江戸から現在に至るまで、象牙・鹿角・木などさまざまな素材を用いて作られた「根付」を、形態や題材(中国・日本の故事、霊獣、動植物など)で分類し、一堂に展示します。
     「古典根付」とは江戸時代に制作されたもので、「近代根付」は明治・大正・昭和時代前期ころまでのものを、昭和時代中期以降に制作された根付は、基本的に「現代根付」と名付けて分類しています。

    「鶴の舞」
    https://www.atpress.ne.jp/releases/92866/img_92866_4.jpg
    「親子獅子」
    https://www.atpress.ne.jp/releases/92866/img_92866_5.jpg

    2.森田藻己作の根付13点を展示
     近代根付の巨匠として注目される森田藻己(もりたそうこ/明治12年[1879]~昭和18年[1943])の作品13点と合わせ、兄弟弟子の大内玉藻や、藻己の弟子の作品も展示します。

    「按摩」
    https://www.atpress.ne.jp/releases/92866/img_92866_6.jpg
    「向島みやげ」
    https://www.atpress.ne.jp/releases/92866/img_92866_7.jpg

    3.高円宮殿下のコレクションをご紹介
     根付の研究者であり、コレクターでもあった高円宮憲仁親王殿下が所蔵されていた現代根付10点を展示します。

    「メビウス達磨」
    https://www.atpress.ne.jp/releases/92866/img_92866_8.jpg

    4.形も素材もさまざまな提げ物、約80点を展示
     巾着、印籠、たばこ入れなどの提げ物を展示。「根付」本来の用途もご紹介します。また、江戸時代初期の絵画にみられる丸環形の「根付」が付いた巾着や印籠たばこ入れなどの「提げ物」も展覧し、その歴史的背景もご紹介します。

    「白革燧袋」
    https://www.atpress.ne.jp/releases/92866/img_92866_9.jpg
    「茶羅紗提げたばこ入れ」
    https://www.atpress.ne.jp/releases/92866/img_92866_10.jpg

    5.稲葉通龍の名著『装剣奇賞』の手稿本、初版本、後版本を一堂に展示
     刀装金工や根付師について書かれた『装剣奇賞』(天明元年[1781]/稲葉通龍(いなばつうりゅう)著)は、江戸時代中期に活躍した根付師57名を紹介する、名鑑的なものでもあります。本展では、同書の手稿本、初版本、後版本(ここでは、版の一部が修正された後修本)を合わせて展示します。また、同書に載っている根付師の手がけた作品や絵画なども合わせて紹介します。


    ■「細密工芸の華 根付と提げ物」開催概要
    名称  :細密工芸の華 根付と提げ物
         (サイミツコウゲイノハナ ネツケトサゲモノ)
    会期  :2016年4月2日(土)~7月3日(日)
    会場  :たばこと塩の博物館 2階特別展示室
    住所  :東京都墨田区横川1-16-3
         (東武スカイツリーライン とうきょうスカイツリー駅から徒歩8分)
          http://www.jti.co.jp/Culture/museum/
    開館時間:午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
    休館日 :月曜日
    入館料 :大人・大学生 300円(150円)
         小・中・高校生 100円(50円)
         満65才以上の方 150円(100円)※満65才以上の方は要証明書
         ※()内は20名以上の団体料金
         ※この料金で「根付と提げ物」展と常設展示をご覧いただけます
    主催  :たばこと塩の博物館/日本根付研究会/国際根付彫刻会

    <展示関連講演会>
    ・4月24日(日)
     「江戸の小間物屋繁盛記」
     講師:棚橋正博(早稲田大学大学院講師)
    ・5月15日(日)
     「稲葉通龍著『装剣奇賞』にみる江戸時代の根付と刀装具」
     講師:内藤直子(大阪歴史博物館主任学芸員)
    ・5月22日(日)
     「近代の名工 森田藻己の根付」
     講師:渡邊正憲(日本根付研究会会員)
    ・6月5日(日)
     「明治輸出工芸の花形 芝山細工と横浜芝山漆器」
     講師:鈴木明子(芝山細工研究家)
    ・7月3日(日)
     「骨董市探索~失われた時を探して~」
     講師:金子皓彦(日本輸出工芸研究会会長)、竹日忠芳(古美術商)

    <展示関連イベント>
    ・5月29日(日)
     たばしお寄席
     「宗珉の滝」
     口演:古今亭志ん橋(噺家)/解説:新藤茂(国際浮世絵学会常任理事)

    ・6月12日(日)
     根付と提げ物にまつわる演奏会
     「ジョネスその時代と音楽+『NETSUKE』2011 from HARTKE」
     出演:立花礼子(ヴァイオリニスト)/山本きよみ(ピアニスト)

    ※講演会およびイベントは、いずれも午後2時から、3階視聴覚ホールで開催
    ※参加費無料(ただし、入館料は必要です)
    ※定員は先着90名
     (いずれも当日開館時より、整理券を1名につき2枚まで配布します)
    ※展示関連講演会、イベントには、常設展のみご覧いただける入館料
     (大人・大学生100円/小・中・高校生50円)でご参加いただけます