報道関係者各位
    プレスリリース
    2026年6月16日 18:16
    QY Research株式会社

    水素化ニトリルゴム市場規模は2026年656百万米ドル、成長率7.2%で拡大予測

    水素化ニトリルゴム世界総市場規模

    水素化ニトリルゴム(Hydrogenated Nitrile Butadiene Rubber、略称HNBR)は、ニトリルゴム(NBR)を部分的または完全に水素化することにより得られる高性能な合成ゴムである。HNBRは耐熱性、耐油性、耐薬品性、耐オゾン性においてNBRを大幅に上回る特性を持ち、過酷な環境下でも安定した物理的性能を発揮することから、自動車、石油・ガス、産業機械、航空宇宙、電気・電子機器など多様な分野で使用されている。

    特にシール材、Oリング、ガスケット、ホースなど、高い圧力や温度下でも信頼性が求められる用途において重宝される。近年ではカーボンニュートラル対応機器や次世代モビリティ分野での採用も進み、従来材料からの置き換えが加速している。

    図. 水素化ニトリルゴムの製品画像
    図. 水素化ニトリルゴムの製品画像

    QYResearch調査チームの最新レポート「水素化ニトリルゴム―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」によると、水素化ニトリルゴムの世界市場は、2025年に616百万米ドルと推定され、2026年には656百万米ドルに達すると予測されています。その後、2026年から2032年にかけて年平均成長率(CAGR)7.2%で推移し、2032年には993百万米ドルに拡大すると見込まれています。

    上記の図表/データは、QYResearchの最新レポート「水素化ニトリルゴム―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」から引用されています。
    上記の図表/データは、QYResearchの最新レポート「水素化ニトリルゴム―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」から引用されています。

    水素化ニトリルゴム(HNBR)|自動車・エネルギー・産業機械向け高耐久エラストマー市場の技術進化と需要構造

    ■EV・水素エネルギー化が牽引する水素化ニトリルゴム需要の拡大
    近年の市場拡大要因として最も重要なのは、電動車(EV)・ハイブリッド車(HEV)および水素エネルギー機器の急速な普及である。直近6か月の業界動向では、EV向け熱マネジメント部材およびバッテリーシール用途における水素化ニトリルゴムの採用率が上昇しており、特に高温冷却系統(80〜150℃領域)での安定性評価が進展している。

    従来のNBRでは対応困難であった長時間高温曝露環境においても、HNBRは弾性保持率と圧縮永久ひずみ特性に優れるため、次世代モビリティの標準材料候補として位置付けが強化されている。

    ■石油・ガス・深海開発分野における極限環境対応材料としての水素化ニトリルゴム
    水素化ニトリルゴムは、石油・天然ガス産業における深海掘削設備や高温高圧プロセス機器において不可欠なシール材として広く採用されている。特にCO₂・H₂Sを含むサワー環境下での耐薬品性と長期耐久性は、他の汎用エラストマーに対する明確な優位性を持つ。

    直近では中東・北米のエネルギー開発プロジェクトにおいて、超高圧対応シール部材としての需要が増加しており、従来比でメンテナンスサイクルを延長できる点が評価されている。また、新興国におけるインフラ開発拡大も水素化ニトリルゴム需要を中長期的に下支えしている。

    ■耐久性・加工性・コストのバランスにおける技術課題
    水素化ニトリルゴムの技術的課題は、性能向上と加工性・コストのバランスにある。高水素化度化により耐熱性は向上する一方で、低温柔軟性や加工成形性が制約を受けるケースがあるため、用途別に最適な水素化率制御が重要となる。また、触媒水素化プロセスの安定性確保やロット間品質の均一化も量産上の課題である。さらに、原材料であるブタジエン系モノマー価格の変動はコスト構造に直接影響を与えるため、サプライチェーンの安定化も重要な経営課題となっている。

    ■環境規制強化とサーキュラーエコノミーが促す水素化ニトリルゴムの高度化
    近年のグローバル市場では、カーボンニュートラル政策および環境規制強化を背景に、製品ライフサイクル全体での環境負荷低減が重要な評価指標となっている。水素化ニトリルゴムは高耐久性により製品寿命を延長できるため、交換頻度削減を通じた資源効率向上に寄与する材料として再評価されている。

    直近6か月では、欧州OEMを中心にリサイクル適合設計(Design for Recycling)への対応要求が強まり、エラストマー材料にも循環型設計が求められる傾向が顕著である。これによりHNBRは単なる高性能ゴムから、環境適合型エンジニアリング材料へと進化しつつある。

    ■競争環境と次世代応用領域における水素化ニトリルゴムの展望
    水素化ニトリルゴム市場は、グローバル化学メーカーによる高機能グレード開発競争と、新興国メーカーによるコスト競争が並行する構造となっている。特にEV・水素エネルギー・再生可能エネルギー設備向け用途では、高付加価値グレードへのシフトが進んでいる。今後は、バッテリー冷却システム、燃料電池シール材、次世代航空機の軽量耐熱部材などへの応用拡大が期待される。

    また、原材料安定化技術の進展と新興市場への浸透が中長期成長の鍵を握ると考えられ、水素化ニトリルゴムはエネルギー転換とモビリティ革新を支える中核材料として、その重要性をさらに高めていくことになる。

    本記事は、QY Researchが発行したレポート「水素化ニトリルゴム―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」 を紹介しています。

    ◇レポートの詳細内容・無料サンプルお申込みはこちら

    会社概要

    QYResearch株式会社は、2017年に日本・東京で設立された市場調査・コンサルティング会社です。グローバル市場を対象に、市場調査レポート、業界分析、競合調査、IPO支援、カスタマイズリサーチなど幅広いサービスを展開し、各業界の市場構造や成長性、競争環境を多角的に分析しています。豊富な調査ネットワークと最新データを活用することで、企業の経営戦略策定、新規事業開発、市場参入判断を支援し、実践的かつ信頼性の高いインサイトを提供しています。

    【本件に関するお問い合わせ先】

    QY Research株式会社
    URL:https://www.qyresearch.co.jp
    日本の住所:〒104-0061東京都中央区銀座 6-13-16 銀座 Wall ビル UCF5階
    TEL:050-5893-6232(日本);0081-5058936232(グローバル)
    マーケティング担当 japan@qyresearch.com