プレスリリース
「海運脱炭素」を支援する業界リーダーの取り組み:ロクステック、 貫通部シールで実装を支える
2025年11月4日、海事新聞掲載記事
船舶の燃料転換、電動化、風力アシストなどの取り組みは設計と運用の双方で段階的に進む場面が多い。近年、IMO(国際海事機関)やEU(欧州連合)などの国際的な脱炭素規制が強化され、船級やPSC(ポートステートコントロール、寄港国検査)でも電線・配管貫通部の健全性や安全性の維持が厳しく問われるようになった。長いライフサイクルの中で電線や配管の取り回しが変わる場面も多く、いかに区画性能を保って改修・修繕工事を積み上げられるかが鍵となる。
スウェーデンに本社を置くロクステック(Roxtec)は、電線・配管の貫通部を密閉するシーリングソリューションで世界をリードする。同社のシールは1枚ずつ剝がせるゴム層を備え、電線・配管の変更や追加が生じてもさまざまな外径に適応し、同一開口で防火・気密・水密を再現できる。この構造により、海運・造船各社が進める脱炭素の段階的実装を区画安全の面から支えている。

■新造から備える変更に強い開口設計
新造段階から変更に強い開口設計を備えておくことは、将来の燃料や装備の選択肢を広く残す上で有効だ。ロクステックの貫通部シールは隔壁、甲板、盤内に適用し、ゴム層の調整だけで仕様変更に対応できるため、船種・建造場所を問わず設計仕様や施工・検査手順の標準化を進めやすい。
さらに、水密対策やEMC(電磁両立性)対策が必要な区画では、シールド連続性と接地を確保できるEMC対応シールを用いることで、電線ルートや機器配置、ボンディング(等電位化)計画との整合が取りやすくなる。これを造船所の標準仕様にすれば、図面・艤装・検査のフローが共通化し、船種が変わっても品質の安定を図れるようになる。
■運用・改修を止めない段取りと供給体制
適切な貫通部処理は火災や浸水、検査未通過といったリスクを防ぐ上で欠かせない。運用段階では、機器の追加や新燃料設備の搭載に伴い、同一開口の再利用が増える。ロクステックの貫通部シールは防火・気密・水密性能を再現できるため、施工順序や安全管理の計画を立てやすい。さらに、非溶接方式のソリューションを選べば、火気作業を回避でき、ドック入りを待たずに修繕・改修工事を行える。
また、ロクステックのソフトウエアで図面・台帳・検査記録を一元管理することで、区画性能の健全性を客観的に示すと同時に、世界各地の管理会社、修繕担当者、船級検査官が該当船舶の設計仕様や安全状態を随時確認・共有できるため、効率化と安全・品質の確保につながる。
加えて、グローバルな拠点網による標準部材の安定供給で、設計意図に沿った施工の再現性を高め、工程の円滑化と区画安全の維持に寄与する。
区画安全を起点に、変更後も所定の性能を確実に再現できる設計と運用を確立することが、脱炭素の実装を途切れさせない近道だ。ロクステックのシーリングソリューションは、新造から運用・改修までの各段階を通じて、計画的な実装を支える確かな選択肢となる。
