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    プレスリリース
    2025年10月20日 13:00
    株式会社PHP研究所

    三宅香帆の最新刊『考察する若者たち』11/18発売。「正解」を欲しがる若者の深層心理を読み解く

    株式会社PHP研究所(京都市南区・代表取締役社長 瀬津 要)は、2025年11月18日に『考察する若者たち』(三宅香帆著/税込1,100円)を発売します。
    著者の三宅香帆さんは、30万部突破のベストセラー『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)で新書大賞2025大賞を受賞するなど、幅広い世代に支持される文芸評論家です。
    本書は、独自の視点と鋭い分析で読者を唸らせヒット作を連発する著者が、考察動画、『鬼滅の刃』、『変な家』、ChatGPT、MBTIなど、令和のヒットコンテンツとZ世代のカルチャーを解説した渾身の社会評論です。

    [写真]Yurina Miya
    [写真]Yurina Miya

    エンタメにすら「報われること」を求めてしまう時代

    累計発行部数250万部超の小説『変な家』シリーズや2025年公開の大ヒット映画『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 猗窩座再来』など、考察を楽しむコンテンツが昨今、人気を博しています。批評や感想ではなく、考察が若い世代を中心に支持される構造として三宅さんは、考察には「正解」があり、批評には「正解」がない、とその違いを解説。「令和の若者たちは、物語を楽しむ行為すら『報われること』を目的にしてしまう。だからこそ、正解を当てて達成感が得られる、謎解きや考察ドラマが流行する」と分析しています。
    さらに、「萌えと推し」「ループものと転生もの」「自己啓発と陰謀論」「ヒエラルキーと界隈」など、現代を象徴する現象について、人気の映画、ドラマ、アニメ、小説の事例を挙げながら詳述。プラットフォームのアルゴリズムが、「報われたい欲求」に拍車をかけていると論じています。

    正解の外にある楽しさも伝えたい

    三宅さんは、若い世代が正解や最適解を求めてしまう背景の一つに、貧困や経済格差の拡大が「失敗したくない」という意識を強めていると指摘。こうした経済的な問題を大人が解決していく必要性を訴えつつ、「もう少し、正解以外のものが大切にされてもいい」「最適化されない、報われない、だけど面白いことって世の中にあるよ!」と、正解を求める考察文化だけではなく、正解のない批評文化にも、もっと目を向けて欲しいと結んでいます。
    また本書について、当事者であるZ世代とともに、「今どきの若者、よくわからん!」と思っている大人にこそ読んでもらいたい渾身の一冊だと、執筆の意気込みを語っています。

    刊行記念 三宅香帆さんサイン会を開催

    『考察する若者たち』(PHP研究所)&『「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか』(新潮社)の刊行を記念して、三宅香帆さんのサイン会を下記の日程で開催します。

    ■11月30日(日)大垣書店二条駅店 自習・読書スペース「講」
    ■12月6日(土)ジュンク堂書店大阪本店 3Fイベントスペース

    ♦イベント詳細は下記よりご確認ください。
    【11/30(日)大垣書店二条駅店】
    https://www.php.co.jp/news/2025/11/1130miyakesign.php

    【12/6(土)ジュンク堂書店大阪本店】
    https://www.php.co.jp/news/2025/12/1206miyakesign.php

    『考察する若者たち』について

    目次

    第1章 批評から考察へ――『あなたの番です』『変な家』『君たちはどう生きるか』
    第2章 萌えから推しへ――『【推しの子】』『アイドル』『絶対アイドル辞めないで』
    第3章 ループものから転生ものへ――『転生したらスライムだった件』『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
    第4章 自己啓発から陰謀論へ――堀江貴文『多動力』、ひろゆき『1%の努力』
    第5章 やりがいから成長へ――『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』『働きマン』
    第6章 メディアからプラットフォームへ――『スマホ脳』『一般意志2・0』
    第7章 ヒエラルキーから界隈へ――『スキップとローファー』『違国日記』
    第8章 ググるからジピるへ――ChatGPT、『NEXUS』『わたしを離さないで』
    第9章 自分らしさから生きづらさへ――『世界に一つだけの花』、『世界99』、MBTI
    終 章 最適化に抗う――そして『スキップとローファー』『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』

    著者プロフィール

    三宅香帆(みやけ・かほ)
    文芸評論家。京都市立芸術大学非常勤講師。1994年生まれ。高知県出身。京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了(専門は萬葉集)。著書に『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書、新書大賞2025大賞)、『「好き」を言語化する技術』(ディスカヴァー携書)、『「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか』(新潮新書)など。

    書誌情報

    書名:考察する若者たち
    著者:三宅香帆
    定価:1,100円(税込) 
    判型・製本・頁数:新書判・並製・248ページ 
    ISBN:978-4-569-86017-6
    レーベル:PHP新書
    発行:PHP研究所
    発売日:2025年11月18日