報道関係者各位
    プレスリリース
    2026年11月5日 11:00
    ターナー & タウンゼント株式会社 【Turner &Townsend】

    建設コスト上昇時代を勝ち抜くために 求められるのは「削減」ではなくROI最大化の視点

    ターナー&タウンゼント株式会社(東京都港区)はこの度、2026年上期の日本の建設・不動産市場に関する最新レポートを発表しました。本レポートでは、建設コスト上昇が続く市場環境下におけるプロジェクト成功の要因についての分析結果を公表しました。円安の継続、施工リソース不足、サプライチェーンの制約により、建設コストの上昇は今後も続く見込みです。当社では、2026年下半期においても平均で1%から5%程度のコスト上昇を前提とした予算計画が必要になると予測しています。特にデータセンター、半導体関連施設、先端製造施設などの分野では、設備機器や専門工事の供給不足により、さらなるコスト上昇リスクが顕在化しています。

    こうした市場環境のなかで、クライアントの関心は単純なコスト削減から、投資利益率(ROI)の最大化へと移行しています。重要なのは初期建設コストだけではなく、計画から稼働開始までの期間を短縮し、事業価値を早期に創出することです。そのため現在のプロジェクトでは、事業計画段階からの戦略的な意思決定やリスクの可視化がこれまで以上に重視されています。
    また、調達戦略の重要性も高まっています。施工能力不足が常態化するなか、従来の競争入札だけでは必要な施工リソースの確保が難しくなっており、サプライチェーンの早期巻き込みや主要パートナーの早期選定など、供給能力を重視した調達アプローチへの関心が高まっています。さらに、市場の複雑化に伴い、PM(プロジェクトマネジメント)やコストマネジメントを個別に管理する従来型の手法から、計画・設計・調達・施工を一体的に推進する統合型デリバリーへの需要が拡大しています。一貫した意思決定を行うことで、コスト、工期、品質に関するリスクを早期に把握し、迅速な対応が可能になります。生産性向上の観点では、AIやデジタル技術の活用も重要なテーマです。BIMやデータマネジメント、プランニングツールの活用により、複雑なプロジェクトの可視化や意思決定の迅速化が進み、人材不足による影響の軽減が期待されています。特にデータセンターや先端製造施設などでは、こうしたデジタル活用が競争力を左右する重要な要素となっています。今後も建設市場では高い需要が続く一方で、コスト上昇や供給制約は構造的な課題として継続する見込みです。そのなかで持続的な成長を実現するためには、価格変動への対応に加え、戦略的な調達、統合的なプロジェクト運営、そしてデジタル技術の活用による生産性向上がますます重要になると考えられます。

    執筆者のコメント 「現在の市場環境では、単純なコスト削減だけでプロジェクトを成功に導くことはできません。ROIを確保しながら早期に事業価値を創出するためには、調達戦略の最適化、統合的なプロジェクト運営、そしてデジタル技術の活用が不可欠です。不確実性の高い時代だからこそ、透明性の高い意思決定と総合的なプロジェクトマネジメントが求められています。」

    執筆者:代表取締役 梶浦久尚  大手ゼネコンをはじめとする建設関連企業で、7か国の駐在経験と40か国以上での協働実績を持つ国際プロジェクトの専門家。建設動向全般、国内外のプロジェクトマネジメント、プロジェクトコントロール、建設法・契約法・仲裁に精通する。

    ターナー&タウンゼント株式会社について

    ターナー&タウンゼントは、世界64か国で23,000人以上の社員を擁するグローバル 建設プログラム・マネジメント企業です。不動産、インフラ、エネルギー、天然資源分野のクライアントと連携し、世界中の市場において、大規模プログラム、プロジェクト、コストおよびコマーシャルマネジメント、ネットゼロおよびデジタルソリューションを専門としています。ターナー&タウンゼントは、世界最大の商業用不動産サービス・投資会社であり、重要インフラサービスの主要プロバイダーであるCBREグループの過半数株主のもとに置かれており、パートナーが相当規模の非支配持分を保有しています。