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    プレスリリース
    2026年9月8日 09:30
    株式会社マーケットリサーチセンター

    日本の液体クロマトグラフィー質量分析市場2024~2031年、市場規模・企業動向・分析レポートを発表

    株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「日本の液体クロマトグラフィー質量分析市場2024~2031年、英文タイトル:Japan Liquid Chromatography Mass Spectrometry Market Research 2024-2031」調査資料を発表しました。本資料には、日本市場規模、企業動向、セグメント別予測、市場シェアなどの情報などが盛り込まれています。

    ■主な掲載内容

    日本の液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)市場は、2023年に8億米ドル規模となり、2031年には13億米ドルに達すると予測されている。2024~2031年の年平均成長率(CAGR)は6.26%であり、医薬品・バイオテクノロジー分野を中心とする研究開発投資の増加、高度な分析技術への需要拡大、環境モニタリングや個別化医療への応用、装置性能の継続的な向上などを背景に、安定した成長が見込まれている。

    LC-MSは、液体クロマトグラフィーによって複雑な試料中の化合物を分離し、その後、質量分析によって各成分を高感度かつ高精度に同定・定量する分析技術である。生体試料、医薬品、食品、環境試料など、非常に複雑な混合物の解析に適しており、微量成分の検出や構造解析にも強みを持つ。そのため、日本では医薬品研究、バイオテクノロジー、食品安全、環境分析など幅広い分野で利用が進んでいる。

    市場成長を支える重要な要因の一つは、LC-MS装置そのものの技術進歩である。特に高分解能質量分析計やハイブリッド型質量分析計の登場により、分析性能が大きく向上している。これらの技術は、従来では識別が難しかった分子をより正確に区別し、より短時間で精密な分析結果を得ることを可能にしている。

    また、LC-MSシステムへの自動化技術とデータ処理ソフトウェアの統合も進んでいる。分析工程では大量のサンプルと膨大なデータを扱う必要があるため、自動サンプル処理、装置制御、ピーク検出、データ解析などをソフトウェアで効率化することで、研究者の負担を減らし、単位時間当たりの分析件数を増やすことができる。こうしたワークフロー効率の向上は、研究機関だけでなく、分析件数の多い製薬企業や検査機関にとって特に大きな価値を持つ。

    市場拡大の中心にあるのは、医薬品・バイオテクノロジー産業での研究開発投資の増加である。日本の製薬企業は、バイオ医薬品や個別化医療など高度な治療分野に研究資金を投入しており、それに伴って医薬品候補物質の解析、薬物動態評価、代謝物分析、臨床試験などに利用される質量分析技術への需要が増加している。

    医薬品開発では、LC-MSは研究初期から臨床開発に至るまで幅広い段階で利用される。創薬初期には、合成化合物や天然物から得られる候補物質の分離・同定に用いられ、その後は候補化合物の構造解析、純度評価、薬物濃度測定、代謝経路の解析などに活用される。特に、複雑な生体試料中から目的化合物を高感度で測定できることが大きな強みである。

    さらに、in vitroおよびin vivoの代謝研究でもLC-MSは重要な役割を持つ。薬剤が体内でどのように吸収・分布・代謝・排泄されるかを把握するためには、血液、尿、組織などに含まれる薬剤や代謝物を正確に測定する必要がある。LC-MSはこうした微量成分を高感度に検出できるため、薬物動態や安全性評価に不可欠な分析手段となっている。

    製剤開発においても、LC-MSは不純物や分解生成物の検出に利用される。医薬品は製造工程や保存中に分解し、微量の副生成物を生じる場合があるため、それらを高精度に特定・定量することは安全性と品質を確保するうえで重要である。LC-MSは複雑な分子構造を高い感度と選択性で解析できるため、医薬品の品質管理や規制対応にも重要な役割を果たしている。

    個別化医療の拡大もLC-MS市場を押し上げる要因となっている。個別化医療では、患者ごとの生体分子、代謝物、薬物応答などを詳細に解析し、最適な治療法や投与量を選択することが求められる。高感度・高選択性を持つLC-MSは、バイオマーカー探索や患者ごとの代謝プロファイル分析などに適しており、今後の精密医療を支える分析基盤として需要が増える可能性がある。

    市場成長を支えるもう一つの重要分野が食品安全である。食品の安全性に対する消費者意識が高まり、国内外で食品規制が厳格化するなか、残留農薬、添加物、化学汚染物質などを高精度で測定する分析技術への需要が強まっている。LC-MSは複雑な食品試料中から微量の化学物質を検出・定量できるため、食品安全検査に非常に適している。

    特にLC-MSは、スクリーニング、確認分析、定量分析を高い感度と選択性で行える点が重要である。食品には多数の天然成分が含まれるため、目的となる汚染物質だけを正確に識別することは容易ではない。LC-MSは分離技術と質量分析を組み合わせることで、複雑なマトリックスの影響を抑えながら対象物質を検出できるため、食品検査機関や品質管理部門での利用価値が高い。

    食品分野では、安全性だけでなく、食品の真正性、栄養成分評価、表示内容の正確性を検証する用途にもLC-MSが活用されている。食品の誤表示や偽装、微生物汚染、食中毒などへの懸念が高まるなか、企業にはより厳密な品質保証が求められている。LC-MSによって成分組成を詳細に解析することで、表示内容との一致や原料の真正性を確認できる。

    技術面では、タンデム質量分析の進歩も食品検査用途を押し上げている。特にトリプル四重極(QqQ)や飛行時間型(TOF)質量分析計は、感度や選択性、測定精度を高め、規制対象物質の厳密な分析を可能にしている。このため、食品安全規制への適合や消費者からの信頼確保という観点でも、LC-MSの重要性は高まっている。

    一方、市場拡大を阻害する最大の要因は、LC-MSシステムの価格の高さである。装置本体には大きな初期投資が必要であり、さらに導入後も定期的な保守、校正、部品交換など継続的な費用が発生する。そのため、大手製薬企業や大規模研究機関では導入しやすい一方、小規模な研究所や大学、予算の限られた企業では投資判断が難しくなる。

    運用コストも無視できない。LC-MSでは分析カラム、溶媒、試薬などの消耗品が必要であり、装置を高性能に維持するには専門的なメンテナンスも必要となる。また、装置操作やデータ解析には高度な知識を持つ専門人材が必要であり、トレーニング費用や人件費も全体の運用コストを押し上げる。

    このため、価格に敏感な大学研究室や小規模事業者では、より安価な従来型クロマトグラフィーや別の質量分析法を選択する場合がある。ただし、これらの代替技術はLC-MSと比較して感度や精度、選択性が劣る場合があり、「コスト」と「分析性能」のどちらを重視するかが導入判断の重要なポイントとなる。

    市場は、技術、用途、エンドユーザー、地域などによって分類されている。レポートでは2022~2031年を市場規模の対象期間とし、2024~2031年を予測期間としている。競争環境、企業プロフィール、市場規模・シェア、需要、M&A、新製品、成長戦略、収益、価格、規制、サプライチェーンなども分析対象に含まれる。

    特に医薬品開発分野では、LC-MSが不可欠な分析プラットフォームとして位置づけられている。新薬候補の分離・特性解析から、代謝研究、不純物評価、安全性・有効性確認まで、薬剤のライフサイクル全体にわたって使用されるためである。新薬開発の複雑化やバイオ医薬品の増加に伴い、分析対象となる分子も複雑になっており、高性能なLC-MSへの依存度はさらに高まると考えられる。

    競争環境では、Shimadzu Corporation、JEOL、Hitachi High-Tech、PerkinElmer Japan、Agilent Technologies Japan、Thermo Fisher Scientific Japan、Bruker Japan、Waters Corporation Japan、SCIEX Japan、Kyoto Electronics Manufacturingなどが主要企業として挙げられている。国内分析機器メーカーと海外大手の双方が参入しており、装置性能、ソフトウェア、保守サービス、アプリケーション支援などを含む総合的な競争が行われている。

    日本企業ではShimadzu、JEOL、Hitachi High-Techなどが分析機器分野で強い技術基盤を持つ一方、Thermo Fisher Scientific、Agilent、Waters、SCIEX、Brukerなどのグローバル企業も、先端質量分析技術や広範なアプリケーション実績を背景に競争力を持つ。今後は単純な質量分解能や感度だけでなく、分析速度、自動化、データ解析、AI活用、保守性などが差別化要因になる可能性が高い。

    サステナビリティもLC-MS市場の重要なテーマになりつつある。分析化学では大量の有機溶媒や電力を消費する場合があり、廃液処理やエネルギー使用が環境負荷につながる。そのため近年では、グリーンケミストリーの考え方に沿って、環境負荷を低減しながら分析効率を高める技術が重視されている。

    具体的には、より環境負荷の低い反応媒体や溶媒の利用、有害な化学廃棄物の削減、分析工程の最適化によるエネルギー使用量削減などが進められている。液体クロマトグラフィーは製薬、バイオテクノロジー、環境分析などで広く利用されているため、分析1件あたりの溶媒使用量や廃棄物を減らすことが市場全体の環境負荷低減につながる。

    また、最新のクロマトグラフィー装置では省エネルギー性能が改善されており、溶媒のリサイクルや廃液の再利用などもサステナビリティ向上策として注目されている。さらに、超臨界CO₂や従来より環境負荷の小さい代替溶媒を利用する方法も、分析工程の環境負荷を抑える手段として期待されている。

    技術革新では、低流量LC-MSの産業利用拡大が重要な動きとなっている。従来、nano-flow、capillary-flow、micro-flow LC-MSは研究開発用途を中心に利用されてきたが、近年はプロテオミクスや創薬などで産業利用が進みつつある。流量を抑えることで感度を高めたり、溶媒使用量を減らしたりできるため、高感度分析とサステナビリティの両方にメリットがある。

    特にプロテオミクスでは、非常に複雑なタンパク質・ペプチド混合物を分析する必要があり、高い分離能力と検出感度が求められる。低流量LC-MSは微量試料から多くの分子情報を取得できるため、疾患バイオマーカー探索や創薬ターゲット探索などへの応用が期待されている。

    また、イオンモビリティスペクトロメトリー(IMS)との組み合わせも重要な技術進歩である。IMSは、質量分析に入る前後でイオンをさらに別の性質によって分離することができ、従来の質量分析だけでは区別が難しい分子をより詳細に解析できる。この追加の分離次元によって特異性やピーク容量が高まり、複雑な生体分子や混合物の解析性能が向上する。

    飛行時間型(TOF)検出技術の改善も、分析精度や分解能の向上につながっている。より高分解能・高精度な質量測定が可能になれば、未知化合物の同定、微量不純物解析、バイオマーカー探索などでLC-MSの適用範囲がさらに広がる。こうした技術進歩は、LC-MSを単なる定量分析装置から、複雑な分子情報を包括的に解析する高度な研究プラットフォームへと進化させている。

    総じて、日本のLC-MS市場は、2023年の8億米ドルから2031年には13億米ドルへ拡大する安定成長市場であり、医薬品・バイオテクノロジー分野の研究開発が最大の需要基盤となっている。特に新薬探索、バイオ医薬品、個別化医療、薬物動態、代謝物解析、不純物評価などで、LC-MSの高感度・高精度な分析能力への需要が強い。

    同時に、食品安全や環境分析など製薬以外の用途も市場を支えており、規制強化や品質保証への要求がLC-MS導入を後押ししている。今後は、高分解能・ハイブリッド質量分析、低流量LC-MS、イオンモビリティ、TOF、自動化、データ解析ソフトウェアなどが主要な技術革新領域になると考えられる。

    一方、高額な初期導入費用、保守費、溶媒・試薬などの消耗品費、専門人材の確保は引き続き普及の障壁となる。このため今後の競争では、単純な装置性能だけでなく、「分析1件あたりのコスト」「装置稼働率」「操作の容易さ」「自動化による人件費削減」「溶媒・エネルギー使用量の削減」まで含めた総保有コストが重要になる。

    日本市場では最終的に、「高感度・高分解能」「高速分析」「自動化」「使いやすさ」「データ解析力」「環境負荷低減」を総合的に実現できるLC-MSシステムが競争上優位になると考えられる。特に、研究者が複雑な装置操作やデータ処理に多くの時間を費やさず、再現性の高い分析結果を大量に取得できるプラットフォームへの需要が高まり、ハードウェア、ソフトウェア、アプリケーション支援を一体化したソリューションが市場成長の中心になっていくとみられる。

    ※目次構成

    1. 調査方法および調査範囲
      調査方法
      調査目的およびレポートの対象範囲
    2. 定義および概要
    3. エグゼクティブサマリー
      技術別市場概要
      用途別市場概要
      エンドユーザー別市場概要
      地域別市場概要
    4. 市場動向
      市場への影響要因
      成長要因
      医薬品・バイオテクノロジー分野における技術進歩
      食品安全に対する関心の高まり
      阻害要因
      高コスト
      市場機会
      影響分析
    5. 業界分析
      ポーターの5フォース分析
      サプライチェーン分析
      価格分析
      規制分析
      DMI見解
    6. 技術別
      はじめに
      技術別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
      技術別市場魅力度指数
      飛行時間型(TOF)*
      はじめに
      市場規模分析および前年比成長率分析(%)
      四重極飛行時間型(Q-TOF)
      ハイブリッドLC-MS
      イオントラップLC-MS
      その他
    7. 用途別
      はじめに
      用途別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
      用途別市場魅力度指数
      創薬・医薬品開発*
      はじめに
      市場規模分析および前年比成長率分析(%)
      臨床診断
      環境分析
      法科学・法医学分析
      医薬品・バイオテクノロジー
      その他
    8. エンドユーザー別
      はじめに
      エンドユーザー別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
      エンドユーザー別市場魅力度指数
      大学・学術研究機関*
      はじめに
      市場規模分析および前年比成長率分析(%)
      CRO(医薬品開発業務受託機関)
      バイオ医薬品企業
      病院・診断センター
      病理検査施設
      法科学・法医学研究所
      その他
    9. 競争環境
      競争状況
      市場ポジショニング/市場シェア分析
      M&A(合併・買収)分析
    10. 企業プロファイル
      10.1 Shimadzu Corporation(株式会社島津製作所)*
      企業概要
      製品ポートフォリオおよび製品概要
      財務概要
      主な動向
      10.2 その他の主要企業
      JEOL Ltd.(日本電子株式会社)
      Hitachi High-Tech Corporation(株式会社日立ハイテク)
      PerkinElmer Japan Co., Ltd.
      Agilent Technologies Japan, Ltd.
      Thermo Fisher Scientific Japan
      Bruker Japan K.K.
      Waters Corporation Japan
      SCIEX Japan
      Kyoto Electronics Manufacturing Co., Ltd. / KEM(京都電子工業株式会社)

    ※企業一覧は網羅的なものではありません。

    1. 付録
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