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    プレスリリース
    2026年9月4日 15:00
    株式会社マーケットリサーチセンター

    世界の流行性耳下腺炎の市場規模、疾患概要、疫学予測:2026年調査レポートを発表

    株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「世界の流行性耳下腺炎の市場規模、疾患概要、疫学予測、英文タイトル:Epidemic Parotitis Epidemiology Forecast; Disease Overview; Epidemiology Forecast; Patient Pool Analysis」調査資料を発表しました。本資料には、市場規模、疾患概要、疫学予測、患者数分析(日本、米国、ヨーロッパ、インドなど)、治療上の課題・アンメットニーズなどの情報などが盛り込まれています。

    ■主な掲載内容

    本レポートは、流行性耳下腺炎(Epidemic Parotitis、一般にムンプス/おたふくかぜ)の疫学動向について、過去の患者推移と2026~2035年の将来予測を整理した市場調査レポートである。流行性耳下腺炎はムンプスウイルスによる急性ウイルス感染症で、主として耳下腺などの唾液腺に炎症を起こし、顎から頬にかけての疼痛を伴う腫脹を特徴とする。Centers for Disease Control and Preventionなどの資料では世界で年間約50万例が報告されるとされ、調査会社は、ワクチンによって大幅な疾病抑制が達成された地域がある一方、ワクチン接種率のばらつき、免疫を持たない集団の蓄積、集団生活下でのアウトブレイクなどによって、今後も断続的な流行が公衆衛生上の課題になるとみている。本調査では2025年を基準年、2019~2025年を過去分析期間、2026~2035年を予測期間とし、米国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、日本、インドの8主要市場を対象に、発症・報告患者数、年齢、性別、診断患者プールなどを分析している。

    流行性耳下腺炎は、Paramyxoviridae科に属するムンプスウイルスによって生じる感染症である。主な感染経路は呼吸器飛沫、感染者との直接接触、汚染された物品や表面への接触などとされる。したがって、学校、家庭、寮、スポーツチームなど、近距離接触が多い環境では集団感染が起こりやすい。

    潜伏期間は一般に16~18日程度で、Narmatha Kらの2024年の報告では最大25日まで延長する場合があるとされる。感染から症状出現まで比較的長期間を要するため、感染源を特定することが難しい場合もある。

    発症すると、発熱、頭痛、筋肉痛などの前駆症状に続いて耳下腺腫脹がみられる。耳下腺炎は片側性の場合も両側性の場合もあり、通常は約5日程度持続するとされる。

    この疾患で重要なのは、症状がはっきり現れる患者だけが感染者ではない点である。Jamie Tappeらの2024年の報告では、ワクチン未接種者のムンプス感染の約20%が無症候性とされる。

    Mioljub Ristićらの2025年の報告では、ワクチン未接種小児の20~40%が無症候感染とされており、研究によって推定幅がある。

    したがって、「世界で年間何人がムンプスに感染しているか」を評価する場合、医療機関へ受診し報告された症例だけでは、真の感染者数を過小評価する可能性がある。

    特に無症候または軽症感染者は診断されないまま感染伝播に関与する可能性があり、感染症サーベイランス上の課題となる。

    なお、今回の資料では「prevalence(有病率)」という表現が多用されているが、ムンプスは通常数日から数週間で経過する急性感染症であるため、疫学的には慢性疾患のような有病率よりも、年間発症率、報告症例数、アウトブレイク件数などの方が疾病負担を理解するうえで重要な指標となる。

    年齢別では、小児での疾病負担が大きい。Tulika Goswami Mahantaらの2025年の報告では、1~15歳が症例の41%を占めた一方、61~75歳では3%にとどまった。

    ただし、この41%と3%は一般人口の年齢別有病率ではなく、特定の患者集団において各年齢層が占めた症例構成比と考えるのが適切である。

    したがって、「1~15歳児の41%がムンプスに感染する」という意味ではない。小児がムンプス患者の大きな割合を占めるという年齢分布を示したデータである。

    一方、Jamie Tappeらの2024年の報告では、COVID-19パンデミック開始後にムンプス症例が大幅に減少したものの、散発例は継続し、特に10歳未満の小児で多かったとされる。

    このパンデミック後の減少は、ムンプスウイルスそのものが消失したという意味ではなく、マスク、学校閉鎖、接触機会の減少、移動制限などに伴う呼吸器感染症全般の伝播低下を反映した可能性が高い。

    その後社会活動が正常化すれば、免疫を持たない集団で再びアウトブレイクが起こる可能性があるため、症例数減少だけで長期的制圧と判断することはできない。

    性別については、Tulika Goswami Mahantaらの研究で男性54%、女性46%とされ、男性がわずかに多かった。

    ただし、この程度の差は大きな性差ではなく、今回の資料だけからムンプスが本質的に男性優位の感染症と結論づけることはできない。

    一方、男性では感染後に精巣炎を発症する可能性があり、性別によって「感染する確率」よりも「合併症の種類」が異なる点が臨床上重要となる。

    ムンプスそのものは多くの場合自然軽快するが、合併症として精巣炎、卵巣炎、髄膜炎、膵炎などが挙げられる。

    特に思春期以降の男性では精巣炎が重要な合併症となり得るため、小児期に感染しなかった未免疫男性が青年期以降に感染した場合には注意が必要となる。

    また、髄膜炎など神経系合併症を生じる可能性もあるため、「おたふくかぜは軽い小児感染症」とだけ捉えるのは適切ではない。

    世界的には、Ritik Agrawalらの2025年の報告で、WHO推定として年間約50万例のムンプスが発生するとされる。

    一方、2023年の実際の報告症例数は38万4,785例で、前年から約1%増加したとされる。

    年間約50万例と38万4,785例には差があるが、前者は世界的な推定値、後者は2023年の報告症例数と考えられるため、必ずしも矛盾ではない。

    さらに、無症候感染が20~40%程度存在する可能性を考えると、報告症例数が実際の感染者数を下回ることは十分考えられる。

    したがって、38万4,785例を2023年の「世界の全感染者数」と解釈するのではなく、サーベイランス上把握された報告症例数として理解する方が適切である。

    欧州では、英国、ドイツ、フランス、スペイン、イタリアなどで2021~2022年にムンプス再流行がみられ、特に10歳以上で多かったとされる。

    これは小児だけではなく、青年・若年成人にも感受性集団が形成され得ることを示している。

    ワクチン接種歴があっても、時間経過とともに免疫が弱まったり、集団生活などでウイルスへの曝露量が増えたりすることでアウトブレイクが生じる可能性があるため、症例分布は必ずしも「未接種の幼児」だけに限定されない。

    ドイツでは、Institute for Quality and Efficiency in Health Careの2023年資料によると、ワクチン導入前には年間人口10万人あたり約200例だった発症率が、現在では約1例/10万人まで低下したとされる。

    これはワクチンプログラムがムンプス疫学に与えた非常に大きな影響を示している。単純計算では発症率が約99%低下したことになる。

    ただし、現在でも完全に排除されたわけではなく、主として青年・若年成人で症例が発生するとされる。

    これは過去の接種率の違い、未接種者、免疫低下などによって感染可能な集団が残るためと考えられる。

    米国については、今回の資料では具体的な発症率や年間症例数よりも、アウトブレイクに伴う経済負担が強調されている。

    米国ではアウトブレイク関連の経済負担が1症例あたり9,459米ドルと推定されている。

    この金額は単純な診療費だけではなく、検査、隔離、接触者調査、公衆衛生対応、就学・就労損失などを含む可能性があるため、ムンプス流行が患者数以上に大きな社会的コストを生むことを示している。

    ただし、この9,459ドルをすべての散発性ムンプス患者に必要な平均医療費と解釈すべきではなく、アウトブレイク対応を含む経済負担指標として見る必要がある。

    日本では現在も周期的なムンプス流行が報告され、資料ではワクチン接種率のばらつきと関連するとされる。

    日本について今回の抜粋では具体的な年間発症数や人口10万人あたり発症率は示されていないため、他国と定量比較することはできない。

    しかし、ワクチンによって長期的に低発症率を維持しているドイツと比較すると、ワクチンカバレッジの違いがムンプス流行パターンに重要な影響を与えることを示唆する。

    フランス、イタリア、スペイン、英国についても、欧州で2021~2022年に再流行があったことは示されているが、今回の資料には各国固有の発症率は記載されていない。

    インドについても8主要市場の一つとして分析対象となっているものの、今回提示された抜粋では具体的なインドの患者数・発症率は示されていない。

    したがって、本資料の国別疫学では、ドイツのワクチン前後の発症率、日本の周期的アウトブレイク、米国のアウトブレイク経済負担が比較的具体的な指標として提示されている一方、8市場すべてについて均一な数値が揃っているわけではない。

    ムンプスの疫学を理解するうえで重要なのは、「感染者」「症候性患者」「報告症例」を区別することである。

    感染していても20~40%程度が無症候の可能性があり、軽症患者が医療機関を受診しないこともあるため、報告された症例数だけでは感染伝播の全体像を把握できない。

    さらに、ワクチン接種者の無症候感染頻度についてはJamie Tappeらの資料でも不明とされている。したがって、ワクチン接種集団における感染実態にも一定の疫学的不確実性が残る。

    感染性の期間については、耳下腺腫脹が明確になる前から前駆症状が存在し、この期間にも感染伝播が起こり得る。

    そのため、症状が明確になった患者だけを隔離しても、発症前にすでに周囲へウイルスを広げている場合がある。

    これは学校や家庭内でアウトブレイクが広がる一因となる。

    治療については、ムンプスウイルスを直接排除する特異的抗ウイルス薬はなく、基本的に支持療法が中心となる。

    患者には十分な休息と水分摂取が推奨され、発熱や疼痛に対してパラセタモールまたはイブプロフェンなどの解熱鎮痛薬が使用される。

    耳下腺部の疼痛や腫脹に対しては、温罨法または冷罨法を行うことで不快感を軽減できる場合がある。

    したがって、治療の中心は「ウイルスを薬で消す」ことではなく、自然回復まで症状を緩和し、合併症を早期に発見することである。

    感染拡大防止のため、耳下腺腫脹が始まってから少なくとも5日間は隔離することが推奨されている。

    特に学校や職場などで集団生活をする場合、この隔離期間を守ることが二次感染防止に重要となる。

    ただし、発症前から感染性が存在する可能性があるため、隔離だけでは流行を完全に防止することはできない。

    最も効果的な予防方法はMMRワクチン、すなわち麻疹・ムンプス・風疹混合ワクチンの接種である。

    ワクチンプログラムによって、ドイツではムンプス発症率が約200/10万人から約1/10万人へ低下したとされ、ワクチンが疾病負担を大幅に減少させ得ることが示されている。

    したがって、2026~2035年のムンプス疫学を左右する最大の因子の一つは各国のワクチン接種率である。

    十分に高い接種率が維持されれば散発例を低水準に抑えることができる一方、接種率低下や地域的な免疫ギャップが生じれば、周期的アウトブレイクが発生する可能性がある。

    特にムンプスは「世界的に常在しながら、地域ごとに流行と沈静化を繰り返す」感染症としての性格が強い。

    そのため、年間患者数は慢性疾患のように滑らかに増加・減少するとは限らず、大規模アウトブレイクの有無によって年ごとに変動する可能性がある。

    2026~2035年の患者プール予測を解釈する際にも、人口増加や年齢構成だけではなく、ワクチンカバレッジ、追加接種政策、学校・大学などでの集団感染、サーベイランス能力などを考慮する必要がある。

    また、COVID-19パンデミック時の症例減少が示すように、社会的接触行動の変化も感染症疫学を大きく左右する。

    したがって、過去数年間の低症例数をそのまま2035年まで直線的に延長することは適切ではなく、感染症特有の流行周期を考慮する必要がある。

    全体として本レポートは、流行性耳下腺炎を「ムンプスウイルスによって引き起こされ、耳下腺腫脹、発熱、頭痛、筋肉痛などを生じ、通常は自然軽快する一方、精巣炎、卵巣炎、髄膜炎、膵炎などの合併症を伴い得る世界的な急性ウイルス感染症」と位置づけている。

    世界では年間約50万例と推定される一方、2023年の報告症例は38万4,785例で、前年比約1%増加したとされる。これは推定値と報告値の違いであり、さらに20~40%程度の無症候感染が存在する可能性を考えると、実際の感染負担は報告症例数より大きい可能性がある。

    年齢では小児が重要な患者集団であり、ある研究では1~15歳が症例の41%を占め、61~75歳は3%にとどまった。性別では男性54%、女性46%と軽度の男性優位が報告されたが、これらはいずれも特定集団の症例構成であって世界一般人口の年齢・性別別発症率ではない。

    欧州では2021~2022年に10歳以上を中心とする再流行がみられ、ドイツではワクチン導入前の約200/10万人/年から現在約1/10万人/年まで発症率が低下した。日本ではワクチンカバレッジの違いと関連して周期的アウトブレイクが続くとされる。米国ではアウトブレイク1症例あたり約9,459ドルの経済負担が推定されており、患者本人の症状以上に公衆衛生対応コストも重要である。

    治療は特異的抗ウイルス療法ではなく、休息、水分補給、解熱鎮痛薬、温・冷罨法などの支持療法が中心である。感染拡大防止のため耳下腺腫脹開始後少なくとも5日間の隔離が推奨され、長期的な疾病抑制にはMMRワクチンが最も重要となる。

    2026~2035年の疫学・公衆衛生動向を考えるうえでは、ムンプスそのものを完全に排除できていない地域で、未接種者や免疫が不十分な集団が蓄積するとアウトブレイクが再発する可能性がある一方、高いワクチン接種率と適切なサーベイランスを維持できれば疾病負担を大幅に抑制できると考えられる。したがって、今後の流行性耳下腺炎対策における中心的課題は、単に症候性患者を治療することではなく、無症候感染を含めた実態把握、ワクチン接種率の維持・向上、アウトブレイクの早期検出、症例隔離、接触者への公衆衛生対応を組み合わせることである。2026~2035年は、ムンプスを「小児期に一度かかれば終わる軽症感染症」としてではなく、ワクチン政策と集団免疫の変化によって周期的再流行が起こり得る感染症として継続的に監視することが、臨床・公衆衛生の主要テーマになるとまとめられる。

    ※目次構成

    01
    序文
    1.1 はじめに
    1.2 調査目的
    1.3 調査方法および前提条件

    02
    エグゼクティブサマリー

    03
    流行性耳下腺炎市場概要(8主要市場)
    3.1 流行性耳下腺炎市場の過去市場規模(2019年~2025年)
    3.2 流行性耳下腺炎市場の予測市場規模(2026年~2035年)

    04
    流行性耳下腺炎疫学概要(8主要市場)
    4.1 流行性耳下腺炎疫学状況(2019年~2025年)
    4.2 流行性耳下腺炎疫学予測(2026年~2035年)

    05
    疾患概要
    5.1 症状および徴候
    5.2 原因
    5.3 リスク要因
    5.4 ガイドラインおよび病期分類
    5.5 病態生理
    5.6 スクリーニングおよび診断

    06
    患者プロファイル
    6.1 患者プロファイル概要
    6.2 患者心理および感情面への影響要因

    07
    疫学状況および予測(8主要市場:2019年~2035年)
    7.1 主要調査結果
    7.2 前提条件および根拠
    7.3 8主要市場における流行性耳下腺炎疫学状況(2019年~2035年)

    08
    疫学状況および予測:米国(2019年~2035年)
    8.1 米国における流行性耳下腺炎疫学状況(2019年~2035年)

    09
    疫学状況および予測:英国(2019年~2035年)
    9.1 英国における流行性耳下腺炎疫学状況(2019年~2035年)

    10
    疫学状況および予測:ドイツ(2019年~2035年)
    10.1 ドイツにおける流行性耳下腺炎疫学状況(2019年~2035年)

    11
    疫学状況および予測:フランス(2019年~2035年)
    11.1 フランスにおける流行性耳下腺炎疫学状況(2019年~2035年)

    12
    疫学状況および予測:イタリア(2019年~2035年)
    12.1 イタリアにおける流行性耳下腺炎疫学状況(2019年~2035年)

    13
    疫学状況および予測:スペイン(2019年~2035年)
    13.1 スペインにおける流行性耳下腺炎疫学状況(2019年~2035年)

    14
    疫学状況および予測:日本(2019年~2035年)
    14.1 日本における流行性耳下腺炎疫学状況(2019年~2035年)

    15
    疫学状況および予測:インド(2019年~2035年)
    15.1 インドにおける流行性耳下腺炎疫学状況(2019年~2035年)

    16
    患者経路

    17
    治療課題および未充足ニーズ

    18
    キーオピニオンリーダー(KOL)による洞察

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