プレスリリース
奈良県飛鳥池遺跡出土品の国宝指定および重要文化財奈良県高松塚古墳出土品の追加指定について
今後の官報告示をもって、奈文研が保管する国指定の有形文化財は国宝2件、重要文化財7件となり、国の登録有形文化財(建造物)は2棟となります。
令和8年(2026)3月26日、文化審議会は、文部科学大臣に対して答申を行い、奈良文化財研究所(以下「奈文研」という)が保管する奈良県飛鳥池遺跡出土品(考古資料)が新たに国宝に指定されることとなりました。
また、同じく、重要文化財奈良県高松塚古墳出土品が追加指定されることになりました。
今後の官報告示をもって、奈文研が保管する国指定の有形文化財は国宝2件、重要文化財7件となり、国の登録有形文化財(建造物)は2棟となります。
奈文研は、今回の指定を励みとして、文化財を確実に次世代へと継承していくための調査研究に邁進してまいります。また、今回指定された文化財については、7月より、一部を明日香村奥山の飛鳥資料館の常設展にて展示公開することとしております。是非、お越しになって、ご覧ください。
今回、国宝指定が決まった奈良県飛鳥池遺跡出土品の概要および重要文化財奈良県高松塚古墳出土品の追加指定の概要は次のとおりです。
奈良県飛鳥池遺跡出土品 一括
【所有者】独立行政法人国立文化財機構(奈文研保管)
奈良県飛鳥池遺跡出土品は、平成3年(1991)に奈良国立文化財研究所(当時)・明日香村教育委員会の発掘調査で確認され、奈文研による平成9~11年の発掘調査で全容が判明した、7世紀後半の工房群を主とする飛鳥池遺跡から出土した考古資料です。
なかでも特筆すべきは、富本銭とその生産を示す一連の資料群で、鋳型や鋳棹、未製品の富本銭や各種の工具は、その製作技術をよく示しています。これらの資料は、富本銭こそが和同開珎をさかのぼる我が国最古の鋳造貨幣であることをあきらかにしました。また、共に出土した木簡には、皇族の名称や天武・持統朝の紀年銘にくわえ、宮廷や寺院造営に供給した物資の内容が記され、国家的工房としての遺跡の性質を裏付けています。さらに、ガラスをはじめとする金・銀・銅の生産加工技術には、百済や新羅との技術的な類似性がうかがえることも指摘されています。
このように、奈良県飛鳥池遺跡出土品は、律令国家形成期の官営工房の実態を鮮明に示すものであり、当時の生産技術の伝播や王宮・国家寺院に付属する工房の実態を考えるうえで極めて重要な資料群です。東アジアにおける生産技術史や国家形成における社会を考究する上でも唯一無二の資料であり、その学術的価値は極めて高く評価されます。そのため、令和7年9月26日に重要文化財に指定され、このたび国宝に指定されることとなりました。

奈良県高松塚古墳出土品 一括
【所有者】独立行政法人国立文化財機構(奈文研保管)・奈良県(奈良県立橿原考古学研究所附属博物館保管)
極彩色壁画で著名な高松塚古墳の出土品には、昭和47年(1972)年に出土し昭和49年(1974)に一括して重要文化財指定されたもの(奈文研飛鳥資料館にて保管・展示)のほか、近年の石室解体に伴う発掘調査などでみつかったガラス玉や、昭和47年出土遺物のうち奈良県立橿原考古学研究所に残されていた刀装具や木棺の一部などが含まれています。
このたび、後者の出土品が重要文化財として追加指定されることとなりました。