賃貸住宅市場レポート　首都圏・関西圏・中京圏・福岡県版　2015年11月

　「2016年首都圏賃貸住宅市場の見通し」および「2015年9月期の1都3県賃貸住宅指標(空室率TVI(タス空室インデックス)、募集期間、更新確率、中途解約確率、賃料指数)」および「2015年9月期の関西圏・中京圏・福岡県賃貸住宅指標(空室率TVI(タス空室インデックス)、募集期間、更新確率、中途解約確率、賃料指数)」を掲載しています。
　これらの分析はアットホーム株式会社から提供を受けた、アットホーム全国不動産情報ネットワークに公開された情報若しくは成約状況を用いて行われています。

詳細PDF：「賃貸住宅市場レポート　首都圏・関西圏・中京圏・福岡県版2015年11月」
http://www.tas-japan.com/pdf/news/residential/Vol71_Vol43residential20151130.html

1．レポートの概要
(1) 2016年首都圏賃貸住宅市場の見通し
　東京23区の賃料水準により東京23区と周辺地域の間で住民登録をしていない層の人口移動が発生するというマクロ的な動きが存在します。すなわち東京23区の賃料水準が高くなると東京23区から周辺地域へ人口が移動し、賃料水準が低くなると逆の動きが発生します。2013年から、東京23区の賃料は回復基調にありますが、流通の動きの速い単身向け物件の賃料上昇は遅れています。このため、東京23区の空室率TVIへの改善圧力は2014年末頃まで継続していました。単身向け物件の賃料は2015年にはいってから回復傾向となっていますので、東京23区から周辺地域への人口の移動が始まっているものと推定されます。この傾向が継続するならば、2016年は東京23区の空室率TVIには上昇圧力、周辺地域の空室率TVIには下落圧力がかかると推定されます。また、首都圏においては東日本大震災後に需給ギャップと空室率TVIの動きに下落圧力が観測できました。これは被災地からの住民登録を伴わない人口流入が、首都圏の賃貸住宅市場に影響を与えていたことを示しますが、この影響は2013年以降薄まっています。
　以上を踏まえて需要(世帯数の増減)と供給(着工数の増減)のギャップを分析した結果、2016年の首都圏賃貸住宅市場のファンダメンタルズは、東京23区、東京市部、千葉県で改善、神奈川県、埼玉県で悪化することが予測されます。　ただし、先月号で報告した通り、新築の賃貸住宅市場は厳しさを増しています。

図　東京23区 2016年の需給ギャップと空室率TVI予測
https://www.atpress.ne.jp/releases/82829/img_82829_1.jpg


(2) 2015年9月期1都3県賃貸住宅指標
　首都圏のアパート系空室率TVIは、埼玉県で横ばいで推移しているのを除いて全地域で大きく悪化傾向です。新築の供給量が増加したことが空室率TVIを引き上げています。一方でマンション系空室率TVIは埼玉県、千葉県で悪化傾向ですが、その他の地域は改善傾向となっています。

【東京都】
＜全域＞
空室率TVI(ポイント)　　： 11.95
募集期間(ヶ月)　　　　 ： 2.93
更新確率(％)　　　　　 ： 45.52
中途解約確率(％)　　　 ： 36.88
賃料指数(2004年1Q＝100)：100.20

＜23区＞
空室率TVI(ポイント)　　： 11.74
募集期間(ヶ月)　　　　 ： 2.90
更新確率(％)　　　　　 ： 45.05
中途解約確率(％)　　　 ： 37.21
賃料指数(2004年1Q＝100)：100.83

＜市部＞
空室率TVI(ポイント)　　：14.63
募集期間(ヶ月)　　　　 ： 3.14
更新確率(％)　　　　　 ：49.39
中途解約確率(％)　　　 ：33.91
賃料指数(2004年1Q＝100)：97.48

【神奈川県】
空室率TVI(ポイント)　　：13.13
募集期間(ヶ月)　　　　 ： 3.48
更新確率(％)　　　　　 ：48.59
中途解約確率(％)　　　 ：36.37
賃料指数(2004年1Q＝100)：98.97

【埼玉県】
空室率TVI(ポイント)　　：16.26
募集期間(ヶ月)　　　　 ： 3.35
更新確率(％)　　　　　 ：50.41
中途解約確率(％)　　　 ：35.55
賃料指数(2004年1Q＝100)：98.72

【千葉県】
空室率TVI(ポイント)　　： 13.45
募集期間(ヶ月)　　　　 ： 2.96
更新確率(％)　　　　　 ： 51.69
中途解約確率(％)　　　 ： 31.76
賃料指数(2004年1Q＝100)：100.09

(出所)データ提供：アットホーム株式会社、分析：株式会社タス


(3) 2015年9月期　関西圏・中京圏・福岡県賃貸住宅指標
　アパート系空室率TVIは大阪府、京都府で悪化傾向、静岡県で横ばい傾向、その他の地域で改善傾向で推移しています。マンション系空室率TVIは愛知県と福岡県で改善傾向。その他の地域では概ね横ばい傾向で推移しています。

【大阪府】
空室率TVI(ポイント)　　： 8.06
募集期間(ヶ月)　　　　 ： 5.34
更新確率(％)　　　　　 ： 41.94
中途解約確率(％)　　　 ： 46.86
賃料指数(2009年1Q＝100)：101.59

【京都府】
空室率TVI(ポイント)　　： 13.86
募集期間(ヶ月)　　　　 ： 5.84
更新確率(％)　　　　　 ： 41.31
中途解約確率(％)　　　 ： 46.15
賃料指数(2009年1Q＝100)：101.94

【兵庫県】
空室率TVI(ポイント)　　： 11.32
募集期間(ヶ月)　　　　 ： 5.42
更新確率(％)　　　　　 ： 31.80
中途解約確率(％)　　　 ： 54.24
賃料指数(2009年1Q＝100)：103.75

【愛知県】
空室率TVI(ポイント)　　：14.02
募集期間(ヶ月)　　　　 ： 5.71
更新確率(％)　　　　　 ：37.89
中途解約確率(％)　　　 ：51.11
賃料指数(2010年4Q＝100)：99.57

【静岡県】
空室率TVI(ポイント)　　：23.23
募集期間(ヶ月)　　　　 ： 7.15
更新確率(％)　　　　　 ：38.73
中途解約確率(％)　　　 ：48.31
賃料指数(2010年4Q＝100)：96.68

【福岡県】
空室率TVI(ポイント)　　： 11.01
募集期間(ヶ月)　　　　 ： 5.27
更新確率(％)　　　　　 ： 38.66
中途解約確率(％)　　　 ： 47.20
賃料指数(2010年4Q＝100)：104.93

(出所)データ提供：アットホーム株式会社、分析：株式会社タス


詳細はPDFファイルをご参照ください。
詳細PDF：「賃貸住宅市場レポート　首都圏・関西圏・中京圏・福岡県版2015年11月」
http://www.tas-japan.com/pdf/news/residential/Vol71_Vol43residential20151130.html

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■株式会社タスについて
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会社名　　： 株式会社タス(英語名　TAS Corp.)
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資本金　　： 1億8千万円
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