プレスリリース
がんセンター中川和彦が5年連続で"Highly Cited Researchers"に選出 近畿大学病院のがん研究が世界的な医学の進歩に貢献

近畿大学病院(大阪府堺市)がんセンター センター長・特任教授 中川和彦が、世界的な学術情報サービス企業、クラリベイト社(Clarivate Plc)の「高被引用論文著者(Highly Cited Researchers 2025)臨床部門(Clinical Medicine)」に選出されました。
これは、世界の全論文のなかで引用回数が上位1%に入る研究論文を複数発表し、各分野で世界的に影響力のある研究者が選出されるもので、臨床医学分野においては、研究成果が臨床研究や治療法の改善、診断技術の向上などに結びつき、医学の進歩に重要な貢献をしていることを示します。がん研究や分子標的治療を専門とする中川和彦は、令和3年(2021年)以降5年連続の受賞となります。
【本件のポイント】
●近畿大学病院がんセンター センター長・特任教授 中川和彦が、クラリベイト社「高被引用論文著者 臨床医学部門」に連続選出
●臨床医学部門において、近畿大学病院から5年連続の受賞
●がん治療に関する臨床研究や新たな治療法の開発、診断に関する多くの研究論文を発表し続けており、近畿大学病院が世界におけるがん治療を牽引していることを示す
【本件の内容】
「Highly Cited Researchers」とは、クラリベイト社が運営する論文検索サービス「Web of Science」に収録されている学術誌において、過去10年間に発表された論文のうち、他の研究者によって非常に高く引用され、各分野で上位1%に入るほどの影響を与えている研究者が選出されるものです。臨床医学、生物学、生化学、化学などの21分野に、一人の研究者が複数分野で論文を発表している場合の合計被引用件数を示すクロスフィールドカテゴリーを加えた、合計22分野の著者がリストアップされています。
令和7年(2025年)にリストアップされた22分野6,868名のうち、日本の機関に所属している研究者は全領域で88名で、臨床医学部門においては3名です。なお、5年連続の受賞は快挙と言えます。
【受賞者紹介】
中川和彦(ナカガワカズヒコ)
所属 :近畿大学病院がんセンター
職位 :センター長・特任教授
専門 :腫瘍内科学
論文出版数(Publications) :646
総引用数(Total Times Cited):61,412
※令和7年(2025年)11月現在
Publons :https://publons.com/researcher/4784574/kazuhiko-nakagawa/
【受賞コメント】
5年連続で「Highly Cited Researchers」に選出されたことは大変名誉なことであり、特に日本の腫瘍内科学領域(がん薬物療法専門領域)から選ばれたことは大きな意義を持つと思っております。がん薬物療法は欧米に20年から30年遅れで我が国に導入され、がん薬物療法の主体は長らく今日に至るまで外科医が担ってきました。がん薬物療法を専門とする腫瘍内科医師は未だ少なく、診療から研究まで実施できる医療機関は極めて稀でした。日本における腫瘍内科学の発展は、近畿大学病院で腫瘍内科を設立された前任教授である福岡正博先生や、日本臨床腫瘍学会を設立された西條長宏先生など、我が国の腫瘍内科学の礎を築かれた諸先輩のカリスマ性と、彼らの背中を見ながら腫瘍内科医になることを夢見つつ努力と献身を惜しまなかった当時の青年医師たちの惜しまぬ努力に負うところが大きいでしょう。私は、当時若かった青年医師の一人です。近畿大学病院腫瘍内科にはそのような夢見る若き医師が日本全国から結集し、腫瘍内科医のアイデンティティを実現させ、近畿大学病院腫瘍内科独自の研究から国内国外の共同臨床試験への参画まで幅広い研究を実施してまいりました。これらの研究成果が、5年連続での「Highly Cited Researchers」として評価されたと考えています。臨床研究を共にしたすべての研究者の先生方に感謝します。
【直近の論文紹介(一部)】
掲載誌:The Lancet Oncology(IF:35.9)
論文名:Radiotherapy-free pembrolizumab combined with chemotherapy
for locally advanced non-small-cell lung cancer
with PD-L1 tumour proportion score of
50% or higher (Evolution trial): a multicentre, single-arm, phase 2 study
URL :https://doi.org/10.1016/S1470-2045(25)00462-0
掲載誌:Lung Cancer(IF:4.4)
論文名:First-line nivolumab plus platinum chemotherapy and bevacizumab
for advanced nonsquamous non-small cell lung cancer:
A 3-year follow-up of the phase 3 randomized TASUKI-52 trial
URL :https://doi.org/10.1016/j.lungcan.2025.108109
掲載誌:Journal of Thoracic Oncology(IF:20.8)
論文名:RELAY: Final Overall Survival for Erlotinib Plus Ramucirumab
or Placebo in Untreated, EGFR-Mutated Metastatic NSCLC
URL :https://doi.org/10.1016/j.jtho.2024.11.032
【関連リンク】
医学部 医学科 特任教授 中川和彦(ナカガワカズヒコ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/755-nakagawa-kazuhiko.html
医学部
https://www.kindai.ac.jp/medicine/
大学病院
https://www.med.kindai.ac.jp/