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知らないと損!住宅ローン控除も団信も “2人分” 活かす。「ペアローン」活用術|property technologies

共働き世帯が全体の7割を超える現代(※)、住宅購入の常識も大きく変わりつつあります。かつては夫の収入だけでローンを組むのが一般的でしたが、今は「夫婦の力を合わせて、より価値の高い資産を手に入れる」という考え方が主流に。その代表的な手法が「ペアローン」です。
本記事では、現代のパワーカップルが知るべきペアローンのメリット、注意点、そして具体的な返済計画を詳しく解説します。
※出典:総務省統計局 「労働力調査(詳細集計)」 2024年平均結果 (2025年2月14日公表)https://www.stat.go.jp/data/roudou/index.html
【住宅ローンの組み方】

住宅ローンにはいくつかの組み方があります。大きく分けると次の3つです。
• 単独ローン:1人の収入で住宅ローンを組む方法。従来もっとも一般的な形です。
• 収入合算ローン:夫婦の収入を合算し、1本の住宅ローンを契約する方法。
• ペアローン:同じ物件に対して夫婦それぞれが別々に住宅ローンを契約する方法。
この中でも本記事で詳しく取り上げるのが「ペアローン」です。共働き世帯の増加に伴い注目されており、単独や収入合算と比べても柔軟性や節税効果が期待できる点がポイントとなります。
【ペアローンについて】

ペアローンとは、一つの物件に対し、夫婦がそれぞれ住宅ローンを契約する方法です。通常、同じ金融機関で2本のローンを組むことになり、多くの場合、お互いが相手のローンの「連帯保証人」となります。これは、夫婦で共に返済責任を負う、まさに二人三脚のローンと言えるでしょう。
さらに、ローン契約が2本あるため、金利タイプや返済期間といった借入条件を、夫婦それぞれで自由に設定できるのも魅力です。夫は低金利を狙って「変動金利」、妻は将来の安定を重視して「固定金利」を選ぶなど、家計のリスク許容度に合わせた柔軟な設計が可能になります。
「じゃあ、私たちの場合はどうなるの?」そんな疑問にお答えするため、都心に理想のマンションを見つけた共働き夫婦のリアルなモデルケースをご用意しました。
ペアローンを組んだ場合の月々の返済額はもちろん、節税の要である住宅ローン控除が“2人分”でどうなるのか。具体的な数字を使い、単独ローンとも比較しながら、そのメリットを詳しくシミュレーションしていきましょう。
1. 物件事例(ABCDマンション)

▢物件名:ABCDマンション(5階/3LDK)
▢販売価格:9,780万円(税込)
▢専有面積:68.24㎡
バルコニー面積:13.42㎡
▢築年:2015年11月
▢アクセス:京王線「調布」駅 徒歩4分
▢月々の管理費等:管理費 16,000円
:修繕積立金 12,000円

※実在する物件事例を基に作成
2. 住宅ローンのシミュレーションをしてみよう

以下の条件下で約1億円のマンションを購入できるかシミュレーションを行ってみました
夫婦の前提条件
▶夫:年収 1,200万円(会社員・35歳)
▶妻:年収 800万円(会社員・34歳)
▶子供1人(4歳)
▶世帯年収:2,000万円
▶頭金:1,000万円
▶金利・借入期間(試算前提):
夫 変動金利 0.7%・借入期間35年
妻 固定金利 2.0%・借入期間30年
(※例示。実際は金融機関や商品により異なります)
▶夫婦ともに本件以外の借入はなし
購入資金計画
頭金をしっかり入れることで、月々の負担や総返済額を抑えやすくなります。
▶物件価格:9,780万円
▶頭金:1,000万円
▶借入総額:8,780万円
▶諸費用:登記・手数料・税金・火災保険などは自己資金で捻出
ローン返済シミュレーション|ペアローンを活用
夫:6,000万円+妻:2,780万円 合計8,780万円
▶夫の毎月返済額(変動金利:0.7%・借入期間:35年)… 約161,112円/月
▶妻の毎月返済額(固定金利:2.0%・借入期間:30年)… 約102,754円/月
合計の毎月返済額… 約263,866円/月(約316.6万円/年)
ローン返済以外の住宅費
▶管理費16,000円+修繕積立金12,000円=28,000円/月(約33.6万円/年)
シミュレーションの結果、返済比率約15.8%はフラット35を提供する住宅金融支援機構が公表している返済比率の基準35%を大きく下回り、十分に余裕のある水準と言えます。
※返済比率(年)約316.6万円÷2,000万円=約15.8%
フラット35|基本的な要件・申込要件
※数値は上記条件で算出し、他に返済が必要な借入金はない前提。実際の返済額は金利・期間・ボーナス併用の有無等で変動する点にご留意ください。
3. 専門家が教える「ペアローン」最強のメリット4選
1. 単独では手が届かない物件の購入が現実に
夫婦それぞれが住宅ローンを契約するため、合計の借入余力が大きくなります。返済比率の水準も抑えられ、約1億円のマンションが購入の選択肢となります。「憧れのエリア」や「資産価値の高い物件」に手が届くのは大きなメリットです。
2. 住宅ローン控除を“夫婦それぞれ”で活用
住宅ローン控除とは、最大13年間、各年末の住宅ローン残高の0.7%が所得税から控除されるお得な制度です。ペアローンでは夫婦共に利用できるため、2人分で最適化できる余地が広がります。節税メリットを重視する世帯にとって、ペアローンは強力な選択肢です。
住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-1.htm
3. 団体信用生命保険も“2人分”でリスク分散
団体信用生命保険に加入すれば、相続が発生した側の住宅ローン借入残高が0円になります。またペアローン団信という商品も出ており、ペアローン利用者のいずれか一方に万が一のことがあった場合に、二人とも住宅ローンの借入残高が0円(返済が不要)になる商品もあります。団体信用生命保険を活用することで、「もしも」に備える安心感が増します。
4. 返済条件を“別々”に設計
本シミュレーションのように夫=変動金利で低金利メリットを狙う、妻=固定金利で安定を重視するなど家計とリスク許容度に合わせた設計が可能です。
家庭ごとのライフスタイルに合わせやすい柔軟な設計が出来る点が特徴です。

4. メリットの裏側へ。冷静に検討したい注意点とは
1. 諸費用は2契約分
印紙税・司法書士報酬・手数料など、単独ローンより総コストが増えやすい点に注意が必要です。契約段階で「思ったより費用がかかった」と感じやすいため、事前にしっかり把握しておくことをおすすめします。
2. ライフイベントへの耐性
出産・育休・転職・退職など収入変動がローン返済に影響を与えるため注意が必要です。借入前に出産や転職の予定がないかなど、長期的な見通しを持ち、無理のない返済計画を立てましょう。
3. 離婚時の整理が複雑
売却・住み替え・引き継ぎの方針を事前合意しておくと将来の紛争抑止につながります。「契約前にシナリオを想定しておく」ことがトラブル回避につながります。
注意点としては、「実勢価格」は、実際に取引された価格となるため、需要や周辺環境、これからの期待値など、さまざまな要因によって価格が大きく変わることが特徴です。同じ標準地でも土地によって「実勢価格」は異なり、「公示地価(価格)」との差が大きいこともあることを念頭に置くべきです。

よくある質問(FAQ)
Q1: 返済比率はどのくらいが安全?
A1: 家計全体で20%前後を目安に組むと、金利上昇・収入変動にも耐性が出やすい(本試算は約17.5%)。
Q2: 持分はどう決めるべき?
A2: 原則は出資割合に応じるのが基本です。お互いの収入や返済可能額も踏まえて決めましょう。将来の相続や税務にも関わるため、慎重な判断が必要です。
Q3: 固定と変動、どちらが良い?
A3: 「安心」重視なら固定、「総返済の軽さ」重視なら変動を選択するのが一般的です。家計の余力や将来の収入、金利見通しでミックスするのも選択肢の一つです。
まとめ|成功のカギは「将来設計」
共働き世帯にとってペアローンは、資産価値の高い理想の住まいを手に入れる有効な手段です。夫婦の収入を合算して借入額を増やせる上、住宅ローン控除や団体信用生命保険もそれぞれで活用でき、節税やリスク対策に繋がります。
一方で、諸費用が2人分になる点や、出産・転職など将来の収入変動、離婚時の財産整理が複雑化するリスクもあります。メリットと注意点の両面を理解し、長期的な視点で夫婦で話し合い、計画的に活用することが成功のカギです。

「自分ならどうする?」と考えた方は、ぜひ一度、将来設計を含めて、シミュレーションを試してみましょう。あなたに最適な選択がきっと見えてきます。
「マンションの検討・購入」について、本記事で触れた「ペアローン」について、お気軽にお問い合わせください!
(編集・執筆/property technologies 永江 直人)
適用に際しての具体的な注意点
・上記は令和7年10月末時点の適用法令・通達等に基づき記載しております。
・上記事例等は一例であり実際に適用する場合にはご自身が適用要件を満たしているか専門家等にご確認の上適切にご対応頂きますようお願い致します。
・本記事の記載内容にあてはめて適用することを保証するものではありませんのでご留意願います。
監修/大谷 修太(おおたに しゅうた)
齋藤久誠公認会計士・税理士事務所
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
宅地建物取引士
2012年にみずほ銀行へ入社後、2014年みずほ信託銀行へ出向。
2024年まで相続・事業承継・不動産を専門とするコンサルタントとして毎年100家族以上のご相談に対応。現在は独立し「相続や事業承継で経済的に不幸になるご家族を一人でも減らしたい」という理念のもと、幅広い層の皆さまに最適なソリューションを提供

株式会社property technologies(プロパティ・テクノロジーズ)について
「UNLOCK YOUR POSSIBILITIES. ~テクノロジーで人生の可能性を解き放つ~」というミッションを掲げています。年間36,000件超の不動産価格査定実績やグループ累計約13,500戸の不動産販売で培ったリアルな取引データ・ノウハウを背景に、「リアル(住まい)×テクノロジー」で実現する「誰もが」「いつでも」「何度でも」「気軽に」住み替えることができる未来に向け、手軽でお客様にとって利便性の高い不動産取引を提供しています。
<会社概要>
会社名:株式会社property technologies
代表者:代表取締役社長 濱中 雄大
URL:https://pptc.co.jp/
本社:東京都渋谷区本町3-12-1 住友不動産西新宿ビル6号館12階
設立:2020年11月16日
上場:東京証券取引所グロース市場(5527)
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