プレスリリース
日本の医薬品二次包装市場2025~2033年、市場規模・企業動向・分析レポートを発表
株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「日本の医薬品二次包装市場2025~2033年、英文タイトル:Japan Pharmaceutical Secondary Packaging Market Research 2025-2033」調査資料を発表しました。本資料には、日本市場規模、企業動向、セグメント別予測、市場シェアなどの情報などが盛り込まれています。
■主な掲載内容
日本の医薬品二次包装市場は、2024年に22億1,000万米ドル、2025年に23億1,000万米ドルへ拡大し、2033年には33億1,000万米ドルに達すると予測されている。2026~2033年の年平均成長率(CAGR)は4.6%であり、医薬品生産量の増加、ジェネリック医薬品の大量流通、スペシャリティ薬・バイオ医薬品の拡大、厳格な表示・トレーサビリティ要件、物流自動化などを背景に、安定した成長が見込まれている。
この市場でいう医薬品二次包装とは、薬剤そのものに直接触れる一次包装の外側に位置する包装を指し、代表的には折りたたみカートン、箱、印刷添付文書、ラベル、保護包装材などが含まれる。二次包装は単なる外箱ではなく、製品情報の表示、偽造防止、シリアライゼーション、流通時の保護、患者への情報提供などを担うため、日本の厳格な医薬品流通・品質管理システムの中で重要な役割を持つ。
日本ではPMDAを中心とする規制のもとで、薬剤名、用量、使用方法、副作用、製造者情報などを正確に表示する必要がある。そのため、二次包装には高い印刷品質と情報掲載能力が求められる。また、製品の真正性確認や流通追跡の観点から、バーコード、シリアル情報、改ざん防止機能などの重要性も高まっている。
市場を支える大きな要因の一つが、ジェネリック医薬品の高い普及率である。原文では、ジェネリック医薬品が処方数量の約89%を占めるとされており、大量の医薬品が病院、診療所、薬局へ流通するため、カートン、ラベル、添付文書などの包装需要が安定して発生する。
ジェネリックは単価が低くても流通量が非常に大きいため、包装会社にとっては大量生産型の安定需要につながる。特に標準化されたカートンやラベルは、高速印刷・高速包装設備との相性が良く、生産効率を高めやすい。
日本の医薬品物流が高度に自動化されていることも、二次包装市場を支えている。大手卸や物流センターでは、自動仕分け、ロボット搬送、バーコード読み取り、倉庫管理システムなどが広く利用されているため、寸法や形状が標準化されたカートン包装は、機械処理との相性が良い。
市場は、包装タイプ、材料タイプ、最終用途、機能性によって細分化されている。包装タイプ別では、カートン・ボックスが2025年に41.5%の売上シェアを占め、最大セグメントとなっている。
カートン・ボックスが最大である理由は、規制対応、製品保護、物流効率のバランスが良いからである。折りたたみカートンは、比較的広い平面を持つため、薬剤名、用量、使用方法、副作用、製造者情報などを高品質で印刷できる。また、バーコードや識別情報も掲載しやすい。
一方、小型ラベルや柔軟包装では表示面積が限られるため、多くの情報を分かりやすく記載するには制約がある。日本の医薬品では情報表示の正確性が重視されるため、カートンが依然として優位を保ちやすい。
また、カートンは日本の自動物流設備との互換性が高い。寸法が一定で、積載や仕分けがしやすく、自動倉庫、コンベヤー、ロボットピッキングなどへ対応しやすい。このため、メーカーだけでなく卸・物流企業からも標準化包装への需要が強い。
消費者心理も市場を支える要因として挙げられている。日本では、箱入り医薬品が安全性、真正性、品質保証と結びついて認識される傾向があり、きちんとしたカートン包装がブランド信頼につながるとされている。
市場成長の主要なドライバーは、医薬品生産量、特にスペシャリティ薬や高付加価値治療薬の増加である。日本は世界有数の医薬品市場であり、バイオ医薬品、標的治療薬、バイオシミラー、高度注射剤などが医薬品支出に占める割合を高めている。
こうした製品は、通常の低分子錠剤よりも包装要件が厳しい場合が多い。たとえば、光や湿気に敏感な製品では、一次包装だけでなく二次包装にも遮光性や保護性能が求められる。また、高額薬剤では、偽造防止やトレーサビリティの重要性も高い。
原文では、日本のがん治療薬需要が過去5年間で年率6~8%程度増加したとされており、高齢化とがん治療投資の拡大が背景にある。日本では65歳以上人口が28%超とされ、がん治療薬の需要が構造的に増えやすい。
オンコロジー薬では、高価なバイオ医薬品、注射剤、標的治療薬などが多く、包装にも高い品質が求められる。製品価値が高いほど、輸送時の破損、偽造、誤使用を防ぐための二次包装の重要性が増す。
そのため、今後の市場では単純な紙箱だけでなく、機能性の高い包装が増える可能性がある。例えば、耐湿性、遮光性、改ざん防止、開封確認、シリアル番号、QRコードなどを組み合わせた包装である。
シリアライゼーション対応も重要な成長要因である。個々の包装に固有情報を付与し、製造から流通、医療機関まで追跡できれば、偽造薬対策や回収対応を強化できる。
医薬品で品質問題や回収が発生した場合、対象ロットを迅速に特定する必要がある。そのため、二次包装に付与されたバーコードやシリアル情報は、サプライチェーン全体のトレーサビリティにとって重要になる。
偽造防止機能も重要である。ホログラム、特殊印刷、改ざん防止シール、固有コードなどを利用すれば、正規品と偽造品を識別しやすくなる。特に高額スペシャリティ薬では、偽造リスクに対する投資価値が高い。
また、患者安全の観点から、ラベルやカートンの可読性も重要になる。高齢者が多い日本では、小さな文字や複雑な表示は服薬ミスにつながる可能性があるため、フォントサイズ、配色、情報配置などの工夫も求められる。
高齢化が進む日本では、ユニバーサルデザイン型包装の需要も高まる可能性がある。たとえば、開封しやすい箱、視認性の高いラベル、識別しやすい色分けなどが、患者や介護者の使いやすさにつながる。
一方で、持続可能性も重要な市場テーマになっている。製薬業界では、紙使用量、インク、溶剤、包装廃棄物を削減する動きが進んでおり、紙ベース素材やリサイクル可能材料への移行が注目されている。
2024年1月には、Takeda Pharmaceuticalが、日本国内で製造する医薬品の二次包装印刷について、特殊色インクからCMYKインクへ切り替える方針を示したとされる。これは、インク廃棄、溶剤使用、印刷切り替え時の廃棄を減らす目的で、2026年までに対象製品へ展開する計画とされている。
この取り組みは、医薬品包装のサステナビリティが素材だけでなく印刷工程にも及んでいることを示している。特殊色を減らしCMYKに統一すれば、印刷ラインの切り替え頻度を減らし、インク在庫や洗浄廃棄を削減できる。
また、包装の簡素化も今後進む可能性がある。過剰な包装材を削減しつつ、必要な保護・表示機能を維持する設計が求められる。特に大量生産されるジェネリックでは、1箱あたりの材料削減が全体では大きな環境効果になる。
競争環境は比較的集約されており、Oji Holdings、Nippon Paper Industries、Rengoなどの国内紙・包装大手が主要プレーヤーとして挙げられている。これらの企業は、折りたたみカートン、印刷包装材、医薬品添付文書、段ボール保護包装などで強い基盤を持つ。
国内企業の強みは、高品質紙板、印刷技術、医薬品メーカーとの長期取引、国内生産能力などにある。日本では印刷精度や外観品質に対する要求が高いため、安定した品質を提供できる企業が優位になりやすい。
AmcorやWestRockなどのグローバル包装企業も市場に参入し、高バリア性柔軟包装、シリアライゼーション対応包装、多国籍製薬企業向けソリューションを提供している。
Nipro、Hosokawa Yoko、Takigawa、Mitsui Bussan Packagingなども、医薬品向けのカスタム包装、規制対応フォーマット、統合型サプライチェーン包装ソリューションを提供して競争している。
今後の競争では、単純な印刷価格より、規制対応、サステナビリティ、トレーサビリティ、デジタル対応、短納期、多品種対応が重要になる。
特にスペシャリティ薬ではロットサイズが小さく、製品ごとの包装仕様が異なる場合が多いため、大量生産だけでなく、小ロットを効率的に切り替えられる印刷・加工設備が必要になる。
デジタル印刷は、その点で有望である。従来の版を使う印刷より、短いロットや頻繁なデザイン変更に対応しやすく、個別シリアル情報も印刷しやすい。
将来的には、スマート包装も成長領域になる可能性がある。QRコードやNFCタグを使えば、患者がスマートフォンで薬の使用方法や安全情報を確認したり、流通側が真正性を確認したりできる。
紙の添付文書をデジタル情報で補完できれば、包装サイズを抑えながら最新情報を提供しやすくなる。ただし、日本の規制要件に沿って、必要な紙面情報をどこまで省略できるかは制度との整合が必要になる。
二次包装はコールドチェーンとも関係する。バイオ医薬品や注射剤では、一次容器を断熱材や保護箱で包み、輸送中の衝撃や温度変化から守る必要がある。そのため、通常の外箱より高性能な二次・三次包装需要が増える可能性がある。
物流自動化との連携も今後さらに重要になる。包装寸法、重量、バーコード位置などを標準化すれば、ロボット仕分けや自動倉庫での処理効率を高められる。
逆に、デザイン性だけを重視して形状を複雑にすると、物流効率が低下する可能性がある。そのため、製薬企業にはブランド性、患者利便性、規制、物流効率を同時に満たす設計が求められる。
原材料コストも市場の重要な課題である。紙、インク、樹脂、接着剤などの価格が上昇すれば、包装メーカーの収益性が圧迫される。特にジェネリック向けでは価格競争が厳しいため、コスト転嫁が難しい場合がある。
そのため、軽量化、材料削減、生産自動化、印刷工程効率化などを通じたコスト改善が重要になる。
また、医薬品メーカー側ではSKU数の増加も包装会社に影響する。薬剤の用量違い、包装数量違い、地域別表示などが増えるほど、包装仕様が複雑になり、在庫管理も難しくなる。
パッケージング企業がデザイン、印刷、シリアライズ、検査、物流まで一体的に提供できれば、製薬会社の業務負担を減らせるため、付加価値型サービスとして競争力を持つ。
総合すると、日本の医薬品二次包装市場は、2025年の23億1,000万米ドルから2033年には33億1,000万米ドルへ約1.4倍に拡大し、CAGR4.6%で緩やかに成長すると予測されている。
市場の成長率はバイオ医薬品やデジタルヘルス市場ほど高くないものの、すべての医薬品流通に必要な基盤産業であるため、需要の安定性は高い。ジェネリックの大量流通と高付加価値スペシャリティ薬の増加という二つの需要源が市場を支えている。
包装タイプ別では、カートン・ボックスが2025年に41.5%で最大セグメントとなっており、規制情報の表示、製品保護、自動物流との相性、消費者の品質信頼などが優位性の理由となっている。
今後の高付加価値化は、シリアライゼーション、偽造防止、高バリア性、デジタル印刷、スマート包装、環境配慮素材などが中心になる可能性が高い。
一方で、材料コスト、規制対応費、短ロット化、SKU複雑化、サステナビリティ対応などが企業の負担になる。そのため、包装メーカーには印刷・加工の自動化、標準化、材料最適化が求められる。
競争では、Oji Holdings、Nippon Paper Industries、Rengoなどの国内大手が強い一方、AmcorやWestRockなどのグローバル企業も高機能包装で参入している。Nipro、Hosokawa Yoko、Takigawa、Mitsui Bussan Packagingなども、医薬品向けカスタム包装や統合サービスで競争している。
長期的には、日本の医薬品二次包装市場は「箱を作る産業」から「医薬品の安全性、情報、トレーサビリティ、物流効率、環境性能を支える機能産業」へ変化していく可能性が高い。
この市場調査レポートでは、包装タイプ、材料タイプ、最終用途、機能性別の需要を分析し、2033年までの市場価値と売上貢献を予測している。
また、PMDAを中心とした包装規制、医薬品表示基準、シリアライゼーション、偽造防止、市販後品質監視などを規制分析の対象としている。
さらに、主要包装メーカー・技術ベンダーについて、製品ポートフォリオ、技術革新、サステナビリティ、価格戦略、提携などを比較し、包装ライフサイクル最適化、環境配慮素材、コスト効率、スマート包装、高度製造技術などを実務的に評価する内容となっている。
※目次構成
- 定義および概要
調査目的
市場定義
市場範囲
ステークホルダー分析
使用通貨
調査期間 - エグゼクティブサマリー
主要ポイント
トップダウン/ボトムアップ分析
市場シェア分析
主要一次インタビューから得られたデータポイント
主要二次データベースから得られたデータポイント
市場スナップショット
地域別スナップショット - 市場動向
市場への影響要因
成長要因
医薬品生産およびスペシャリティ医薬品市場の拡大
規制遵守およびシリアライゼーション要件の強化
サステナビリティおよび環境配慮型包装への注目の高まり
阻害要因
高機能包装ソリューションの高コスト
複雑なサプライチェーンおよびシステム統合上の課題
市場機会
スマート化・デジタル対応二次包装の拡大
環境イノベーションおよび循環型経済への取り組み
医薬品包装受託機関(CPO)の成長
市場トレンド
ミニマルかつ患者中心の包装へのシフト
サステナビリティ、テクノロジー、安全機能を統合した包装の普及
影響分析 - 業界分析
日本の医薬品二次包装市場におけるポーターの5フォース分析
地政学・サプライチェーン上のリスク
社会的要因・患者中心の要因
経済的要因
価格分析
規制分析
Go-to-Market(GTM)戦略
イノベーション・研究開発動向
サステナビリティ・ESG分析
包装エコシステムの主要参入企業
購買意思決定基準および採用促進要因
DMI見解 — 日本の医薬品二次包装市場の戦略的展望 - 包装タイプ別
はじめに
包装タイプ別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
包装タイプ別市場魅力度指数
カートン・ボックス*
はじめに
市場規模分析および前年比成長率分析(%)
折りたたみカートン
板紙製ボックス
段ボール箱/輸送用箱
フレキシブル包装
スリーブ
ラップアラウンド包装
小売・ディスプレイ包装
ディスプレイユニット
クラムシェル包装
印刷部材
ラベル
リーフレット
添付・挿入物
補助部材
仕切り材
トレー - 材料タイプ別
はじめに
材料タイプ別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
材料タイプ別市場魅力度指数
紙・板紙*
はじめに
市場規模分析および前年比成長率分析(%)
プラスチック・ポリマーフィルム
アルミニウム箔
ガラス
その他 - 最終用途別
はじめに
最終用途別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
最終用途別市場魅力度指数
製薬企業*
はじめに
市場規模分析および前年比成長率分析(%)
医薬品包装受託機関(CPO)
小売薬局
病院・クリニック - 機能別
はじめに
機能別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
機能別市場魅力度指数
トレーサビリティ・認証対応包装*
はじめに
市場規模分析および前年比成長率分析(%)
セキュリティ・改ざん防止包装
安全性重視型包装
デジタル対応包装
サステナブル包装 - 競争環境分析
競争状況
市場ポジショニング/市場シェア分析
M&A(合併・買収)分析
パートナー候補分析
投資・資金調達動向
戦略的提携およびイノベーション・パイプライン - 企業プロファイル
10.1 Oji Holdings Corporation(王子ホールディングス株式会社)*
企業概要
製品ポートフォリオ
売上高分析
価格分析
SWOT分析
最近の動向
大型案件
M&A
協業
買収
合弁事業
イノベーション
最近のニュース
イベント
カンファレンス
シンポジウム
ウェビナー
10.2 その他の主要企業
NIPPON PAPER INDUSTRIES CO., LTD.(日本製紙株式会社)
TAKIGAWA CORPORATION
WestRock
Rengo Co., Ltd.(レンゴー株式会社)
Amcor plc
NIPRO(ニプロ株式会社)
HOSOKAWA YOKO Co., Ltd.
MITSUI BUSSAN PACKAGING CO., LTD.(三井物産パッケージング株式会社)
TOPPAN Holdings Inc.(TOPPANホールディングス株式会社)
※企業一覧は網羅的なものではありません。
- 日本の医薬品二次包装市場 — 調査方法
調査データ
二次データ
一次データ
CAGR分析
市場規模推計手法
ボトムアップ・アプローチ
トップダウン・アプローチ
市場分解およびデータ・トライアンギュレーション
調査上の前提条件
制約事項 - 付録
当社およびサービスについて
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