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    プレスリリース
    2026年5月13日 17:32
    QY Research株式会社

    プリント回路基板業界、2032年までに104730百万米ドル規模へ拡大見込み

    プリント回路基板とは

    プリント回路基板(PCB)市場は、AIサーバー、車載電子、高周波通信の急速な拡大を背景に、世界的な成長局面へ移行している。特にAI計算需要の増加に伴い、高多層・高密度配線基板(HDI)や高周波基板への需要が急拡大しており、プリント回路基板は単なる電子接続部材から、次世代デジタルインフラを支える戦略部品へ進化している。2025年には中国市場規模が4,333億元へ到達し、世界市場の50%超を占める見通しである。さらに、EV、ADAS、6G通信、データセンター投資の加速により、高速伝送対応プリント回路基板への投資が世界規模で拡大している。現在の市場競争は単純な量産能力ではなく、「高周波対応」「低損失材料」「垂直統合」「AI対応基板技術」が企業競争力を左右する段階へ入っている。

    図. プリント回路基板の世界市場規模

    QYResearch調査チームの最新レポート「プリント回路基板―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」によると、プリント回路基板の世界市場は、2025年に80960百万米ドルと推定され、2026年には83730百万米ドルに達すると予測されています。その後、2026年から2032年にかけて年平均成長率(CAGR)3.8%で推移し、2032年には104730百万米ドルに拡大すると見込まれています。

    上記の図表/データは、QYResearchの最新レポート「プリント回路基板―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」から引用されている。

    プリント回路基板市場を支えるAI・高周波通信需要

    プリント回路基板市場の最大成長エンジンは、AIサーバー向け高性能基板需要である。AI学習用GPUサーバーでは、1台当たりのPCB搭載価値が5,000元規模へ拡大しており、2025年の関連市場規模は120億米ドルを超える見通しとなっている。特に800G光モジュール、高速スイッチ、HBMメモリ接続用途では、高多層・低誘電率基板への要求が急速に高まっている。
    また、5Gから6Gへの移行に伴い、高周波・高速プリント回路基板市場は年率25%前後の成長が予測されている。ミリ波基地局では伝送損失低減が重要課題となるため、PTFE系材料や低損失樹脂基板の採用が拡大している。2026年上半期には、日本・韓国・台湾系メーカーが高周波基板向け新材料投資を相次いで発表しており、通信インフラ分野での技術競争が激化している。

    車載電子化がプリント回路基板産業構造を再編

    車載電子市場もプリント回路基板需要を強力に押し上げている。自動運転支援システム(ADAS)、電動化、車載レーダー、バッテリー制御ユニットの普及により、自動車向けPCB需要比率は2020年の12%から2025年には20%へ上昇し、市場規模は300億米ドルを超える見込みである。
    特にEV向けでは、高耐熱・高放熱性能を持つ金属基板や厚銅PCBへの需要が増加している。中国系大手メーカーでは、AI関連事業比率が70%を超える企業も登場しており、光通信モジュールや車載ミリ波レーダー分野へ積極参入している。さらにBYDなどは、銅箔・積層板・PCBを含む垂直統合体制を構築し、製造コストを約12%削減したとされる。こうした垂直統合戦略は、原材料価格変動リスクへの対抗策としても注目されている。

    中国主導の供給網再編と地域競争構造

    現在のプリント回路基板市場では、中国が世界最大の供給拠点として圧倒的存在感を維持している。珠江デルタ地域では中国全体の約40%の生産能力が集中しており、長江デルタ、環渤海地域と合わせて高度製造クラスターを形成している。
    一方で、東南アジアへの生産移転も加速している。特に中低価格帯PCBでは、ベトナム、タイ、マレーシアなどで年15%前後の販売成長率が確認されている。加えて、中国国内でも中西部地域への工場移転が進行しており、一部地域では年間20%超の生産拡大が報告されている。これは人件費上昇と地政学リスク分散を背景とした供給網再構築の一環である。
    ただし、高性能プリント回路基板分野では依然として技術障壁が高い。パッケージ基板や高周波材料では輸入依存率が60%超に達しており、主要メーカーは売上高の8〜10%を研究開発へ投資している。特に低損失材料、微細配線形成、熱管理技術が次世代競争の中心領域となっている。

    今後のプリント回路基板市場展望と成長方向

    2030年に向けて、プリント回路基板市場は「高性能化」と「量産拡大型」の二極化が進行すると予測される。高性能分野ではHDI基板、高周波基板、AIサーバー向け高密度基板が年平均7%超で成長する見込みである。一方、量産分野ではフレキシブル基板や車載PCBが新興国需要を支える中核となる。
    近年はRoHS規制やカーボンニュートラル政策への対応も重要性を増している。低VOC製造工程、省エネルギー設備、リサイクル銅利用など、環境配慮型生産体制が取引条件となるケースも増加している。さらにAI、6G、データセンター投資の長期拡大が続く中、プリント回路基板は単なる電子部品産業ではなく、次世代情報インフラの基盤産業として位置付けられる可能性が高まっている。

    本記事は、QY Research発行のレポート「プリント回路基板―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」に基づき、市場動向および競合分析の概要を解説します。
    【レポート詳細・無料サンプルの取得】
    https://www.qyresearch.co.jp/reports/1614102/printed-circuit-board

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    会社概要
    QYResearch(QYリサーチ)は、2017年に東京で設立された市場調査・コンサルティング企業です。世界市場を対象に、市場調査レポート、受託調査、IPO関連コンサルティングなど多様なサービスを展開し、各業界の市場動向、成長可能性、競争構造を総合的に分析しています。これまでに160以上の国・地域、65,000社を超える企業へ産業情報サービスを提供しており、豊富な調査実績とグローバルネットワークを強みとしています。特に、競合分析、市場規模予測、業界構造分析、カスタマイズ調査分野において、多くの日本企業から高い信頼と評価を獲得しています。