プレスリリース
JAXAとの共同開発から世界へ! フィジカル AI社会を支えるモータづくりに挑む
Piezo Sonicは、宇宙で活用可能性のあるモータとロボット技術を開発し、その技術を一般環境でも提供する宇宙ベンチャー。コア製品である「ピエゾソニックモータ」は、高トルク、高精度の位置決め性能、無通電保持性能、非磁性の強みを備え、多くの機器に採用されています。こうした強みを持つ製品開発を進められた背景や、将来の展望、大田区の立地にどんなメリットを感じているか。多田氏に伺いました。

恩師の信念を受け継いで起業、難攻不落の超音波モータ開発に取り組む
ピエゾソニックモータの出発点は、多田氏が大学時代の研究室で出会った「回転型超音波モータ」でした。
「研究室で明治大学・JAXAとの共同開発に従事し、経験を積み、JAXAに紹介いただいた企業との縁ができる中で、回転型超音波モータの発明者である指田年生氏に会う機会を得ました。私は指田氏の会社に就職して研究を続けまして、回転型超音波モータや、その制御回路の開発に没頭しました」
多田氏がPiezo Sonicを起業したのは2017年12月。立ち上げの背景にあったのは、指田氏が、自身で起業した会社でモータ開発に取り組んでいたことだったと言います。「回転型超音波モータは、“エンジニアの心を壊す”と言われるほど極めて開発が難しいのですが、指田さんがご自身の信念に沿ってチャレンジを継続できていたのは、そこがご自分で作った会社だったからです。エンジニアが起業すれば、自分の権限で動き、自分の判断で夢を追うことができます。私も指田さんの姿勢を踏襲して自ら起業し、回転型超音波モータの開発に集中しようと考えました」

Piezo Sonic創業から約10年。急速にAIが進化し、高度な解析や判断の自動化が当たり前の時代になりました。多田氏は、そうした時代にこそピエゾソニックモータが真価を発揮すると言います。「AIという“頭脳”が導き出した価値を現実世界で具現化するには、正確に動く“身体”としてのアクチュエーター(電気や空気圧、油圧などのエネルギーを物理的な動作に変換する駆動装置)やロボットが必要です。ピエゾソニックモータは、高トルクながら、高精度の位置決め性能、無通電保持性能、非磁性といった多くの強みと高い信頼性を獲得しており、センシングやAIの高度な判断を寸分の狂いなく実行する、次世代アクチュエーターとして活用されています」
モータ活用の自立移動ロボットで、AIの判断を確実な移動・作業へつなげる
ピエゾソニックモータが、次世代アクチュエーターとして活用されている事例を伺いました。
「屋内外を自在に移動できる自律移動ロボット『Mighty-D4』を開発し、国内外の工場・プラントなどの産業施設での導入が進んでいます。この製品をつくった背景の一つが、近年、物流、建設、インフラ点検、警備などの現場で深刻化している人手不足や業務効率化の課題です。Mighty-D4は、一般的な屋内用自律移動ロボットが苦手とする段差や屋外路面も難なく走破し、AIの判断を確実な移動・作業へつなげることができます。AIとロボットが融合する、いわゆる“フィジカルAI社会”の基盤を支えるロボットであると自負しています」
また、Piezo Sonicは海外企業とのビジネスも展開しています。「某空撮テクノロジー企業にピエゾソニックモータを納めています。この企業は航空機から撮影した高解像度の空撮写真や3Dデータを提供していまして、機内のカメラにピエゾソニックモータを活用いただいているのです。従来の航空写真や映像では、仮に0.1度でも撮影角度がずれると、1km上空では画像上で約17cmもずれが生じ、結果として大きくブレてしまう問題がありました。しかし、ピエゾソニックモータを接続したカメラで撮影すると、1km上空からでもずれは最大で0.017mmに抑えられます。つまり、ほぼ静止画像となるわけで、ぶれなく、良質な画像を得ることが可能になるのです。これは、高精度の位置決め性能を備えるピエゾソニックモータだからこそ実現するクオリティと言えます」
2023年にはJAXAが、「軽量・低消費電力のロボットアームのための超音波モータ等の研究開発」を、次世代モータの開発プロジェクト(RFP)に採択。現在でもJAXAとは、研究開発での連携が継続しています。他にもPiezo Sonicが生み出した製品は「グッドデザイン賞」や「CES イノベーションアワード」、精密工学会の「ものづくり最優秀賞」などを受賞し、国内外で高く評価されています。

大田区の支援で飛躍!企業価値を拡大した意義ある情報提供
テクノFRONT森ヶ崎入居後すぐに、大田区産業振興協会からの情報提供や提案などで複数のコンクールに応募し、採択されたことで、Piezo Sonicの知名度やネットワークは大きく広がりました。
「2018年に『大田区ビジネスプランコンテスト』で城南信用金庫様より『良い仕事おこし賞』をいただき、新たなビジネスフェアに出展するチャンスをいただきました。また、2019年には『大田区中小企業 新製品・新技術コンクール』で、『おおた秀逸技能賞』を受賞しました。特に、2018年の『大田区戦略的クラスター産業形成パイロット事業第一期 主幹企業』に採択されたのは当社にとって大きな意義がありました。この事業は、区内企業が連携してロボット、モビリティ、医療のいずれかのテーマでモノづくりをする場合に補助金を出すというものでした。それに応募したことが、前述したMighty-D4の開発につながったのです」

直近では、2025年11月に「第37回大田区中小企業 新製品・新技術コンクール」で「奨励賞」を受賞。2026年6月には、羽田イノベーションシティ内のPiO PARKで開催された、次世代ロボティクス実証プロジェクトのローンチイベント「HICity 次世代ロボティクス Meetup」に参加。Mighty-D4の走行デモンストレーションを行い、多くの来場者に操縦を体験してもらったそうです。 「当社は、テクノFRONT森ヶ崎に入居している三和ステンレスさんや、蒲田のテクノロジーリンクさんと協業しているのですが、当初、協業先を探すのに大変重宝したのがWebサイト『大田区研究開発型企業ガイド』です。区内に優れたものづくり企業が多数あることは知っていたのですが、漠然と探しても見つかるものではありません。その点、研究開発企業と区内の企業をうまくマッチングしてくれるこのサイトなら、的確な企業を見つけられ、当たりを付けた会社さんと最初の段階から実のある話ができます。区内の製造企業のデータベースがしっかり管理されているのは、大田区ならではだと思います」
最後に、これから大田区内で起業を考えている宇宙スタートアップにメッセージをいただきました。 「起業しても軌道に乗るかどうか分からず、不安の種は尽きないでしょう。しかし、大田区では、大田区や大田区産業振興協会をはじめとして、相談すれば、必ず何らかの有益な情報や提案をしてくれます。有意義な“壁打ち”を繰り返すことで、徐々に方向性が明確になり、自分のやるべきことが見えてくると思います。ものづくりをしたいのなら大田区は有望な候補地になるのではないでしょうか」
■企業概要
会 社:株式会社Piezo Sonic(ピエゾ ソニック)
住 所:東京都大田区大森南4-6-15 テクノFRONT 森ヶ崎507(中央事業所所在地)
代 表:代表取締役 多田 興平
設 立:2017年(平成29年)12月
事業内容:超音波モータ開発・製造・販売、モータ制御機器開発・製造・販売/自律移動ロボット・センサーやカメラを活用したIoTデバイス開発/新サービス開発コンサルティング
H P:https://www.piezo-sonic.com/
■URリンケージの取組みについて
株式会社URリンケージは、まちづくり・すまいづくりの総合支援会社です。地域活力共創部では、地域の方々との共創のもと、持続可能な地域の活性化・賑わいづくり・生業づくりに取組んでいます。大田区から「宇宙産業関連スタートアップ立地促進事業業務委託」の受託を受け、企業集積の維持・発展に資する効果的な立地促進事業を行っております。この事業をきっかけに、区内産業と宇宙事業が大田区から大きく飛躍し、より多くの事業者の皆様の認知に繋がれるよう努めて参ります。
▼宇宙産業スタートアップ支援サイト「大田区から宇宙をめざせ!」
https://www.ilsc.metro.tokyo.lg.jp/unv/index.html
【本件に関するお問い合わせ】
担当:鈴木
TEL:080-2304-0418
メールアドレス:suzuki-aki@urlk.co.jp