プレスリリース
AI開発フレームワーク「Hora Kit」をオープンソースで公開 5年分の開発ノウハウを200以上のプロンプトに集約
仕様書から実装・テスト・セキュリティ検証までをAIが一貫して実行
Open Reach Tech 株式会社(本社:東京都江戸川区、代表取締役:山本 次郎)は、2026年8月22日、AI開発フレームワーク「Hora Kit」をオープンソースソフトウェア(OSS)としてGitHubで公開しました。ライセンスはApache License 2.0 で、Hora Kit自体の利用は無償です(実行には別途、コーディング支援AI「Claude Code」が動作する環境が必要です)。また同社は2026年9月28日より、Hora Kitを企業の開発チームに導入する内製化支援の提供を開始します。
Hora Kitは、仕様書の作成から実装・テスト・セキュリティ検証・検収までを、あらかじめ定めた手順に沿ってAIに実行させる開発キットです。1機能ずつ実装と検収を通してから次の機能に進む構造を取り、「人がコードを細かく読まなくても本番に出せる」状態を目指します。同社が創業以来の受託開発で蓄積したレビュー指針を、200以上のプロンプトとワークフローとして固定しています。
URL: https://openreach.tech/ja/insights/hora-kit-release

Hora Kitの仕組み
■ 背景:「速い」だけでは事業に使えない
生成AIの利用でコードを書く速度は上がりましたが、生成されたコードをそのまま本番環境に出せるかという問題は残っています。検証を省いた開発では、動作する画面が数日で出てくる一方で、テストの網羅性や脆弱性の有無を人が後から確かめ直すことになり、結果として手戻りが増えます。
この問題は、人のレビューを増やすことでは解決しにくいものです。AIの出力量に人のレビューが追いつかず、品質がリードエンジニアやCTO個人の力量に依存するからです。
Open Reach Tech は、社内のリードエンジニアやCTOが持っていたレビューの指針そのものをAIが実行できる形式に落とし込み、全案件で同じワークフローを回すことでこの問題に対処してきました。その仕組みを自社内に留めず、検証可能な形で公開するため、今回ソースコードをGitHub上に公開しました。開発手法を説明するだけでなく、実際に動くワークフローを誰でも確かめられる状態にしています。
■ 仕様書を起点に、5つのコマンドで進む
Hora Kitは、開発の工程を5つのコマンドに分けています。利用者はリポジトリをテンプレートから作成し、コマンドを順に実行するだけで、同じ手順を再現できます。
● /hora-spec 仕様書を7つのステージで対話的に作成(バージョンごとに1回)
● /hora-setup 実装リポジトリを作成し初期化(バージョンごとに1回)
● /hora-plan 版を確定し機能一覧を作成(バージョンごとに1回)
● /hora-build 1機能を18の関所に通す(機能ごとに1回)
● /hora-accept 検収を実行(機能ごと・最終)
工程を「バックエンドを全部作ってからフロントエンド」と層で区切るのではなく、機能単位で区切るのが特徴です。1つの機能を、ユースケースの確認、DB・APIスキーマの設計、スタブAPIの作成、実装、セキュリティ監査、画面の作成、検収など、18段階のチェック(関所)に通してから次の機能に進みます。
■ 品質を担保する3つの仕組み
● ユースケースを3回確かめる
仕様書の段階、API完成後、画面設計後の3回、同じユースケースが成立するかを検証します。
● 機能を追加するたびに全テストを実行
変更した範囲だけでなく、全リポジトリの全テストを毎回実行し、既存機能が壊れていないことを確かめます。画面操作を再現するE2Eテストも自動実行します。
● セキュリティ監査を分離する
監査は「読むだけで直さない」専用のエージェントが担当します。実装した主体が自分で監査も兼ねることによる見落としを防ぎます。
■ 公開するものと利用条件
● テンプレート
hora-boilerplate(テンプレートリポジトリとしてそのまま利用可)
● 中核エンジン
hora-core(npm: @openreachtech/hora)
● スキルパッケージ
core / renchan / furo / support の4種
● 対応スタック
バックエンド renchan(Express基盤のGraphQL/REST)、フロントエンド furo(Nuxt)
● ライセンス
Apache License 2.0
● 実行環境
Node.js 20.19.0 以上、npm 10 以上、Claude Code環境
バックエンドの renchan、フロントエンドのfuroは、いずれも同社が2021年・2024年に自社開発し、自社案件で使い続けてきたフレームワークです。なおHora Kit はClaude Code上で動作するため、利用にあたっては同環境の準備が必要です。
■ 自社案件での適用実績
Hora Kit は、公開以前から同社の受託開発で実際に使われてきました。以下は直近の適用例です。
2週間 :海外のオークションサイト運営企業向けに、
複雑なAIワークフローシステムを構築
2週間 :CRMシステムを、要件定義から本番リリースまでゼロから構築
2週間 :20年以上稼働した基幹システムの再構築
1週間 :上場企業の社内教育システム(数十万行規模)を実装
3~4日:WordPress製サイトを自社スタックへリプレイス(数万行規模)
1日 :100万行を超える既存システムの脆弱性診断を完了
いずれも同社の従来の開発では数か月規模の工程でした。同社は現在、40以上のプロジェクトを並行して稼働させ、400以上のリポジトリを1日あたり800以上のコミットで更新しています(2026年9月時点)。
■ 代表コメント
代表取締役 山本 次郎
「AIでコードを書くこと自体は、もう珍しくありません。難しいのは、出来上がったものを本番に出す判断です。私たちは5年間の受託開発で、その判断を支えてきたレビューの基準を持っています。それを人の頭の中に置いたままにせず、AIが毎回同じように実行できる手順にしたのがHora Kitです。開発手法は、中身を見られて初めて評価できるものだと考えています。宣伝文句ではなく、実際に動くコードで判断していただくために、オープンソースとして公開しました。この仕組みが広く使われることで、事業に必要なシステムを作る際のコストと期間の前提が変わると考えています。」
■ 今後の展開
Hora Kitは無償で公開し、同社はこれを用いた受託開発と、2026年9月28日に提供を開始する内製化支援を収益事業として位置づけます。内製化支援では、仕様・テスト・検収の回し方を含む開発フローの導入と、顧客の技術スタックに合わせた調整を行います。あわせてHora Kitのドキュメント整備と対応スタックの拡充を進めます。バグ報告と機能リクエストはGitHub Issuesで受け付けています。
■ 関連リンク
テンプレートリポジトリ: https://github.com/openreachtech/hora-boilerplate
解説記事 : https://openreach.tech/ja/insights/hora-kit-release
■ 会社概要
商号 : Open Reach Tech 株式会社
所在地 : 東京都江戸川区東葛西6-6-5 スワームマンション3 401
代表者 : 代表取締役 山本 次郎
設立 : 2021年3月
拠点 : 東京(本社)、ハノイ(2022年設立の子会社)
事業内容: 受託ソフトウェア開発、
AI開発フレームワーク・自社パッケージの開発、
フィジカルAI領域のソフトウェア開発
URL : https://openreach.tech