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    プレスリリース
    2026年8月30日 11:30
    株式会社マーケットリサーチセンター

    世界の強直性脊椎炎(ベヒテレフ病)の市場規模、疾患概要、疫学予測:2026年調査レポートを発表

    株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「世界の強直性脊椎炎(ベヒテレフ病)の市場規模、疾患概要、疫学予測、英文タイトル:Ankylosing Spondylitis (Bekhterev’s Disease) Epidemiology Forecast; Disease Overview; Epidemiology Forecast; Patient Pool Analysis」調査資料を発表しました。本資料には、市場規模、疾患概要、疫学予測、患者数分析(日本、米国、ヨーロッパ、インドなど)、治療上の課題・アンメットニーズなどの情報などが盛り込まれています。

    ■主な掲載内容

    本レポートは、強直性脊椎炎(Ankylosing Spondylitis:AS、旧称Bekhterev病)の疫学動向について、過去の患者推移と2026~2035年の将来予測を整理した市場調査レポートである。ASは主として脊椎と仙腸関節を侵す慢性炎症性関節炎で、Cong Tianらの2023年の報告では世界有病率は約0.06~0.25%とされる。調査会社は、疾患認知の向上、MRIを含む診断技術の普及、治療選択肢の拡大などによって、今後も診断患者数が着実に増加するとみている。本調査では2025年を基準年、2019~2025年を過去分析期間、2026~2035年を予測期間とし、米国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、日本、インドの8主要市場を対象に、有病率、発症率、年齢、性別、遺伝背景、診断患者数などを分析している。

    ASは全身性の慢性炎症性疾患であり、炎症は典型的には仙腸関節から始まり、腰椎、胸椎、頸椎へと上行する。炎症が長期間持続すると新生骨形成が進み、椎体同士が癒合して脊椎可動性が低下する。その結果、進行例では姿勢が前屈し、日常生活動作が大きく制限されることがある。

    病変は脊椎だけに限られず、末梢関節、眼、心血管系、消化管などにも及ぶ可能性がある。特にぶどう膜炎は代表的な関節外症状であり、ASが単なる腰痛疾患ではなく、全身性炎症性疾患であることを示している。

    遺伝的にはHLA-B27との関連が非常に強い。提示資料では、白人AS患者の約90%にHLA-B27が存在するとされる。また、Malini Alexanderらの2023年の報告では、白人患者では80%超、アメリカ黒人患者では60%未満とされ、人種・民族によって保有率が異なる。

    ただし、HLA-B27陽性であれば必ずASを発症するわけではない。HLA-B27は重要な遺伝的感受性因子ではあるものの、発症には他の遺伝要因や環境因子も関与すると考えられる。

    発症年齢は比較的若い。Gasteiner Heilstollenの疫学観察によると、初発症状は15~35歳に出現することが多い。したがって、ASは高齢者に初めて発症する典型的な変性疾患とは異なり、青年期から若年成人期に始まる慢性炎症性疾患である。

    一方、診断は発症よりかなり遅れることがある。若年者の慢性腰痛は筋骨格系の一般的な痛みとして扱われやすく、炎症性腰痛として認識されない場合があるためである。ドイツでは平均診断遅延が約7年と報告されており、かなり長期間未診断で経過する患者が存在する。

    この診断遅延は、疫学上非常に重要である。真の有病患者数と医療機関で診断されている患者数には差があり、2026~2035年に診断患者数が増加しても、それが必ずしも疾患そのものの発生増加を意味するとは限らない。MRIを含む診断技術の普及によって、従来見逃されていた患者が捕捉される影響が大きいと考えられる。

    特にMRIの導入は、女性や非放射線学的病期の患者の診断改善に寄与している。従来は単純X線で明確な仙腸関節変化が出るまで診断されにくかったが、MRIではより早期の炎症性変化を捉えられる可能性がある。

    そのため、歴史的には男性優位とされてきたASの性差についても、近年は見直されている。提示資料では「男性がより多く診断される」とされる一方、Ajanee Mahakkanukrauhらの2024年のデータでは、2017年の発症率が女性22.4/10万人年、男性18.3/10万人年、2018年では女性11.8、男性8.9、2019年では11.6対9.1、2020年では11.7対9.0と、女性の方が高い値を示している。

    したがって、ASを一貫して「男性に圧倒的に多い疾患」と捉えるのは慎重であるべきである。従来の診断法では女性や非放射線学的症例が過少診断されていた可能性があり、MRIベースの評価が普及することで男女差が縮小している可能性がある。

    一方、Mayur Sharmaらの2022年の米国データではASの有病率は約0.5~1%で、男性に多いとされる。この点からも、性差は国や診断基準、研究時期によって異なる可能性がある。

    世界有病率はCong Tianらの2023年の報告で約0.06~0.25%とされるが、米国の0.5~1%という推定はかなり高い。これは疾患定義、対象人口、HLA-B27頻度、診断基準などの違いを反映している可能性がある。

    地域差にはHLA-B27の集団頻度が強く関係している。Malini Alexanderらによると、ノルウェー、スウェーデン、アイスランドでは一般人口の約10~16%がHLA-B27を保有する。一方、イヌイット、ユピック、北米先住民の一部では25~50%に達するとされる。

    このため、HLA-B27頻度の高い集団ではAS有病率も相対的に高くなる傾向がある。逆に、HLA-B27頻度が低い集団ではASはよりまれとなる。

    人種・民族差も明確である。Malini Alexanderらの2023年の報告では、ASは米国黒人集団で白人集団の約3分の1程度の頻度とされ、混血の少ないアフリカ系黒人集団では極めてまれとされる。

    HLA-B27陽性率については、アフリカ系アメリカ人で約62.5%、白人アメリカ人で85.3%、ラテン系アメリカ人で86.7%とされる。つまり、AS患者の中でも人種ごとにHLA-B27陽性率がかなり異なる。

    一方、アフリカ系アメリカ人ではHLA-B27陽性率が低いにもかかわらず、より高い疾患活動性が報告されている。したがって、疾患頻度と疾患重症度は必ずしも同じ方向に動くわけではない。

    国別では、米国のAS有病率は約0.5~1%と推定される。これは世界平均推定0.06~0.25%より高い数値であり、米国の患者集団が比較的大きいことを示す。

    ただし、米国全人口にこの値をそのまま適用する場合には注意が必要である。人種構成が多様であり、白人、黒人、ラテン系などでHLA-B27保有率やAS有病率が異なるため、集団平均値にはばらつきがある。

    ドイツではKristina Berrらの2023年の報告で有病率約0.3~0.5%とされる。さらに平均診断遅延が約7年で、未診断患者も相当数存在するとされるため、実際の疾病負担は診断患者数より大きい可能性がある。

    英国、フランス、スペイン、イタリア、日本、インドについては、提示資料では具体的な国別有病率は示されていない。ただし、各地域で早期診断の難しさや疾患負担の正確な把握が共通課題とされている。

    日本やインドでは、欧米よりHLA-B27頻度が低い集団が含まれるため、欧米のAS有病率をそのまま適用することはできない。今回の資料でも、地域ごとの詳細な数値は示されておらず、国別患者数の推定には現地疫学データが必要である。

    市場・疫学上では、ASとより広い体軸性脊椎関節炎の概念を区別することも重要である。MRIによって単純X線では仙腸関節変化が明確でない早期・非放射線学的症例が診断されるようになっているため、従来のAS患者群より広い病態スペクトラムが認識されている。

    そのため、診断患者プールの増加の一部は、疾患定義が実質的に早期段階まで広がっていることを反映する可能性がある。従来であれば数年後までASと診断されなかった患者が、より早期に炎症性脊椎疾患として認識されるようになるということである。

    症状管理と長期予後の観点では、慢性炎症を早期から抑えることが重要である。治療の目的は、疼痛やこわばりを軽減し、炎症を抑制し、脊椎可動性と身体機能をできるだけ長く維持することである。

    薬物療法の第一選択としては、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が用いられる。NSAIDsは疼痛や炎症を軽減し、日常生活機能を改善する基本的治療である。

    提示資料では、NSAIDsを継続使用することで画像上の進行を抑える可能性にも触れている。ただし、実際の長期的な構造進行抑制効果は患者や研究条件によって異なり得るため、基本的には症状コントロールの第一選択として理解するのが適切である。

    NSAIDsで十分な効果が得られない活動性ASでは、生物学的製剤が重要となる。特にTNF阻害薬は疾患管理を大きく変えた治療群であり、アダリムマブ、エタネルセプト、インフリキシマブなどが挙げられる。

    TNF阻害薬は炎症性サイトカインTNFを標的とし、疼痛、朝のこわばり、脊椎炎症などを抑制する。従来の対症療法だけでは十分に管理できなかった患者に対し、大きな治療効果をもたらしてきた。

    さらに近年では、IL-17A阻害薬も重要な選択肢となっている。資料ではセクキヌマブ、イキセキズマブが挙げられ、活動性ASに対して高い有効性が示されている。

    これにより、TNF阻害薬に反応しない患者や、患者背景によって別の作用機序が適する患者でも、治療選択肢が拡大している。

    JAK阻害薬も新しい治療カテゴリーとして位置づけられている。資料ではトファシチニブが、TNF阻害薬で十分な効果が得られなかった患者に対して規制当局の承認を得た治療として記載されている。

    ただし、JAK阻害薬については薬剤ごとの承認状況や適応が国・地域で異なり得るため、提示資料の記述を一般化する際には注意が必要である。

    非薬物療法も治療の中核である。理学療法、構造化された運動療法、水中運動療法などによって、脊椎可動域、姿勢、筋力を維持することが重要となる。

    ASでは炎症が抑えられても、すでに形成された骨性癒合を元に戻すことは困難である。そのため、薬物療法と運動療法を並行して行い、早期から可動性を維持することが重要である。

    特に胸郭や脊椎の可動性低下が進むと、呼吸運動や日常動作にも影響する可能性があるため、継続的な運動が生活の質維持に重要となる。

    市場の観点では、ASは比較的若年で発症し、その後何十年にもわたって治療が続く慢性疾患である。このため、患者一人あたりの治療期間が長く、NSAIDs、生物学的製剤、JAK阻害薬、リハビリテーションなどの継続需要が大きい。

    特に生物学的製剤の普及によって、AS市場は従来の鎮痛・抗炎症中心から、特定の炎症性サイトカインを標的とする長期的な疾患修飾治療市場へ移行している。

    また、診断改善が市場規模に直接影響する。ドイツで平均7年の診断遅延があるというデータが示すように、潜在的な未診断患者が相当数存在する可能性があり、MRIや専門医へのアクセス改善によって治療対象患者が増える可能性がある。

    全体として本レポートは、ASを「15~35歳頃に発症しやすく、仙腸関節から脊椎へ慢性炎症が進行し、放置すると骨形成・椎体癒合によって脊椎可動性が低下する、HLA-B27と強く関連した全身性炎症性疾患」と位置づけている。

    世界有病率は約0.06~0.25%とされる一方、米国では0.5~1%、ドイツでは0.3~0.5%と、地域によってかなり差がある。こうした地域差にはHLA-B27の集団頻度が強く関与しており、北欧では一般人口の10~16%、一部の北方先住民族では25~50%がHLA-B27を保有するとされる。

    人種差では、ASは米国黒人集団で白人より約3倍少なく、HLA-B27陽性率もアフリカ系アメリカ人62.5%、白人アメリカ人85.3%、ラテン系アメリカ人86.7%と異なる。一方、アフリカ系アメリカ人では疾患活動性がより高いという報告もあるため、単純な有病率だけでは疾病負担を評価できない。

    性別については、従来は男性優位とされてきたが、近年のデータでは女性の発症率が男性と同等、あるいは高い年も報告されている。MRIを用いた診断によって、従来見逃されていた女性や非放射線学的症例が発見されるようになったことが、性差の見直しにつながっている可能性がある。

    2026~2035年の疫学・市場動向を考えるうえでは、ASそのものの急激な発症増加よりも、診断認知の向上、MRIの普及、専門医への紹介改善、非典型・女性患者の診断増加などによって、診断患者プールが拡大することが重要と考えられる。

    また、TNF阻害薬、IL-17A阻害薬、JAK阻害薬など治療選択肢が増えたことで、患者が長期間疾患を管理しながら生活できるようになり、治療継続患者の蓄積も市場を押し上げる要因となる。

    したがって、今後のAS管理における中心的課題は、若年者の慢性腰痛を単なる機械的腰痛として長期間見逃さず、15~35歳頃に始まる炎症性腰痛の特徴を早期に認識すること、必要に応じてMRIやHLA-B27などを用いて早期診断すること、NSAIDsで症状を抑えつつ、活動性が持続する患者ではTNF阻害薬、IL-17A阻害薬、JAK阻害薬などへ適切にエスカレーションすること、そして薬物療法と理学療法・運動療法を組み合わせて脊椎可動性を長期的に維持することである。2026~2035年は、ASを「進行して脊椎が固まってから診断する疾患」としてではなく、若年期の早い段階で炎症を捉え、構造障害が固定する前に長期的な疾患制御を開始することが、臨床・市場双方の主要テーマになるとまとめられる。

    ※目次構成

    01
    序文
    1.1 はじめに
    1.2 調査目的
    1.3 調査方法および前提条件

    02
    エグゼクティブサマリー

    03
    強直性脊椎炎(ベヒテレフ病)市場概要(8主要市場)
    3.1 強直性脊椎炎(ベヒテレフ病)市場の過去市場規模(2019年~2025年)
    3.2 強直性脊椎炎(ベヒテレフ病)市場の予測市場規模(2026年~2035年)

    04
    強直性脊椎炎(ベヒテレフ病)疫学概要(8主要市場)
    4.1 強直性脊椎炎(ベヒテレフ病)疫学状況(2019年~2025年)
    4.2 強直性脊椎炎(ベヒテレフ病)疫学予測(2026年~2035年)

    05
    疾患概要
    5.1 症状および徴候
    5.2 原因
    5.3 リスク要因
    5.4 ガイドラインおよび病期分類
    5.5 病態生理
    5.6 スクリーニングおよび診断

    06
    患者プロファイル
    6.1 患者プロファイル概要
    6.2 患者心理および感情面への影響要因

    07
    疫学状況および予測(8主要市場:2019年~2035年)
    7.1 主要調査結果
    7.2 前提条件および根拠
    7.3 8主要市場における強直性脊椎炎(ベヒテレフ病)疫学状況(2019年~2035年)

    08
    疫学状況および予測:米国(2019年~2035年)
    8.1 米国における強直性脊椎炎(ベヒテレフ病)疫学状況(2019年~2035年)

    09
    疫学状況および予測:英国(2019年~2035年)
    9.1 英国における強直性脊椎炎(ベヒテレフ病)疫学状況(2019年~2035年)

    10
    疫学状況および予測:ドイツ(2019年~2035年)
    10.1 ドイツにおける強直性脊椎炎(ベヒテレフ病)疫学状況(2019年~2035年)

    11
    疫学状況および予測:フランス(2019年~2035年)
    11.1 フランスにおける強直性脊椎炎(ベヒテレフ病)疫学状況(2019年~2035年)

    12
    疫学状況および予測:イタリア(2019年~2035年)
    12.1 イタリアにおける強直性脊椎炎(ベヒテレフ病)疫学状況(2019年~2035年)

    13
    疫学状況および予測:スペイン(2019年~2035年)
    13.1 スペインにおける強直性脊椎炎(ベヒテレフ病)疫学状況(2019年~2035年)

    14
    疫学状況および予測:日本(2019年~2035年)
    14.1 日本における強直性脊椎炎(ベヒテレフ病)疫学状況(2019年~2035年)

    15
    疫学状況および予測:インド(2019年~2035年)
    15.1 インドにおける強直性脊椎炎(ベヒテレフ病)疫学状況(2019年~2035年)

    16
    患者経路

    17
    治療課題および未充足ニーズ

    18
    キーオピニオンリーダー(KOL)による洞察

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