報道関係者各位
    プレスリリース
    2026年10月1日 10:30
    一般社団法人わたしらしく生きる認知症ネットワーク

    親の介護と仕事の両立、4人に3人が「不安」  『親が認知症になる前の子ども世代に関する意識調査』結果公開

    ― 介護休業制度があるのに、知っているのは半数だけ ―  家族間の対話不足と「何から始めればよいか分からない」実態が浮き彫りに

    一般社団法人わたしらしく生きる認知症ネットワーク(所在地:東京都目黒区、代表理事:佐藤麗子、以下「当法人」)は、2026年7月8日に開催した参加型イベント「親が認知症になってからでは遅い?~40代から始める介護の備え~」で実施したアンケート調査およびワークショップの結果をまとめた調査報告書『親が認知症になる前の子ども世代に関する意識調査』(調査報告書No.001、2026年7月発行)を公開したことをお知らせします。


    新聞記事を題材に「親の認知症と介護」について考える参加者

    新聞記事を題材に「親の認知症と介護」について考える参加者


    ■ 調査の背景

    日本では高齢化の進展に伴い認知症のある人の増加が見込まれる一方、認知症や介護に関する情報発信の多くは、診断後や介護開始後を対象としたものが中心です。しかし実際には、親が元気に暮らしている段階から「将来どうなるのだろう」と漠然とした不安を抱える子ども世代は少なくありません。当法人は、「親はまだ元気だから」と備えを先送りしがちな時期からできる備えに着目し、前述のイベントを開催。当日実施したアンケートおよびワークショップの回答を整理・分析し、本報告書としてまとめました。なお、本イベントは、行政書士・フリーランス介護士とともに立ち上げた共同プロジェクト「親の認知症と介護準備室」の取り組みの一環として、当法人が中心となって企画・運営したものです。



    ■ 調査概要

    調査名 : 親が認知症になる前の子ども世代に関する意識調査

    実施日 : 2026年7月8日

    実施方法: 参加型イベントにおけるアンケート調査およびワークショップ

          (自由記述)

    回答者数: 28名(イベント参加者33名、回収率84.8%)

    発行  : 一般社団法人わたしらしく生きる認知症ネットワーク(2026年7月)


    回答者の年代(アンケート結果)

    回答者の年代(アンケート結果)


    ■ 主な調査結果

    1. 親の介護が始まった場合の仕事継続、4人に3人が「不安」

    「不安がある」(57.1%)、「続けられないと思う」(17.9%)との回答が合計75.0%(21名)にのぼりました。


    親の介護開始時に仕事を続けられるか(アンケート結果)

    親の介護開始時に仕事を続けられるか(アンケート結果)


    2. 家族との話し合いは半数以上が「不十分」

    「全く話したことがない」(39.3%)、「話しにくい雰囲気がある」(14.3%)との回答が合計53.6%(15名)。介護休暇・介護休業制度を「知っている」との回答は50.0%にとどまりました。


    家族と介護について話した経験(アンケート結果)

    家族と介護について話した経験(アンケート結果)


    介護休暇・介護休業制度の認知状況(アンケート結果)

    介護休暇・介護休業制度の認知状況(アンケート結果)


    3. 気がかりは認知症に限らず、暮らし全体に及ぶ(自由記述102件)

    ワーク(1)「親について今、気がかりなこと」では102件の自由記述が寄せられ、健康・身体機能、お金・財産管理、家事・生活、介護・住まい、家族関係、終活など多岐にわたるテーマが挙げられました。


    ワーク「親について今、気がかりなこと」(1枚目)

    ワーク「親について今、気がかりなこと」(1枚目)


    ワーク「親について今、気がかりなこと」(2枚目)

    ワーク「親について今、気がかりなこと」(2枚目)


    現在の親の状況(アンケート結果)

    現在の親の状況(アンケート結果)


    4. 「何から始めればよいか」を超え、身近な行動へ(自由記述102件)

    ワーク(2)「一週間以内に一歩踏み出すこと」では、「親に電話をする」「会いに行く」「家族と話す」など、日常生活の中で実践できる具体的な行動が多く記載されました。


    ワーク「1週間以内に一歩踏み出すこと」(1枚目)

    ワーク「1週間以内に一歩踏み出すこと」(1枚目)


    ワーク「1週間以内に一歩踏み出すこと」(2枚目)

    ワーク「1週間以内に一歩踏み出すこと」(2枚目)


    ■ 本調査から見えたこと

    ・参加者が抱える不安は、認知症という疾患そのものではなく、それをきっかけに生じる生活全体の変化に向けられている。

    ・不安があっても行動に移せない背景には、「関心がない」のではなく「最初の一歩が分からない」状態がある。

    ・認知症への備えは特別な準備ではなく、親との日常的なコミュニケーションから始められる。

    ・介護が始まる前の段階だからこそ必要とされる支援がある。

    ・身近な家族だからこそ話しにくい面もあり、第三者や専門家が対話のきっかけを提供することも有効と考えられる。

    ・仕事と介護の両立は個人の問題にとどまらず、生産年齢人口が減少する社会において労働力確保の観点からも重要な課題であり、企業を含めた組織的な支援体制づくりが求められる。

    ・備えの機会が乏しいまま介護に直面すると、介護離職につながるおそれもある(総務省「令和4年就業構造基本調査」によれば、介護・看護を理由とする離職者は年間約10.6万人)。



    ■ 一般社団法人わたしらしく生きる認知症ネットワークからのコメント

    「本調査を通して、多くの参加者が『親の認知症に備えたい』という思いを持ちながらも、何から始めればよいか分からない状況にあることが明らかとなりました。今後も当法人では、『親がまだ元気な今』だからこそできる備えについて、対話や学びの機会を提供し、一人でも多くの人が安心して最初の一歩を踏み出せる社会づくりに取り組んでまいります。」


    法人のミッション・ビジョンを語る代表理事・佐藤麗子

    法人のミッション・ビジョンを語る代表理事・佐藤麗子


    活動の原点となった母との写真を紹介する代表理事・佐藤麗子

    活動の原点となった母との写真を紹介する代表理事・佐藤麗子


    ■ 添付資料について

    本リリースには、下記の資料を添付しております。

    ・簡易版調査レポート(本調査の要点をまとめたダイジェスト版)

    ・完全版調査レポート(調査報告書No.001、全23ページ)

    ・代表理事 佐藤麗子 プロフィール



    ■ 団体概要

    団体名 : 一般社団法人わたしらしく生きる認知症ネットワーク

    設立  : 2025年4月14日

    代表理事: 佐藤麗子

    所在地 : 〒153-0063 東京都目黒区目黒1-4-16 目黒Gビル7階

    URL   : https://living-with-dementia.or.jp/

    事業内容: 認知症になっても本人・家族が自分らしく暮らせる社会の

          実現に向けた、認知症予防支援・普及啓発・調査研究に加え、

          企業向けに「仕事と介護の両立」を支援する

          認知症BCP構築、講演・研修等を展開



    ■ 本件に関するお問い合わせ先

    一般社団法人わたしらしく生きる認知症ネットワーク

    担当 : 代表理事 佐藤麗子

    TEL : 03-6869-1139

    Email: reiko.sato@living-with-dementia.or.jp