報道関係者各位
    プレスリリース
    2026年8月25日 08:45
    株式会社IRODORI

    現役ケアマネジャー106名に調査の実施  AIツール使用率は85.8%、テレワーク希望は91.5%

    ~「業務負担・IT化・AI活用」実態調査~

    株式会社IRODORI(本社:東京都中央区銀座、代表取締役:遠山 直)が運営する介護ポータルサイト『介護のススメ』は、一般社団法人日本単独居宅介護支援事業所協会(ケアマネジャーを紡ぐ会)と共同で、現役ケアマネジャー106名を対象に「業務負担・IT化・AI活用」に関する実態調査を実施しました。


    85.8%のケアマネジャーが個人的にAIツールを業務に取り入れ、記録作成や情報収集などの文書業務では効率化が進んでいます。


    しかし、事業所のITツール導入は「一部のみ」が最多の41.5%にとどまり、関係機関との連絡手段は依然として電話が65.1%を占めるなど、デジタル化の恩恵は限られた業務にしか及んでいないのが現状です。


    個人レベルでのデジタル活用が先行しながらも、事業所間の連携や業界全体のIT環境整備が追いついていない実態が浮き彫りになりました。



    ■調査サマリー

    TOPICS(1)

    業務負担の最大要因は「記録作成」51.9%。「行政への書類・事務作業」43.4%が続き、約4割が日常的に残業


    TOPICS(2)

    関係機関との連絡手段は「電話」が65.1%で圧倒的多数。デジタルツールの普及は依然として道半ば


    TOPICS(3)

    AIツール使用率は85.8%に到達。ChatGPTが最多で、ケアプラン作成や記録の下書きに活用が広がる


    TOPICS(4)

    事業所のITツール導入は「一部のみ」が41.5%で最多。積極導入は35.8%にとどまり、事業所間の格差が鮮明に


    TOPICS(5)

    テレワーク希望は91.5%。実現にはクラウド型介護ソフト、端末支給、勤怠管理ルールの整備が不可欠



    ■業務負担の最大要因は「記録作成」51.9%、約4割が日常的に残業

    日々の業務の中で最も負担が大きいと感じる業務(複数回答)を尋ねたところ、「サービス担当者会議やモニタリングの記録作成」が51.9%でトップとなり、次いで「行政等への書類作成・事務作業」が43.4%でした。


    「関係機関との連絡調整」(32.1%)、「利用者や家族とのコミュニケーション」(29.2%)、「移動時間」(20.8%)が続き、ケアマネジャーの業務時間の多くが記録・事務・調整に費やされている実態が明らかになりました。


    最も負担が大きいと感じる業務

    最も負担が大きいと感じる業務


    1日の平均残業時間は「ほぼない」が41.5%で最多となった一方、「1~2時間程度」(23.6%)、「2時間以上」(17.9%)と、合わせて約4割が日常的に残業をしている現状も浮き彫りになっています。


    1日の平均的な残業時間

    1日の平均的な残業時間


    業務負担の軽減策として個人で取り組んでいることでは、「記録のテンプレート化・定型文の活用」が63.2%で最多。「音声入力やスマホを活用した隙間時間での記録作成」(49.1%)、「チャットやメールなど非同期の連絡手段への切り替え」(44.3%)が続き、現場のケアマネジャーが個人レベルで工夫を重ねている姿がうかがえます。


    業務負担軽減のために個人で工夫していること

    業務負担軽減のために個人で工夫していること


    ■関係機関との連絡手段は「電話」が65.1%で圧倒的多数

    他の介護事業所や医療機関とのやり取りにおいて最も多く使っている連絡手段を尋ねたところ、「電話」が65.1%で圧倒的多数を占めました。


    「FAX」(14.2%)、「ビジネスチャット(LINE WORKS、MCSなど)」(11.3%)、「メール」(7.5%)と、デジタルツールへの移行は限定的です。


    ▼回答の一例(自由記述より)

    「こちらがペーパーレスだがFAXでのやり取りを求められる。他の事業所もメールは使ってほしい」

    「連携ツールも他事業所が使えないため、結局電話かFAXが多い。相手が使えないとどうにもならないと日々感じています」


    自事業所のデジタル化が進んでいても、連携先が対応していなければ効果が限定される――業界全体でのデジタル化推進が急務であることを示す結果となりました。


    関係機関との連絡で最も多く使っている手段

    関係機関との連絡で最も多く使っている手段


    ■AIツール使用率は85.8%に到達、ChatGPTが最多

    業務でのAIツール使用状況を尋ねたところ、「日常的に使用している」が50.9%、「ときどき使用している」が34.9%で、合わせて85.8%のケアマネジャーがAIツールを業務に取り入れていることが明らかになりました。


    業務でのAIツール使用状況

    業務でのAIツール使用状況


    使用しているAIツール(複数回答)は、「ChatGPT(OpenAI)」が63名で最多、次いで「Gemini(Google)」が49名、「Copilot(Microsoft)」が16名でした。主な活用場面としては、ケアプランや担当者会議録の文例・下書き作成、研修資料の作成、制度・疾患に関する情報収集が挙げられ、文書作成業務を中心に幅広く活用が進んでいます。


    使用しているAIツール

    使用しているAIツール


    ▼回答の一例(自由記述より)

    「全ての記録やまとめは音声データで記録してAIで形を変えて残しています。人間が聞いて記憶することはとても限りがある。AIはとても役に立っています」

    「個人でAIに課金しているので、事業所として導入してほしい」


    個人の積極的な活用が先行する一方、事業所としてのAI導入はこれからという段階にあることもうかがえます。



    ■事業所のIT導入は「一部のみ」が41.5%で最多、事業所間格差が鮮明に

    事業所のITツール導入状況は、「一部のみ導入されている(紙やFAXの文化も根強く残っている)」が41.5%で最多。「積極的に導入され、活用できている」は35.8%にとどまり、「導入されているが、あまり活用できていない」「ほとんど導入されていない」がそれぞれ11.3%でした。


    事業所のITツール導入状況

    事業所のITツール導入状況


    ITツールの効果を感じている場面(複数回答)では、「記録作成の時間が短縮された」(49.1%)、「移動中や外出先でも業務ができるようになった」(46.2%)、「ペーパーレス化で書類管理が楽になった」(29.2%)が上位を占め、導入済みの事業所では着実に効果が実感されています。


    ITツール導入により効果があったと感じる場面

    ITツール導入により効果があったと感じる場面


    今後の導入・活用を希望するツール(複数回答)では、「関係機関と連携できるビジネスチャットツール」が46.2%でトップ、「AIツール(記録の下書き・文章作成の補助など)」が41.5%、「音声入力ツール」が38.7%で続きました。電話やFAXに依存する現状への課題感と、AI・音声入力による記録業務の効率化への切実な期待が表れています。


    今後導入・活用を進めてほしいITツール

    今後導入・活用を進めてほしいITツール


    ▼回答の一例(自由記述より)

    「クラウド型介護ソフト、ペーパーレス化は概ね完了している。しかし、外部機関が導入していないため実施できていないことが多い」

    「業務負担軽減やIT化に向けてさまざまな取り組みを進めていますが、職員によってデジタル機器の操作スキルに差があり、思うように進まないこともあります」



    ■テレワーク希望は91.5%、実現には制度・環境の多角的整備が不可欠

    テレワーク(在宅勤務)への意向を尋ねたところ、「積極的に取り入れたい」が63.2%、「週に数日程度なら取り入れたい」が28.3%で、合わせて91.5%がテレワークに前向きな姿勢を示しました。「ケアマネ業務の性質上、テレワークは不可能だと思う」はわずか1.9%にとどまっています。


    テレワークへの意向

    テレワークへの意向


    テレワーク実現に必要だと思う条件(複数回答)は、「セキュリティが確保されたクラウド型の介護ソフト」(59.4%)、「テレワークに対応した勤怠管理や労務ルールの整備」(58.5%)、「端末支給」(56.6%)、「事業所内のペーパーレス化」(54.7%)が上位を占めました。


    「オンラインでのサービス担当者会議の制度的な容認」(40.6%)も4割を超え、ソフト・ハード両面の環境整備に加え、制度面での後押しが求められています。


    テレワーク実現に必要だと思う条件

    テレワーク実現に必要だと思う条件


    ▼回答の一例(自由記述より)

    「ほぼリモートでケアマネ業務をしています。FAX、ペーパーレスが課題。行政や関係機関との連絡ツールの脱電話・書類を進めないと、家族の仕事との両立を支えられないと感じている」

    「テレワークを積極的に導入しているが、運用においてはきちんとしたルール化がないとトラブルの元になると感じています」



    ■まとめ

    今回の調査から、ケアマネジャーのAI活用が急速に進み、85.8%が業務にAIを取り入れている一方で、事業所全体のIT環境整備には依然として大きな格差があることが確認されました。関係機関との連絡手段は電話が65.1%を占め、連携先のデジタル化の遅れが個々の事業所の努力だけでは解決できないボトルネックとなっています。


    テレワークへの意欲は91.5%と圧倒的に高く、ケアマネジャーの働き方改革への期待がうかがえます。その実現には、クラウド型介護ソフトの普及、端末支給、勤怠管理ルールの整備、オンライン会議の制度的容認など、多角的な環境整備が不可欠です。


    介護現場の人材確保が深刻な課題となる中、IT化・AI活用による業務負担の軽減と柔軟な働き方の実現は、ケアマネジャーという専門職の持続可能性を高める鍵となります。


    本調査が、介護現場・企業・行政それぞれの立場からケアマネジャーの働き方改革を前進させるきっかけとなれば幸いです。



    【調査概要】

    調査名  :ケアマネジャーを対象とした

          「業務負担・IT化・AI活用」に関する実態調査(第2回)

    調査企画 :株式会社IRODORI

    調査協力 :一般社団法人日本単独居宅介護支援事業所協会

          (ケアマネジャーを紡ぐ会)

    調査期間 :2026年8月3日~8月17日

    調査方法 :オンラインアンケート

    有効回答数:106名

    回答者属性:現役ケアマネジャー

          (経験10年以上 66.0%、3~10年 23.6%、3年未満 10.4%)


    ※本調査についての解説記事は、介護情報ポータルサイト「介護のススメ」にて公開しています。

    https://kaigonosusume.jp/news/care-manager-ai-it-survey/



    【株式会社IRODORIについて】

    株式会社IRODORIは、介護ポータルサイト『介護のススメ( https://kaigonosusume.jp/ )』の企画・運営を通じて、介護の「空き状況」や「受け入れ条件」を見える化し、ケアマネジャーと介護事業者のスムーズなマッチングを実現するサービスを提供しています。令和6年度「TOKYO地域資源等を活用したイノベーション創出事業」(公益財団法人 東京都中小企業振興公社)に採択されました。


    所在地 : 東京都中央区銀座7-13-6 サガミビル2F

    代表者 : 代表取締役 遠山 直

    事業内容: SES事業、Lab型事業、キッティング事業、

          介護ポータルサイト(『介護のススメ』)の企画・運営

    設立  : 2019年3月

    資本金 : 10,000,000円

    URL   : https://irodori8.co.jp/



    【ケアマネジャーを紡ぐ会について】

    ケアマネジャーを紡ぐ会(一般社団法人日本単独居宅介護支援事業所協会)は、日本で初めて「産業ケアマネ」資格を創設し(※同会公式サイトより) 、介護離職防止に取り組む団体です。全国5,200名超のケアマネジャーが会員として参加し、年間30本以上のセミナー開催や行政への政策提言を通じて、ケアマネジャーの成長支援と介護業界への新たな価値創造を推進しています。


    所在地 : 東京都江戸川区西小岩4-2-11-101

    代表理事: 進 絵美

    設立日 : 2015年9月16日

    会員数 : 5248名(2026年8月現在)

    URL   : https://www.tsumugukai.net/