報道関係者各位
    プレスリリース
    2015年5月26日 11:00
    保健福祉局子育て支援部   児童家庭課・保育課 

    保育所等及び学童クラブ事業における待機児童の状況について ~0歳から小学校卒業までの待機児童ゼロを達成~

    保育所等は2年連続、学童クラブ事業は4年連続

    「京都で子育てをしたい」。そう思っていただけるまちの実現のため,京都市では,子育て支援施策の充実・強化を市政の最重要課題の一つに位置付け,取組を進めてきました。

    図1
    まず,小学校入学前児童については,関西の政令市で初めて保育所待機児童ゼロを達成した昨年4月における過去最大の555人分の更に2倍に当たる1,112人分の児童受入枠を確保するとともに,幼稚園の放課後等預かり保育の充実により,当初から幼稚園への入園を希望された方のうち500人を超える新入園児が,保護者の就労により預かり保育を利用するなど,民間保育園,私立幼稚園,小規模保育事業者等の御協力により,2年連続の保育所等待機児童ゼロを達成しました。
    また,学童クラブ事業についても,子ども・子育て支援新制度の下,対象を小学校6年生まで拡大するとともに,新たに職員配置,面積等に関する基準を定め,事業の更なる充実に取り組み,平成24年度以降,4年連続となる待機児童ゼロを達成しました。
    今後とも,人口減少社会に対する様々な挑戦をオール京都の力を結集し,「子育て環境 日本一・京都」の実現に向け,全力で取り組みます。

    1 保育所等利用児童,待機児童の状況について
    ~平成27年4月に向けた取組~
    <新規>
    ●保育所等児童受入枠を1,112人分拡大(平成26年4月⇒平成27年4月)
     これは,過去最大だった昨年4月の555人の2倍に当たる実績です。
     ・民間保育所:18箇所(新設6,増改築等11,分園設置1)
     ・小規模保育事業:22箇所(新設6,昼間里親改修等6,認可外保育
                   施設からの事業認可6,事業所内保育事業の認可4)
    ●幼稚園における多様な保育ニーズに応えるための放課後等預かり保育の充実
     ・私立幼稚園における放課後等預かり保育を本市独自負担により更に充実
     ・市立幼稚園全園で,午後6時までの放課後等預かり保育を実施
    ●保育利用者負担(保育料)の軽減
     ・2人目の保育料を本来額の1/2以下となるように設定
     ・さらに,同時入所を要件としない第3子以降の保育料無料化
      の実施により,多子世帯への軽減策を充実
    <継続・充実>
    ●国基準を上回る本市独自の保育士配置基準と,保育士の給与改善
    ●福祉事務所における市民のニーズに即した情報提供ときめ細かな入所相談・調整

    ■平成27年4月1日現在において,
    ・ 保育所・認定こども園利用児童は過去最高の29,002人,小学校入学前児童65,779人に占める割合も過去最高の44.1%(政令指定都市平均31.6%(平成26年4月)の1.4倍)となり,
    ・ 小規模保育事業等の利用児童749人を含めると,合計29,751人の児童が保育を利用し,小学校入学前児童に占める割合は45.2%に達し,2年連続で保育所等待機児童ゼロを達成しました。

    (1)保育所(認定こども園を含む。)利用児童,待機児童の推移(4月1日時点)
    図1:https://www.atpress.ne.jp/releases/62078/img_62078_1.jpg

     【保育所(認定こども園を含む。)利用児童,待機児童の推移の詳細】(単位:人)
    図2:https://www.atpress.ne.jp/releases/62078/img_62078_2.jpg

    (2)平成20年度以降の取組
    平成20年度以降の7年間に,延べ103箇所の施設整備等を実施した結果,保育所(認定こども園を含む。)利用児童は3,430人増加(25,572人→29,002人),小学校入学前児童に占める割合は7.1ポイント増加しました(37.0%→44.1%)。

    ○ 民間保育所整備
      新設:18
      増改築等:35
      分園設置:14
      計67箇所

    ○ 昼間里親,小規模保育事業の設置促進
      <昼間里親>
      新設・改修等:14
      <小規模保育事業等設置>
      新設:12
      認可外保育施設等からの事業認可:6
      事業所内保育事業の認可:4
      計36箇所

    計103箇所

    (3)今後の取組
    本市における市民の保育ニーズは依然として高い状況にあり,今後も増加することが見込まれます。
    平成28年度に向けては,質・量ともに全国トップクラスの子育て環境を更に充実するため,民間保育所の新設・増改築,小規模保育事業の設置促進により,現時点では,623人分の児童受入枠を拡大するなど,待機児童ゼロを維持するための取組を引き続き強力に進めていきます。
    ○ 保育所新設   4箇所(330人増)
              (5月市会で提案中の2箇所を含む。)
    ○ 保育所増改築等 9箇所(250人増)
              (5月市会で提案中の2箇所を含む。)
    ○ 小規模保育事業 3箇所(43人増)
              (5月市会で提案中の1箇所を含む。)

    計16箇所 623人増

    (4)参考
    ア 保育所等の利用状況等(平成26年度と平成27年度の比較)
    図3:https://www.atpress.ne.jp/releases/62078/img_62078_3.jpg

    注1 「保育要件非該当数」とは,育児休業中,労働時間が月64時間未満,
       保護者が自宅内で求職中など,保育要件に該当しない児童数をいいます。
    注2 「幼稚園預かり保育利用児童数」とは,保育所等に申し込まれた児童で,
       調整の結果,幼稚園の放課後等預かり保育を利用されている児童数です。
       なお,保育所等への申込みを行わずに当初から幼稚園を希望し,本年
       4月に新たに幼稚園に入園した児童で,就労等を理由に放課後等
       預かり保育を利用されている方は,少なくとも500人を超えています。
    注3 「保育所等利用辞退等」とは,内定した保育所等が第1希望ではないと
       いった理由により辞退した児童や,他に利用可能な保育所等があるにも
       かかわらず,特定の保育所等を希望し,内定した保育所等を利用しない児童数です。
    注4 自宅から20~30分未満で登園が可能であり,開所時間が保護者の需要に
       応える保育所等で,利用可能なものがある場合は,国の定義により
       「待機児童」に算入しないこととされています。


    イ 本市独自の保育士の配置基準及び給与改善
    本市では,市独自負担により約42億円(平成27年度当初予算)の民間保育所への運営補助金を確保し,民間保育所の保育士を国基準より手厚く配置するとともに,保育士の給与の改善を図ることにより,全国でトップクラスの給与水準を確保しています。
    これにより,安定的な保育士の確保と保育の質の向上を図り,質・量ともに全国トップクラスの子育て環境を実現しています。
    【保育士配置基準】              
    図4:https://www.atpress.ne.jp/releases/62078/img_62078_4.jpg

    【保育士の平均年収】
    図5:https://www.atpress.ne.jp/releases/62078/img_62078_5.jpg


    2 学童クラブ事業利用児童の状況
    ~平成27年4月に向けた取組~
    <新規>
    ●対象学年の拡大
    対象学年を従来の小学校1年生から3年生(障害のある児童は4年生)までから,小学校6年生までに拡大(小学校4年生から小学校6年生の登録数は1,304人増)
    ●新たな基準による設備・運営の充実
    1)利用児童数おおむね40人のクラス編成及びクラスごとに2名の職員を配置
     ・168箇所において286クラスを編成(昨年度は167箇所でクラス分けをせずに実施)
     ・クラス編成を行うため,新たに91人の職員を配置(508人→599人)
    2)児童1人当たりおおむね1.65平方メートル以上の面積を確保
     ・小学校の余裕教室や地域の集会所の活用等により新たな実施場所を7箇所確保
    ●職員の給与改善
     ・児童館・学童保育所職員の給与を平均3.9%増額改定
    ●障害のある児童の受入れ体制の充実
     ・介助者の派遣回数の増及び謝金単価の改定

    ・ 平成27年4月1日現在の学童クラブ事業登録児童数は,1,809人増加し,前年度比18.4%増の11,628人となり,
    ・ 子ども・子育て支援新制度の下,事業の更なる充実と利用児童の処遇向上を図る中で,平成27年4月においても,4年連続で待機児童ゼロを達成しました。

    (1)学童クラブ事業登録児童数,待機児童数の推移(4月1日時点)
    図6:https://www.atpress.ne.jp/releases/62078/img_62078_6.jpg

    (2)学童クラブ事業の利用状況(平成26年度と平成27年度の比較)
    図7:https://www.atpress.ne.jp/releases/62078/img_62078_7.jpg

    (3)今後の取組
    ○ 共働き家庭の増加に伴い,市民の学童クラブ事業に対するニーズは年々増加傾向にあり,今後も増加することが見込まれます。
    平成28年度に向けては,利用児童数や昼間留守家庭児童数の動向を見極めながら,引き続き必要に応じてクラス編成を行い,職員を配置するとともに,新たな実施場所を確保するなど,待機児童ゼロを継続するための取組を進めていきます。
    ○ 新たに多くの職員を配置したことから,職員研修の充実を図るとともに,児童の年齢に応じた支援が行えるよう,児童館・学童クラブ事業のガイドラインである「京都市児童館活動指針」の改定を行い,事業の質の確保と利用児童の処遇の向上に取り組みます。
    ○ さらに,子ども・子育て支援新制度の下での学童クラブ事業の実施状況や課題について,児童館等関係者や学識経験者とともに点検・検討を行い,事業の更なる充実に努めてまいります。

    (4)参考
    ア 平成27年度予算について
    新たな設備・運営基準に基づく職員配置及び職員給与改善等,事業充実のため,約5.9億円の増額予算を計上し,児童館・学童クラブ事業全体で総額約35.7億円の予算を確保している。
    イ 職員配置について
    既存職員508人に加え,新たに91人を採用し,総数599人の職員を配置することで286クラスを編成した。
    ウ 平成27年度における職員の給与改善について
    【児童館・学童保育所職員の給与改定】  
    図8:https://www.atpress.ne.jp/releases/62078/img_62078_8.jpg