プレスリリース
GSアライアンスが カリブ海のサルガッサムから量子ドットの合成に成功
GSアライアンス株式会社(所在地:兵庫県川西市、代表取締役:森 良平博士)は、カリブ海沿岸で大量発生し社会課題となっている海藻「サルガッサム」から、炭素量子ドットの合成に成功しました。量子ドットは2023年のノーベル化学賞の対象にもなったナノ材料で、今回の合成品は紫外線照射で青色に発光します。同社は農薬・忌避剤・抗菌剤・肥料など、農業分野への応用を検討しています。

サルガッサムから合成した炭素量子ドット
サルガッサムとは地球温暖化に伴う海水温の上昇や栄養分の流入などが原因で2011年頃から大西洋や中米カリブ海で大量発生しておりメキシコ、中南米諸国、米国フロリダ州のビーチに大量に漂着して積み重なって悪臭や有害ガスを放出し、除去コストも高く、地元の観光産業、漁業にも悪影響を及ぼしており、深刻な社会課題となっています。これまでこのサルガッサムを動物用飼料、肥料、バイオプラスチック、バイオ燃料、アルギン酸塩、建築用断熱材、結合材などに応用する研究が行われていますが、いずれの手法もコストが高く、実現に至っていないのが実情です。また、サルガッサムに含まれているヒ素などの有害重金属を除去することも大きな課題です。

サルガッサム(海藻)
GSアライアンス株式会社は、脱炭素、カーボンニュートラル社会構築のために、環境、エネルギー分野に特化した最先端技術を研究開発している会社です。種々の製品を開発していますが、2023年にノーベル化学賞の対象にもなった量子ドットという先端材料も開発しており、種々の量子ドット、量子ドットと樹脂、量子ドットと無機材料との複合材料などを開発しています。
この度、同社の森 良平博士(工学)は、サルガッサム、サルガッサムの廃棄物から量子ドットを合成することに成功しました。紫外線照射下やブラックライトで照射すると、青色を発光します。
合成された量子ドットは、炭素量子ドットの類であり、その独自の光学、物理化学的な特徴を用いてセンサー、バイオイメージング、触媒、LED、エネルギー産業、農業などに応用できる可能性があります。森 良平博士はこのサルガッサムから作る量子ドットを特に農業分野に応用する検討を考えています。同氏はサルガッサムに限らず、既に廃木材、廃植物、農業残差から量子ドットを合成して、それらを農薬、蚊や害虫に対する忌避剤、抗菌剤、肥料に効果があることを確認しており、本件のサルガッサム由来の量子ドットも、同様にそれらの製品に応用することを検討し始めます。
量子ドットなどのナノ微粒子は、その数ナノメートルという超微小サイズ、及び表面の官能基の存在などが理由で菌、糸状菌の細胞壁、細胞膜により強く相互作用し、細胞内に浸透しやすく、細胞内に入った後は遺伝子変異や活性酸素種を生じさせ、結果として、菌、糸状菌を破壊する効果が抗菌性、農薬効果の原因となっていると同氏は推測しています。他にも、菌の酵素の活性を阻害して、菌のペプチドグリカンの生成を阻害して、菌にダメージを与える、などの効果もあるようです。一方で、廃木材、農業残差、茶殻、コーヒーかすなどから作る植物バイオマス由来の量子ドットは、それら原料由来のフラボノイド、ポリフェノール、アルカロイド、カテキン、テルペノイド、サポニンなどの性質を引き継いでいる部分もあるので、それらが抗菌性、殺菌性の性質を反映している可能性もあります。さらに、田、畑などの葉の上の量子ドットにおいて、太陽光が照射された場合は、量子ドットの光触媒の作用で励起電子、励起子、活性酸素種などが発生し、抗菌、抗糸状菌、農薬の効果を発揮する原因となっています。この光触媒の効果は害虫に対する忌避性の原因になっている可能性もあります。一方で、肥料として量子ドットを使用する場合は、葉の表面にある量子ドットが、太陽光中の紫外線の光を、より植物の成長(光合成)が加速する青色や赤色の光に変換させ、植物の成長を加速できます。
GSアライアンスとしては、このように有機バイオマス廃棄物由来の炭素量子ドットが農薬、忌避剤、抗菌剤、肥料となりえる効果を確認し、既に製品化を進めており、本件のサルガッサム由来の炭素量子ドットも同様に応用製品化していく予定です。
■量子ドットとは
量子ドット(Quantum Dot)とは、量子化学、量子力学の法則に従う光学特性を持つナノスケールの超微細構造を有する最先端材料で、2023年のノーベル化学賞の対象にもなった材料です。量子ドットの大きさは通常0.5~9nmの直径という極端に小さい構造体で、1個あたりの原子、分子数は数十~数千個といわれており、人工原子、人工分子とも言われています。量子ドットの材料が半導体の場合は、ナノ結晶のサイズによってバンドギャップを調節することが可能であるため、粒径に依存した特徴的な発光特性を持ちます。よって粒子径サイズを変化させることにより発光波長が調整可能で、固体の蛍光体と比較してスペクトルの半値幅が狭く、量子効率も高いという特徴を持ち、かつ、幅広い波長を吸収することも可能です。このような量子ドットの独特の特徴を用いて太陽電池、ディスプレイ、バイオイメージング、フォトニック結晶、レーザー、LED、人工光合成、蓄電池などへの用途が研究開発されています。
■会社概要
商号 : GSアライアンス株式会社(冨士色素株式会社グループ)
代表者 : 代表取締役 森 良平博士(工学)
本社所在地 : 〒666-0015 兵庫県川西市小花2-22-11
事業内容 : カーボンニュートラル、脱炭素、SDGs課題に取り組む環境、
エネルギー分野の最先端技術の研究開発、製造販売
(国連機関であるUNOPS、WIPO GREEN、UNIDOなどから種々の支援、
助成金を受けています)
支社/合弁会社: 東京都港区、Biel/Bienne(ベルン州、スイス)、
Toronto(オンタリオ州、カナダ)、Mexico City(メキシコ)